街角でよく見掛けるケンタッキーフライドチキンのカーネルおじさんの像、彼は皆さんもよくご存知、創業者のカーネル・サンダースですね。
本稿は、新規ビジネスの合否判断に役立つケンタッキーのおじさんでおなじみカーネルサンダース4つの質問という内容です。
60歳で挫折しても折れなかったカーネル・サンダース
カーネル(Colonel)はもともと、軍隊の階級である大佐の意味する言葉ですが、ケンタッキー州に貢献した人に与えられる名誉商号であり、それ以来カーネル・サンダースと呼ばれるようになったそうです。
今では、日本でも鶏肉の取扱量で一番のシェアを誇る同社ですが、当のカーネルは、何と65歳で無一文になり、それから5年後に100店舗を超えるフランチャイジーを抱えるまでに再生した不屈の起業家です。
彼が60歳を超えてからの挫折を乗り越え、成功していく上で大事にした4つのテストを、本稿ではご紹介したいと思います。
「カーネル・サンダースの4つのテスト」がケンタッキーフライドチキンにもたらした効用
「カーネル・サンダースの4つのテスト」と言われているのは、下記の4項目です。
- うそ偽りはないか?
- 関与するすべての人に公正か?
- 信用と信頼を築けるか?
- 関与するすべての人に利益があるか?
この4つのうち1つでも「ノー」があったとしたら、その事業には手を出さず、全てに「イエス」と答えられるならば、そのビジネスに自信を持って取り組め!というものです。
実はこの4つの質問は、国際的な社会奉仕連合団体「ロータリークラブ」に加盟する会員の行動基準であり、カーネル自身も22歳で加入したロータリークラブの会員として、身につけた原則と言われています。
この原則を適用した上でカーネルは、ケンタッキーフライドチキンの店舗で、
- 「価格ほどの価値はないかもしれませんが、味は保証します」
- 「どこの州で食べても同じ味を楽しんでいただけます。もし違った場合は返金致します」
という、一見店舗に不利なネガティブキャンペーンを、初期時点で敢えて打ち出しました。
なぜなら、自分の作った商品において、先述の1〜4の項目全てを満たしている自信があったからです。
仕事だけでなくプライベートにおいても4つのテストを実践
カーネルは仕事で4つのテストを実行しただけでなく、プライベートにおいてもこれを実践しました。
彼は私財を投げ打ち、孤児院の子供のために毎日アイスクリームを提供したり、肢体不自由児のために基金を作ったりしました。
病院や医学研究、教育、ボーイスカウトなどの活動に資金を提供しました。来日した際には、交通遺児たちとの交流も行ったそうです。
ケンタッキー州議会には今でも、カーネル・サンダースの胸像が建てられています。
これをめぐって、動物愛護活動家・モデル・女優のパメラ・アンダーソンが「ニワトリへの残虐行為の象徴」だとして撤去を求めましたが、州知事は「サンダースはケンタッキーの象徴」だとして拒否したそうです。
起業を目指す人や、新規ビジネスを始めようとされている方には、カーネル・サンダースの4つのテストで、全て「イエス」と答えられるような事業を行うことをお勧めしたいです。