用不用説は獲得形質(個体が後天的に身につけた形質)が子孫に遺伝し、進化の推進力になると唱えるものであり、更に簡単に言うと「使うものは発達し、使わないものは衰える」と主張する学説です。人間にとって歩くことは心肺機能、骨格筋肉、内臓などの諸機能を健全にするため非常に重要ですが、これを行わずに身体の機能を退化させている人が増えています。日常の中で歩くことを意識しましょう。
ラマルクの用不用説が現在社会でも生じている
突然ですが皆さんはラマルクの法則「用不用説」という法則をご存知ですか?
用不用説(ようふようせつ)は、中世フランスの博物学者であるジャン=バティスト・ラマルクラマルクによって提唱された進化論であり、ラマルキズム(英: Lamarckism)とも呼ばれます。
用不用説は獲得形質(個体が後天的に身につけた形質)が子孫に遺伝し、進化の推進力になると唱えるものであり、更に簡単に言うと「使うものは発達し、使わないものは衰える」と主張する学説です。
例えば、キリンの首が長い理由は高い木の上に生える葉を食べるため、人間の尾てい骨が退化したのは四足歩行から二足歩行へ移行したから、という学説を支える根拠が用不用説です。
実はこの法則を証明するかのような現象が、現在でも生じているのをご存知ですか?
歩くのをやめると人間の足は退化してしまう
地球上に生きる生命体の中でも、人間を表す特徴の1つとして先にもあげた二足歩行があります。
人間の心肺機能、骨格筋肉、内臓などの諸機能は、歩くことや動くことによって維持されるように設計されています。
にもかかわらず、特に先進国においては、文明の発達により歩くことが激減し、栄養過多と飽食によって年々脂肪が年輪のように増え、まるで大木のようになっている人も多く見られます。
テレビ番組やインターネットの情報を見て、慌てて健康法の本を買い、ジョギングを始める人や、スポーツクラブに入会する人は数限りなくおり、特に経営者の方にその傾向があるかもしれません。
私もかつて、富裕層向けアスレチッククラブでトレーナーをやっていた経験がありますが、多くの経営者が高い入会金と月会費を払ってクラブに通うことに疑問を持っていました。
中には時間が無いからといって、運転手付きの車でやってきて運動してサウナに入って帰る方までいたものです。
非常に本末転倒ですし、用不用説に当てはめれば、この経営者は自らの身体を退化させ、機能不全状態に追い込んでいたと言えます。
日常生活で歩くことは人間に最も適した運動
ではどうすれば良いのかと言えば、歩く時間を作れば良いのです。
人間にとって最も適切な運動は”歩くこと”です。
決して走る必要はありません。走ることが無酸素運動なのに対して、歩くことは有酸素運動であり持続可能な運動です。
車に乗り通勤する時間があれば、週に2〜3日で良いので一時間通勤を早めて歩いて会社へ向かいませんか?
電車で通勤できる環境ならば、出来る時はなるべく1駅前で降りて歩くこともお勧めします。
歩くことは、足の裏の自律神経に関わる多くのツボや、膝の裏にある委中(血液浄化の腎臓に効くツボ)を刺激し起立筋の発達を促します。
起立筋は、積み重なる脊椎骨を支えており、そこから出てくる脳脊髄神経が多くの内臓に影響をもたらします。
しっかりした起立筋は、脊椎骨を安定させ、内臓の働きを活発にします。更にいいことは、 一歩一歩歩くたびに脳に刺激が届き、脳の働きが活発になります。
歩くのはタダです。お金もかからず節約して健康を維持することに役立ちます。日常生活の中で工夫をして、”歩いて健康になりましょう”。