コンビニ本部のロイヤリティ徴収はどんな仕組みなの?

経済
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コンビニのロイヤリティってどんなものなの?

前回寄稿した記事「コンビニって儲かるの!?コンビニ経営のメリット・デメリット」が、多くの皆様に好評だったため、今回は更にズバッと、コンビニ業界の核心に迫る記事を寄稿したいと思います。

その中身は「コンビニエンスストアのロイヤリティはずばり高いのか?」というものです。

結論をお話する前にまず、フランチャイズビジネスにおけるロイヤリティについて再度確認してみましょう。

ロイヤリティとは、加盟店がフランチャイズ本部の商標や蓄積してきたノウハウを使用できる権利を得る代わりに本部へ支払う対価です。

ロイヤリティの算出方法は3つあります。

  • 1)粗利分配方式:加盟店の売上総利益に一定の率をかける
  • 2)売上歩合方式:加盟店の売上高に一定の率をかける
  • 3)定額方式:利益や売上などに関係なく、決まった額になる

この中で主要なコンビニエンスストアチェーンのロイヤリティは、ほぼ1)により算出されています。

しかし、中には2)や3)の算出方法が適用される場合もあります。

また、名称も「ロイヤリティ」の他、「チャージ」「ロイアルティ」「フィー」など各社で呼称は様々ですが、意味合いは同じであるため、このコラムではロイヤリティに統一表記します。

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本部へのロイヤリティ支払い額はいかほど?

では、まず主なコンビニエンスストアで発生するロイヤリティ(粗利分配方式)のイメージをお持ちいただくために、わかりやすい数字で計算してみます。

例えば、月に1,500万円の売上があったとします。粗利益を30%とすると、売上原価は1,500万円×70%=1,050万円となります(実際にはここに不良品原価も入ってきます)。

その場合、売上総利益は、

1,500万円—1,050万円=450万円

となります。ここに、ロイヤリティ率をかけていきます。このロイヤリティ率は後述する契約タイプによって変わってくるのですが、仮にその率が40%だとすると、

450万円×40%=180万円

またロイヤリティ率が、65%の場合は292.5万円となります。

この180万円や292.5万円が、本部へ支払うロイヤリティです。

そして、ロイヤリティを支払ったあと、450万円—180万円(292.5万円)=270万円(157.5万円)が残りますが、基本的にはここから人件費(経営者のものは通常含んでいないことが多いので注意)、水道光熱費、派遣社員費用などを引いていき、営業利益が導かれます。

そして、その他営業外の経費などを抜いてオーナーの収益となります。

まずはここまでご覧になってみて、どう思われましたか?

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主要コンビニ各社のロイヤリティ率をチェック

では、実際に5チェーンのロイヤリティを見てみましょう。

以下のチェーンは粗利分配方式に基づいています。なお、上部はオーナーが土地や建物、内装費用を用意するタイプ、下部は本部が土地や建物、内装費用を用意するタイプです。チェーンによっては、この中間タイプもありますが仮に以下の2つのタイプで見ていきます。

節約社長

これで見ると、オーナーが土地、建物などを用意するタイプは、一部を除いてロイヤリティのパターンが1種類しかないのに対し、本部が用意するタイプの場合はどのチェーンも売上総利益の額に応じて率が変動する仕組みを採用しています。

また、一般的に下のタイプは上に比べてロイヤリティ率が高くなっています。これは、本来オーナーが用意するものを本部が代行して用意していることに起因します。

また、同じようなコンビニエンスストアの形態でも、契約タイプだけでなく、チェーンによってもバラバラですね。

このバラバラなところに、各チェーン本部の戦略、例えば加盟店へのサポート体制や店舗開発、商品開発、バックオフィス体制などのノウハウが詰まっているのです。

ちなみに、コンビニエンスストアの加盟を考える際、単純にこのロイヤリティ率だけで決めてしまうのは危険です。

どういうことかと言いますと、例えばセブン-イレブンの場合、他のチェーンよりそれが高い傾向がありますが、水道光熱費を本部が80%負担する、というサポートがあります。

月に40万円の電気代として、32万円は本部が負担、加盟店は8万円の負担で済むことになります。また、不良品原価の15%を本部が負担する、というサポートもあります。

このように、各チェーンでロイヤリティだけでなく総合的なサポート体制を見る必要があり、加盟検討時に本部の説明会参加や加盟店訪問も行うことが大切になってくるのです。

ここまでご覧になって、いかがでしょうか?

