商売は十中八九失敗し、起業してから10年経過して残る会社は、僅かに10%あるかないか。赤字なのに借金だけ膨らませて、クビが回らなくなる経営者の方も数多く存在するのが、この社会の現実です。
どのようなケースにいる場合、一旦廃業して再スタートを目指したほうが良いのか?
多くの企業を見てきたキミアキ先生が解説していただきました。
会社を廃業するという選択肢
商売を始めても十中八九失敗するわけで、失敗した時になるべく借金の額が少なければ少ない方が良いですよね。
借金の金額よりも無駄に頑張ってしまって、時間をムダにしちゃうことも多いので、駄目だと思ったら一旦廃業してしまうのも、ひとつの手だと思うところはあります。
思い切って廃業するのも再生に向けた道の一つ
一旦商売なんて始めたら、1回や2回は死にかけることがあるわけですよ。
「コレは、本当に首くくんなきゃいけないかな〜」って思うことだって、社長さんたちは皆さん経験あるでしょうしね。
今回はもう乗り切れないわ…と思いながらも、それでもなんとか乗り切った人達だけが生き残っているわけです。
借金が膨らむぐらいなら廃業は早い方がいい
無理して銀行から借り入れを起こしても、結局のところ赤字の会社は、それを使いきって終わりなわけですから、そうすると借金だけが残ってしまう。
そうならないために、今思い切って廃業したほうが将来につながるケースを、本日は話してみたいと思います。
廃業を選択した方が賢明な会社・3つの特徴
【その1】社保・消費税・源泉税を滞納している会社
廃業や倒産の予兆として会計上ハッキリとわかるのは、まず社会保険や厚生年金の滞納が起こり始めます。それから、消費税の滞納が起こり始めるます。
資金繰りが悪い会社は、消費税の滞納が当たり前のように起こり、遂には源泉所得税等の滞納が起こると。
銀行には無理をしてお金を返済していたとしても、この手の滞納が出てきてしまうんですね。
よく差し替え調査なんて呼んでいますけれど、それが入ったら、その会社は事実上の倒産となります。
【その2】金融円滑化法を利用するもリスケで返済中の会社
あとは金融円滑化法と言いまして、民主党政権時代に、「借りたお金は元金は返さなくて良いから、とりあえず利息だけ返して下さい」という法律が制定されました。
その当時潰れていた会社を無理矢理生かしたという法律でして、これは2013年3月で切られました。
一気に会社が潰れたらまずいので、銀行側との調整によってリスケジュールで返済を思いっきり伸ばしていたのですが、これらの何とか生き残っているようなフリをしていた会社さんが、今どんどん潰れています。
やはり経営状態が悪くなったら無理矢理生かすのでは無く、1回リセットさせた方が良い場合もある。
我々のお客様でもこのケースはありました。
何度も死のうかと思うくらい廃業とか倒産って、めちゃくちゃ精神的ショックが大きいんです。酷いんですよ。
その精神的ショックから社長の気持ちも沈んでいるので、うちは絶対に社長は殺さない!と、そうやって事務所を運営してきました。
【その3】高金利の借金を返せずクビが回らなくなっている会社
さらにキツいのは、高金利で借りているお金なんですね。
高金利のお金にまで手を出さなきゃいけないくらい追い込まれた社長というのは、借りれるものなら、もうどっからでも借りてしまいます。
この高利の金をどうにか、どーにかして銀行借入まで置き換えてしまえば、たとえその会社が潰れて、社長自身が自己破産することになったとしても、気持ちの上で凄く楽なんです。
銀行は泣かせたけど、だけどちょっとヤバそうなところにはちゃんとお金返せたので、なんとか生き延びることが出来ると。
実際に復活した社長というのはですね、大抵、前の会社を潰す時に、高利のお金に手を出した社長さんも多いので、「もうああいうことだけは絶対にしたくない!」ということで、潰さない経営のほうに力を注ぎます。
個人成りしてゼロから始めるのも選択肢の一つ
これは申し訳ないですが、ウェブ上で詳しいやり方は教えられません。
実務上、「こうやれば払わなくて良いこと」が出来るというのは、あまりに…その…ヤバすぎる話でして。
実際我々も何件かやってきたわけなんですけれども、1にも2にも社長を殺したくないからでした。
もう社長はお金がスッカラカンで、幾らやってあげても私達はお金を取れないですよ。ただ単に社長を殺したくないだけで、私共も合法の範囲内でキワドいことはやりました。
一人だけ、本当に人間のクズだなって思った社長さんを見たことがありますけど、他の社長さん達はみんな、本当にみんな、一生懸命やったけれど、結局潰れてしまったんですよ。
そりゃ商売下手くそだったかもしれませんけれど、税金を払うために高利のお金に手を出して、それで一生懸命税金を払っている。
これからやばいことがあっても、社長達は実務上出来ることはやって、我々も絶対社長を殺さない!と思って支えていきますので、何か悩みがあったら電話1本でもください。
私にできることであれば、必ず相談に乗ります。