「社長、税務調査が入ります!」この言葉を聞いて、”うれしい”と思う経営者はまずいないでしょう。
予告が行われてから2週間〜1ヶ月の期限が設けられ、いざ税務局員の方々による調査が行われます。
経営者と税理士(公認会計士)は、この期間に会計帳簿でツッコミが入りやすいところを、完璧に説明できるように整えなければなりません。
税務調査が決まったら事前に打ち合わせでチェックしておくべき5つの項目を提示します。
税務調査の期限が決まったら経営者は大忙し
「社長、税務調査が入ります!」この言葉を聞いて、”うれしい”と思う経営者はまずいないでしょう。(ごく稀にいますが)
税務調査は「任意調査」と「無予告調査」に別れますが、無予告調査の場合は一旦お引き払いいただくとして、任意調査は期限を設けられた後、断ることができません。
予告が行われてから2週間〜1ヶ月の期限が設けられ、いざ税務局員の方々による調査が行われます。
経営者と税理士(公認会計士)は、この期間に会計帳簿でツッコミが入りやすいところを、完璧に説明できるように整えなければなりません。
そこで本稿は、税務調査が決まったら事前に打ち合わせでチェックしておくべき、5つの項目をまとめたいと思います。
税務調査で事前にチェックしたい5つの項目
1)期ズレ等のチェック
税務調査においては、売上をチェックする際に、必ず期ズレのチェックをします。そのため、特に直前期末の売上と原価、進行期の売上と原価の対応性について、再確認をしておきます。
特に、決算において未払いになっているもの、決算月に現金にて支払ったものについては、調査官は目を光らせて質問してきます。毎年の原価率がかなり変動している場合には、その理由の説明を調査員に出来るようにしておきましょう。
2)人件費のチェック
調査官は、架空人件費のチェックをします。そのために、履歴書・給与台帳・年末調整資料の整理をしておきましょう。
現金で支給している場合には、特に調査官はチェックしてきますので、入念にチェックしておきましょう。
役員報酬を変更した場合には、取締役会議事録が必要になります。これが無いと、増加した部分の金額は役員賞与と指摘される場合があるので、必ず作成しておきましょう。
退職金の支給があった場合には、支給金額の妥当性について聞かれますので、その根拠を調査員に説明できるようにしておきましょう。
3)契約書のチェック
関係会社間の契約書については、その内容、金額、支払い方法など、恣意性が入る余地が多分にあるため、「どうしてこの契約が必要なのか?」「契約金額の妥当性」については、経営者がきちんと説明できるようにしておいてください。
もちろん、このような契約については顧問税理士も把握しているはずなので、意思疎通を図るようにしましょう。
その際には、印紙のチェックもしてきます。貼る必要がある契約書なのか、事前に確認しておきましょう。
4)交際費と会議費・福利厚生費のチェック
調査官は、会議費や福利厚生費をできるだけ交際費にしようと指摘してきます。会社としてのこれらの区分の考え方、経理規定などを再確認しておきましょう。
また、経営者が個人的に使用したものと指摘してきます。この場合には、役員賞与となり、法人税と所得税のダブル課税となってしまうので、最も税金が多くとられてしまいます。なんとしてもこれだけは避けたいところです。
3万円以上の飲食代の領収書に印紙が貼っていない場合には、調査官はかなり疑いの念を持つでしょう。
それは、架空領収書の可能性が高いと考えているからです。確かに印紙は相手側で貼るものなので、飲食店ではうっかり見落とすこともあるでしょう。調査当日に指摘された場合には、誰とどんな目的で交際したのかなど、堂々と話すことがポイントになります。
5)貸倒損失のチェック
基本的に法人税法に規定している用件に合致していれば、特に問題になりません。
しかし、規定自体が曖昧なこともあり、判断に迷うこと、やや強引に損失処理してしまう場合もあるかと思います。
その際には、相手との取引履歴、催促状況、当社の担当者の意見などを整理しておいて、当日指摘されたらこれらの資料をきちんと提示できるようにしておきましょう。
自社に対する指摘事項を想定して臨みましょう
特定のツッコミポイントは、上記5つの項目のいずれかである可能性が高いです。
経営者と会計事務所は事前に打ち合わせを密にして、当日どのように対応するのか、また事前に確認しておくべき事項は何か、確認してから税務調査に臨みましょう!