正直な話、決してロイヤリティは低くありません。

特に本部が土地や建物を用意するタイプの場合は高めに設定されるため、オーナーの元にできる限りお金を残すためには、経費も湯水のように使うことはできません。

では、本部は加盟店から貰うロイヤリティをどのような用途で使うのでしょうか?

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コンビニ本部でのロイヤリティの使われ方は?

では、一見多く発生しているように見えるコンビニエンスストアのロイヤリティは、どういうところに使われているのでしょうか。それを可能な限り紐解いていきます。

一般的に、コンビニエンスストアの本部サポートは、これでもか!と言えるほど手厚いことが特徴です。

本来、独立開業する際にオーナーが自ら準備しなければならない物流体制構築、商材、レジなどの機器も、初めからノウハウの一つとして提供されます。

本部の統一されたシステムを使い、開業当初から運営ができることが大きな強みでもあります。

他にも、具体的なロイヤリティの使い道は以下のようになります。

1.加盟店指導員の経営アドバイス

週2回など一定の回数店舗を巡回、あるいは電話などの手段で常に加盟店をサポートする指導員(スーパーバイザー、OFCなどの名称で呼ばれる)が、経営をサポートしています。

2.商品開発、サービスの導入

コンビニエンスストアの強みは、お客さまのニーズを早め早めにキャッチし、最新の商品やサービスを素早く提供できることにあります。そうした商品やサービスの開発を本部が行っています。

3.広告宣伝活動

各種パンフレットやCMなど、ブランドイメージを向上、維持できるような取組みが対外的にもなされています。

4.情報システムの構築

独自に開発されたPOS(レジやストアコントローラなどの運営機器を総称したもの)を通じて、瞬時に何がいつ、どういうお客さまに売れたか、という情報を加盟店に提供する仕組みです。

5.最新データの提供(品揃えに役立てるため)

天気予報や各種年間行事、本部が提供するキャンペーン情報などを揃えて、タイムリーに提供する仕組みです。基本的には指導員やシステムを通じて提供されるため、店舗にいながら常に最新情報と向き合うことが可能になります。

6.会計業務の代行

いちいち帳簿をつける必要がなく、販売や経費のデータがPOSを通じて収集、蓄積されていきます。それらは本部とつながっており、月に1回会計書類という形でフィードバックされます。コンビニ会計はロイヤリティを含む計算が独特であるため、自分自身で一から計算する時間を省くことができます。

7.スタッフ教育のバックアップ(一部、採用サポートも)

スタッフ教育は、店舗を経営しながらだとなかなか思うようにいかないものです。それらを円滑に進めていくための業務マニュアルや、教える人のためのマニュアルなどを本部が作成、随時改定を行っています。

また、チェーンによっては教育・資格プログラム(ファミリーマートの「ストアスタッフ・トータルシステム」や、ミニストップの「イエローテイルプログラム」など)を導入しているところもあり、そうした資格取得のためのサポートも行われています。

8.各種教育研修の実施

オーナー自身も、開店前に2週間~1ヶ月程度の研修を受けて開店することになります。また、開店後や契約満了後の再契約時に研修を実施したり、経営に関する知識のブラッシュアップやオーナー同士の情報交換の場などを本部が用意したりすることもあります。

9.共済制度などの各種支援制度

オーナーのお祝い事や、怪我、障害、死亡、もしくは店舗の物損事故などに備え、サポート体制も充実しています。

いかがでしょうか。

これだけのサポートがあるコンビニフランチャイズの仕組みを利用すれば、開業当初から運営面に注力できる体制が万全に整っています。

中でもシステムの構築はフランチャイズ業態の中でも非常に優れた仕組みになっています。

さて、ここまで読まれてコンビニエンスストアのロイヤリティ、高いか?それとも安いか?どうお感じになりましたか?

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結論:コンビニのロイヤリティは高いのか?

結局、ロイヤリティを高いとみるか、安いとみるかの最終判断は、読者の皆さまに委ねることになります。

よく、私自身もオーナーがロイヤリティのことを「本部への上納金」と呼んでいるのを聞きました。

そこを必要経費として見て、売上や利益を作っていくことに注力するのか、それとも本部に持って行かれる、という視点で見るのかで、経営そのものも変わってくるのではないか、と思います。

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(社)東京都中小企業診断士協会 フランチャイズ研究会所属
社会保険労務士法人プレミアパートナーズ
安紗弥香
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