「Never Give Up!」は昔イギリスの首相が、「Yes We Can!」は近年アメリカ合衆国のオバマ大統領が叫んだ言葉です。2人が思いを込めた3つのフレーズは、世界を変えました。いよいよ師走に突入しました。この時期は忘年会や期末行事が重なり、何かと挨拶をする機会が増えるものです。自分の個性を以って、簡潔明瞭で短い言葉で仲間に感謝の言葉を伝えましょう。気持ちは既に伝わっています。
語り継がれるチャーチルのNever Give Up!演説
「Never Give Up!」は昔イギリスの首相チャーチルが、「Yes We Can!」は近年アメリカ合衆国のオバマ大統領が叫んだ言葉です。
2人が思いを込めた3つのフレーズは、世界を変えました。
第二次世界大戦の終了直後、ケンブリッジ大学の卒業式に招待され、祝辞を述べることになったイギリスのチャーチル首相は、杖をつきながらゆっくりと壇上にあがり、卒業生の顔を一人ずつ見廻しながらこう言いました。
「Never Give Up!」少し間をおいて、再び、しわがれた声で「Never Give Up!」それだけ叫んで、壇上から降りて行きました。
ナチス党の率いるドイツとのやっとの戦争に勝利したチャーチル首相が、どんな素晴らしい祝辞をするかと固唾を飲んで待っていた卒業生や教師や父兄達は、一瞬唖然としましたが、やがて式場に万雷の拍手が巻き起こりました。
私も退職前の大学の卒業式で、祝辞を頼まれチャーチルの真似をしました。でも、役者が三流なので、その後壇上に戻り20分も祝辞を述べました。
年末の忘年会・挨拶は短く伝えるのが良い理由
いよいよ師走に突入しました。この時期は忘年会や期末行事が重なり、何かと挨拶をする機会が増えるものです。
会社社長や役員であれば、年末もそうですが、年頭の挨拶や、祝辞や弔辞、スピーチを頼まれる機会もあると思います。
とかくリーダーは、長い話を名演説・名スピーチと思いがちですが、その状況、雰囲気、立場にふさわしい話は当然のことながら、個性と簡潔明瞭で短い感動的文章をメーンにするべきです。
私達が長い口上で自分の夢や今年の苦労を述べるよりもずっと先に、勝負はだいたい付いているからです。
どのような言葉を伝えるかも重要ですが、「論より証拠」「親父は背中で語る」とも言いますように、私達が他者のためにどうあったかは既に他人に伝わっているものです。
数年前「トリハダ秘スクープ映像100科ジテン」というテレビ番組で、一本脚の野球少年が、大リーガーの始球式の捕手として招待されたスクープが流されました。
2才の時に大腿の腫瘍が見つかり、片脚を切断された少年はスポーツに目覚めます。初めは松葉杖をつきながらサッカーをやり、後で一本足で野球をやり出しました。
攻撃の時は打った後に片足で飛び跳ねながら走塁し、守備の時は座った格好で捕手をやっていました。
その姿が掲載された地方紙を、偶然見た大リーガーの投手が、始球式の相手の捕手として選んでくれたのです。「神様!一本足に負けない強い力を有難う。」「いつもベストを尽くし、絶対あきらめないことです。」アダムス君はそう言っていました。
まさにチャーチルのように「Never Give Up!」とアダムス君は簡潔なことを言っていたのですが、これは艱難を乗り越え、夢を追い求め続けたアダムス君が言うからこそ、迫真に迫る力のこもった言霊となるのです。
普段の姿勢は言葉を超えて人に伝わっている
国を背負って圧倒的な困難に立ち向かい、克服してきたチャーチル。彼が述べたたった一言の祝辞は、仕事や研究や人生に適用出来る素晴らしい名演説でした。
経営者やリーダーの言葉も同様に、日々圧倒的な困難に立ち向かい、克服していることでしょう。
年末の忘年会は、自分たちについてきてくれた仲間を労う会です。
自分の個性を以って、簡潔明瞭で短い言葉で彼らに感謝の言葉を伝えましょう。
貴方の普段からの姿勢は、既に貴方の言葉を超えて多くの人に何かを与えているのですから。