「薩摩の教え・男の順序」とは、江戸時代に77万石の大藩となった島津家に伝わる教えです。
現代でも人事評価をする上で見事にマッチングした内容であるため、多くのセミナーで取り扱われています。
5段階で一番高い評価を得る人材と、一番低い評価を得る人材とは?キミアキ先生が、企業の実情に照らし合わせながら、面白おかしく解説してくれました。
薩摩の教え・男の順序は世紀超え語り継がれる
今日は、幹部研修に打って付けのネタである「薩摩の教え・男の順序」という題材を扱ってみようと思います。
薩摩藩といえば現在の県で言うと、鹿児島県、それから宮崎県の南部、沖縄も支配していた、日本有数の売上を誇った国でございます。
男の順序の元ネタは誰が言ったの〜というと、明確にはわかっていません。
しかし、薩摩藩といいますと、関ヶ原の戦いの時に敵陣を突破し撤退した島津義弘あたり、いわゆる鬼島津が有名なので、鬼島津が言った!ということにしておくと、セミナー講師側としてもよりやりやすくなるネタでございます。
「鬼島津」と呼ばれ秀吉や家康にも武勇を讃えられた島津義弘
島津義弘が言ったと仮定して、島津義弘の思う男の順序、実は5段階あります。
その1番から5番まで見ていくと、まさに、まさに経営者が従業員さんを見る評価と全く同じなんですね。
ですので、私的には、島津義弘は言ってないんじゃないかと思うくらい、現在の経営に非常にマッチしたネタであると感じます。
経営者であれば、どのような人材を積極活用すべきか?雇われる立場にいるのであれば、どうすれば評価されるのか?を考えるのに役立ちますので、以下見ていきましょう。
薩摩の教え・男の順序が教える5段階の評価
一、何かに挑戦し、成功した者
それではまず1番からいきましょう。
評価の上がる男というのは、何かに挑戦し、なおかつ成功した者。
これは従業員さんを見ていても、新しいこと、難しいこと、これから逃げるのが普通で、挑戦ってなかなかしないですからね。
挑戦しているのは常に社長だけ、とかね。笛吹けど踊らず!みたいな、俺しか頑張ってねぇ〜みたいなね。
そういう感じで挑戦となると、ほとんど中小零細企業の場合は社長を筆頭に、社長と経営陣くらいしか、あんまり挑戦しないというのがありますね。
挑戦してなおかつ成功した者は、非常に評価が高いという傾向があります。
二、何かに挑戦し、失敗した者
で、これが来たら二番にくるものの予測がつくと思います。
2番手は何かに挑戦して、失敗した者です。
やはり何かに挑戦するということが前提で、成功すればなお良しと。ですから失敗したことに関しても評価が上がります。
これはどこの中小企業も同じなんですけれど、とにかく挑戦しない場合が多いから、挑戦することだけで、非常に評価が上がっていく傾向があります。
さて、何かに挑戦し、成功した人が、1番手。
何かに挑戦し、失敗した人が2番手とすると、じゃあ3番手は何かと言いますと。。
三、自ら挑戦しなかったが、挑戦した人の手助けをした者
自ら挑戦しなかったが、挑戦した人の手助けをした者ですね。
自らは挑戦していないんだけれど、挑戦した人を助けてあげたと。これね、すっごく気持ちがわかるんですね〜。
自分は挑戦するだけの度胸は無いし、引っ込み思案だったりね、それでいて能力も無いんだけれど、それでも挑戦している人をなんとか自分の出来る範囲で手伝えないかと。
何か指示してくれよ!手伝えることがあったらやるからと。俺はバカだけど、バカはバカなりに手伝うから!ってね。
こういう従業員さんて、実は凄くありがたい存在なんですよね。
能力はそれぞれ違うし、長けている事が無いことだってあるかもしれませんが、自分が挑戦することが出来なくても、その手助けをするというのは、第3番手の評価ですよね。
これはね〜、やっぱりかなり創作されているんじゃないかと思うくらいに、現代の経営とマッチする部分がたくさんありますね。
四、何もしなかった者
そして5段階中4番が何もしなかった者。
経営者の感覚とか見方と、従業員の感覚って違うなと思うのは、「何もしてない」っていうのは仕事をしてないとか、そういう話では無いんですよ。
ここで勘違いが生じるのは、自分の作業というものをやっていれば「仕事をした」という風に思っちゃう。勤め人としてはね。
ところが、経営者の視点から見た場合は、やはり新しい事、難しいこと、より高い所にチャレンジしていく人でないと、評価は上がっていくものでありません。
ただ単に作業しかしていない人は、基本的に経営者の目から見れば、何もしなかった人としか映らないんですね。
ですから評価としては、5番中の4番手となってしまうのかな、と感じます。
さて、いよいよでございますね、5段階評価の1番下の評価というのは、これは意外と勤めていた時代、けっこう周りにいたような人達なんですね〜。
五、何もせず 批判だけしている者
自分では何もしないんだけれど、批判だけはしている者。
いわゆる評論家ですわ。
社内評論家というのはだいたいどこの会社にもいるモンなんですね。
知ったかぶりでね。
「そら見たことか〜」とかね、自分では何もしないんですよ、しないんですけど、先読みしていたかのように「だから失敗すると思ってたんだよ〜俺は最初から分かってたんだよな〜」とか言うのね。
こういう評論家はいっぱい存在するわけで、いっぱい存在するが故、五段階評価中の1番下の五番手なわけですけが。
こういうのなら、誰でも出来るんですよ。
自分たちで実際に新しいことや難しい事を始めるべく動いてみたら、そら失敗することも多いですよ。でもそういう人をやっぱり経営者ってのは求めているんです。
起業家は失敗しても評価されることを忘れるな
以上が1番手から5番手までになります。
起業・開業する時の状態でも同じで、起業・開業するという事は、何かに挑戦している状態なんです。
「新しく商売始めてみよう!」って走り出す訳ですからね。
ところが、5番手の人たちから「そらみたことか!」とか「後々何かあいつは失敗する!」といろいろ言われちゃうんですよ。
それでちょっと失敗すると「俺は分かってたよ〜♪お前なんかが上手くやれるわけないってわかってたよ〜♪ハハハ〜ン(鼻で笑う)」みたいな感じでね。
だけどですよ、だけれども、この1番手〜5番手の評価は、経営者から見た評価ですけれども、何もせず批判だけする評論家というのはですね、やはり実際に自分で商売を始めて失敗した人よりも評価は遥かに下です。
遥かに下。これは世間の評価も一緒です。
ですから、実際に商売を始めてあまり上手く行っていないという方も、この評価順を見るとちょっと安心するでしょう?
社会的評価は間違えなく上がっているんだということを考えながら、これからも色々と修正をかけながらやっていきましょう。
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