世界中が注目するアイフォン7の新作発表がいよいよ間近に迫ります。事前予想されるストレージ容量は32、128、256GBの3プラン。中でもSNSなどで圧倒的に人気なのが128GBの機種です。機能性が普段使いでちょうど良いのもその理由ですが、もう一つの背景として、3つのプランに込められた心理的効果が、128GBの機種を人気とするのに役立っています。
アイフォン7の販売がいよいよ間近に迫る!そのスペック予想は?
いよいよ、米サンフランシスコで行われるアップルのスペシャルイベントが、明日に迫っております。
会場では、アップルの新製品が続々と発表されることが予想されておりますが、その主役はやはりアイフォン7です。
今回発売開始が発表されると予想されるアイフォン7・アイフォン7プラスは、事前情報によれば、防塵防水性能が向上すると共に、メモリ容量がアイフォン6シリーズの2GBから3GBに向上することが予想されています。
もう一つの注目点がストレージ容量プランの変更です。
アイフォン6までは、
- 16GB
- 64GB
- 128GB
だったのに対して、
アイフォン7は、
- 32GB
- 128GB
- 256GB
と大幅に拡充されたストレージ容量プランになることが予想されています。
皆さんは、もしアイフォン7を購入するとしたら、どのストレージ容量プランでアイフォンを購入しようと思いますか?
アイフォン7で断トツ人気のストレージ容量プランは128GB・その背景にあるゴルディロックス効果
実はツイッター等のSNSを見ると、事前に予想される3つのストレージ容量プランに対して、中間のスペックに位置する128GBアイフォン7の購入を希望する声が多くなっています。
つまり予想される3つのプランで、真ん中に当たるプランです。以下はその声の一部です。
そして、既に販売されているアイフォン6Sでも人気の機種は、
- 16GB
- 64GB
- 128GB
のうち、圧倒的に中間のスペックに位置する64GBが人気となっています。※
携帯電話全体のランキングでも、64GBのアイフォン6Sは数ヶ月に渡って、販社はKDDIとソフトバンクで入れ替わりこそあれ、販売台数1位を獲得し続けています。
この趨勢については、「かつて大容量といわれた64GBの値頃感が高まった。」という評価が圧倒的で、実際にそのとおりです。
しかし、この趨勢は「値頃感が高まった」という「自然に出来た流れ」で評価するより、むしろ「アップルがアイフォン6・64GBの値頃感をワザと高めたことの結果」と評価したほうが正しいかもしれません。
というのも、一般的に消費者は、商品やサービスを3つのプラン、例えば「松竹梅」で販売提示された場合、「竹」を選択しやすいことがわかっています。
なぜなら人は、3つの選択肢を与えられた時、「松」は贅沢すぎると感じ、「梅」だとケチりすぎていると感じ、「竹」がちょうど良いと感じる性向を持っているからです。
この心理的効果は、ゴルディロックス効果と呼ばれており、多くの企業で利用されるマーケティング手法の一つです。
ゴルディロックス効果は確固たるブランドがあってこそ活きる
アイフォンは全ての世代で、3つの選択肢(スペック)から商品を選択してもらう販売戦略を取っています。
機能面での差別化はもちろんのことですが、プランに3つの選択肢を与えることには、「竹」プランを意図的に消費者が選択しやすい心理効果が仕掛けられており、実際に前機種まで、その通りの結果が出ています。
ただし、この結果は、
- アップルが「アイフォン」という「確固たるブランド」を作り、
- 商品のスペックを常に底上げしながら、
- 消費者が「アイフォン」という商品の範囲内だけで商品を選択する環境を作っている
からこそ、もたらされたものです。
今回発売が予想されるアイフォン7も、消費者の評価を得るならば、おそらく「竹」プランの128GB(現時点予想)が一番販売を伸ばすでしょうし、アップルもこれを踏まえた利益配分を128GBの機種から得る想定でしょう。
さて、このゴルディロックス効果は、普通の商品を3つ並べて販売したところで簡単に成り立つものではありません。
例えば近年、オンラインの販売市場では、多数のブランドが並列販売された場合、消費者がスペックや価格を詳細に調べた後で、自分にとって最適な商品を検討した上で購入の意思決定を行うことから、ゴルディロックス効果が通じにくいことがわかっています。
その詳しい理由については、当サイトのメンバー、松尾 順さんが執筆された、「ビジネスの定石・ゴルディロックス効果のネットに対する敗北」を御覧いただければ嬉しく思います。
まずはアイフォン7の発売を心待ちに過ごしましょう。
Photo via VisualHunt.com
※BIGLOBEニュース
http://news.biglobe.ne.jp/it/0903/imm_160903_4767995218.html