昨年の9月に安倍内閣が「働き方改革」を宣言してから、1年が経過しました。中小企業はこの1年でこの政策に呼応してどう行動してきたのでしょうか?中小企業の意識はどう変わったのか?その実態は?働き方改革に関連して実施された、「中小企業の働き方改革意識・実態調査」から、その答えを探っていきましょう。
安倍内閣が「働き方改革」を宣言して1年経過
昨年の9月に安倍内閣が「働き方改革」を宣言してから、1年が経過しました。
少子高齢化が進み生産年齢人口が継続して減少し、労働力確保のために長時間労働の是正、人材・雇用形態の多様化への要請が高まる中、政府もこれを見逃すわけには行かず、様々な政策を打ち出しています。
とはいえ、体力の限られた中小企業にとって、これらの政策についていくのは至難の業。
この一年で中小企業は、「働き方改革」に合わせてどのような具体的措置を取ってきたのでしょうか?
「LINE WORKS」を提供するワークスモバイルジャパン株式会社が、働き方改革に関連して「中小企業の働き方改革意識・実態調査」を実施したので、その内容をご紹介します。
中小企業の意識はどう変わった?その実態は?
働き方改革に関連した取組みをしているか?
中小企業に勤務する社員に対し、勤務先企業が働き方改革、またはそれに類する取組みをしているかを調査すると、39.5%の中小企業がすでに働き方改革、またはそれに類する取組みをしているという結果になりました。
働き方改革に関連した取り組みを行う目的は?
働き方改革に取り組む勤務先企業の目的を調査すると、66%が「長時間労働の是正」、39.6%が「社員のスキルアップ」、32.8%が「労働生産性の向上」、31.3%が「社員間コミュニケーションの円滑化」ということを目的に取り組んでいることが確認できました。
具体的に働き方改革についてどのような取り組みをしているか?
具体的な取り組み内容としては、46%が「時間外労働の上限設定」、31%が「社員のスキルアップ施策※資格取得奨励制度、勉強休暇制度」、26.1%が「多様な勤務時間の導入※朝方勤務、時短勤務、フレックスタイム等」という結果になりました。
【世代別】働き方改革に関連した取組みに効果を感じているか?
働き方改革の効果を最も実感しているのは社会人経験3年〜5年未満の社員で、44.7%が「効果を実感している」と回答しました。反面、最も効果を実感していないのは社会人経験30年以上の社員で、86.4%が「どちらでもない、効果がないと感じる」と回答し、社会人経験年数15年以上は効果を実感しなくなる傾向が確認できました。
働き方改革に関連する取り組みをしない理由は?
働き方改革、またはそれに類する取組みを「していない」と回答した中小企業の社員に対し、取組みをしていない理由を調査すると、43.9%が「経営層が必要性を感じていないから」という結果になりました。
業務効率改善のために導入するITツールは?
中小企業が働き方改革のために導入しているITツールで最も多かったのは、63%で「メール、電話以外のコミュニケーションツール」という結果になりました。次に、51.9%が「営業管理・営業支援ツール」、37%が「テレビ会議システム」という結果も確認できました。
4割の企業が取組みを始め若者中心に受け入れられている
既に4割の中小企業が働き方改革に関連する取組みを始め、若者を中心にこれを肯定的に受け入れる様子がアンケートから見て取られます。
労働力の中でも優秀な人材を確保しようと思うほど、今後、働き方改革に基づく労働設計が企業には求められるようになります。
特に、伸び盛りの若手人材を確保したい企業にとって、働き方改革に基づく取組みを行う要請は急務となりそうです。
皆さんの企業はいかがでしょうか?