人形町近辺は、久松町・浜町・堀留町・富沢町といった狭いエリア内に、隅田川の内側で最大規模の住居地を構成しています。そして近年家族持ち世帯の流入が増え続けています。なぜでしょうか?都心としての地理的優位性が高くなり続ける東京駅から近い居住地であることに加え、都心にも関わらず育児がしやすい環境が整っており、家賃も相対的に安いなど、家族に人形町が選ばれる4つの理由を提示します。
日本橋人形町は東京都心最大規模の居住エリア
皆さんは東京都中央区に位置する「日本橋人形町」という街をご存知ですか?
人形町は日本最大の遊郭街である旧・吉原がもともとあった場所であり、高級すき焼きの今半を代表とする美食の街でもあります。
主演・阿部寛で映画化までこぎ着けた人気ドラマ「新参者」の舞台と言えば分かる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし人形町近辺は現在、別の意味でも注目される街となっています。
人形町近辺は、久松町・浜町・堀留町・富沢町といった狭いエリア内に、隅田川の内側で最大規模の住居地を構成しています。
そして近年家族持ち世帯の流入が増え続けています。なぜでしょうか?
家族で都心に住む人が人形町を狙う4つの理由
家族で東京都心に住む人達が、日本橋人形町近辺を狙っている4つの理由を以下提示します。
1)再開発進む東京駅から近距離の住宅地
三菱地所は8月末に、高さ日本一となる390メートルの超高層ビルをJR東京駅近くに建てると発表しました。地上61階・地下5階のビルは、現時点で日本一高いビル大阪・天王寺「あべのハルカス」を優に100メートル上回ります。更に、東京駅周辺では3.1ヘクタールの敷地面積となる大規模総合再開発が行われることになっており、今後の日本における国家戦略特区の中心として、その地理的優位性が高まることが見込まれています。人形町駅は東京駅まで車で10分、電車(半蔵門線・水天宮前駅)で2駅の場所に立地する居住地です。
2)DEWKS世代にとって育児環境が整っている
中央区では「DEWKS世代(子持ち共働き世代)」の移住が顕著に増えており、最大の年齢別世帯層は25歳から49歳となっています。中でも人形町近辺の日本橋地区は、東京都中央区内の地域大分類別・人口推移で見た時に、京橋(銀座方面)・月島(月島・晴海方面)と比較して人口増加率が抜きん出て高い状態です。それに伴い人形町近辺ではこの一年で4つの保育園・幼稚園が新設されました。生活を支える八百屋・スーパーもそこかしこに新設されています。一歩裏に入った住宅街は静かで、近辺に中央区最大の浜町公園もあるため、都心で働く子持ちのサラリーマンにとって最適な育児環境が整っています。
3)交通の利便性が良く家賃は相対的に安い
先述の通り、人形町駅(メトロ日比谷線、都営浅草線)は都心の至る場所へアクセスするのに都合が良い街です。また人形町駅から1km圏内に、小伝馬町駅(メトロ日比谷線)、水天宮前駅(メトロ半蔵門線)、東日本橋駅(都営浅草線)、馬喰横山駅(都営新宿線)、浜町駅(都営新宿線)、馬喰町駅(JR総武快速線)と7つの駅があります。道路も箱崎にも関わらず、中央区でも京橋方面や月島方面と比較して家賃が相対的に1〜2割安く、2DK鉄筋コンクリートマンションでも15万円あれば良い部屋を借りることが可能です。(京橋・月島方面であれば20万円は必要な物件)
4)川を越えればすぐそこに下町が広がる
人形町近辺も下町ですが、隅田川を越えるとすぐ側に浅草・蔵前といった下町が広がります。ブラリと観光に出かけるにしてもアクセスは非常に良いです。人形町の街自体も観光客や水天宮参りの人々向けに土日も飲食店がオープンしているので、外食に困ることもありません。飲食店のレベルは総じて高いです。
大きな荷物の買い物しにくいのが唯一の難点
上記のように、人形町は都心で家族住まいを望む世帯にとって、環境や利便性をトータルで見た時にコストパフォーマンスの非常に良い街です。
ただし1つ難点があります。
大きな生活雑貨(布団・カーテンその他)を購入する時は、一番近くで門前仲町や南砂町のイトーヨーカドーまで行く必要があります。
しかし現在では、インターネットのECサイトでこれらの問題も解消されつつあるため、今後もこの街へ流入する人は増え続けるでしょう。
※ 東京都・中央区の人口
http://www.city.chuo.lg.jp/kusei/tokeiderta/zinko/tyuuoukunozinkousetaisuu.html