社員にもっと給料をあげたいと考えても、社員自身が自ら考え行動し、稼ぐことができなければ、給料を沢山あげることが難しい時代になりました。ところが、多くの中小企業では、社員が稼げるようになるための施策が実施されていません。それは、社員教育です。どのような社員教育を施せば、社員は自ら考え行動し、稼ぐ人材に育つのか?キミアキ先生が解説してくださいます。
社員の給料を上げるには稼いでもらうしかない
今日は社員の給料を上げるには?というテーマです。
どこの中小零細企業さんであっても、「社員さんの給料を皆さん上げてあげたい、出来るものなら ホントに倍くらい上げてあげたい!」
そう思ってらっしゃる社長さんが、いーっぱい、います。
ところが、なかなかそれだけの付加価値を稼ぎだすこと自体が、もう本当に難しい時代になりました。
そこで原点に帰って、社員さんに「稼げる社員さんになってもらう!」、自ら考え自ら動く社員さんをつくろうではないかっ!
どうやって、社員さんにそうなってもらえば良いの?ということでお話していこうと思います。
一緒に作業をやってたんじゃ教えられないし儲からない
中小零細企業はですね、ま〜社員教育がね〜…結構これがぐちゃぐちゃでございまして。
というのも、社長さん自身も、サラリーマンであったり、勤め人だった時代に、体系的な社員教育をちゃんと受けていない、もしくは受けたんだけれど忘れちゃったよ〜、という方だったりするんですよ。
「結局オレたちの時代はさぁ〜」とか言ってね、「先輩たちと飲みに行ってさぁ〜、それで仕事ってモンを学んだわけよ〜。」「仕事は先輩と飲みに行って、盗むもんなんだよ!」って感じじゃないですか?
殆どの人がそうでしょう??(笑)
実際そうだったんですよね。
でも今の時代は、一緒に飲みに行くっていうこともありませんから、昔とはガラッとやり方を変えなくてはいけないんですね。
ところが、仕事が忙しくて忙しくしょうがない!っていう状況、いわゆる「忙しい社長」っていうのは、結局何をやっているかと言うと、「作業」をやっています。
そして、社員も「作業」をやっています。み〜んなで作業をやっています。
社員というのは、作業をやっている社長さんが大好きですから、基本的にこういう社長さんは好かれています。
ところが、これは私いつも言っていますけれども、社長の仕事を社長がやらないと、絶対に給料は上がりません。
ですから、社長さんが作業をやって、社員さんも作業をやって、もう本当に一心不乱に作業をやっているところというのは、給料は総じて低いです。
私はこういう会社さんで、社員さんの給与が高いところを見たことがありません。
これは、ほぼ100%の会社さんがそうなるんだ、と思って結構です。
社員教育の最終ゴールは社員が自発的にPDCAを回すこと
社長である自分自身も作業ばっかりやっている。社員も作業ばっかりやっている。
結局、これは何が起こっているかというと、「社員教育の放棄」なんですね。
社員なんか教育したってしょうがないってね、結局は作業ばかりを教えることになります。
「作業を教えること」と、「社員教育」は根本的に違います。
社員教育のゴールというのは、社員が自発的にPDCAサイクルがきちんと回せるようなる。
やはり、そこが1つのゴールだと思って下さい。
作業を教えている会社か、そうでないかは、実は新人社員さんが入ったときに、どういうことを1番最初に教えているかっていうことで分かるんですね。
例えば、会社訪問に行くとします。
新人社員さんが入ってきたときに、「最初にどういう教育をするのかな〜?」って見てます。
そうすると、「今日は電話をとってくれ。電話の取り方は〇〇くんが教えるからね。」とか指示が出る。
私は、「あぁそうか。ここは電話取りを1番最初に教えるんだな〜。」とかってね、見ているわけです。
実はこういうパターンで非常に多いですね。
私共、あおば会計におきましても、多分、多分そういうふうにやっています。
私は現場は現場にまかせていて、一切口を出さないので知りませんが笑)
多分、1番最初に電話の取り方をやっているはずですね。
それが普通だと思いますよ。最初に作業の1部分を教えて行く、これが普通だと思っていますから。
社員教育を放棄した会社には朝礼も会議も無い
これね、私が言いたいのは、問題提起なんです。
それが良いとか悪いとかじゃなくて、それを教えることで、その延長線上にですね、自ら考えて自ら動く社員さんが出来るんですか?ってそういう話なんですよ。
1番最初の入り口ってとても大事ですよ。
その1番大事な入り口で、 伸びている会社さん、それから社員さんが本当によく動く会社さんが、どのような教育をしているかっていうのを実はご存知無い方が多いんです。
自分がサラリーマンだった時代に受けた教育というのを思い出して下さい。
でもですよ、思い出しても…思い出しても、「いや〜先輩とか上司と飲みに行った記憶しか思い浮かばない…」
多分、本当にそうだと思うんですよ。
ご自身はそういった教育を受けたはずなんです。ところが今はですね、そういうことじゃぁやっていけないわけです。
ちなみに、社員教育を放棄した会社の見分け方があります。
そういう会社は基本的に会議が無いです。それから朝礼も無いです。
これですぐ見分けられます。
こういうものが無い会社というのは、社員教育をしている場合じゃなくて、みんな勝手に適当に業務とか作業をやっているんです。
こういうのが良いとか悪いとかの話ではなくて、こういう会社さんはこういう会社さんで、別にあっても良いわけです。
自ら考え自ら動くということが出来た後に、会議が無くて、朝礼が無いという状態なら良いんです。
ところが、こういう会社さんで自ら考え自ら動く社員さんが出来ていますか?って話なんです。
「全社員で考え、実行する」習慣を社長が先導して作らねばならない
これが1つのゴールで、会社をうまく回すんであれば、やっぱりそのプロセスで会議や朝礼はどうしても必要にってきます。
今日は1つのツールをご紹介します。
TKCさんから出ているものなんですが、『全社員で考え、実行する!売上げ・受注アップQ&A 10のポイント』という本です。
参考URL:『全社員で考え、実行する!売上・受注アップ 10のポイント』
私がこれを良いな〜と思ったのは、「全社員で考え、実行する」というところで、これは社員教育にかなり使えるなと思います。
「社員が全く考えない」これはよく現場で言われている言葉です。
社長さんたちはみんな言います。
「うちのはなんも考えてねぇから」って。
ところがね、こういう訓練をしていますか?って。
訓練もせずに、「出来ない、出来ない!うちのは出来ない!」って言うのは、ねぇ?ちょっとねぇ?なんか思いますでしょう?
「ちょっと自分ズルいかな?」って。
こうやってツールを使って、社員さんに色んなことを考えさせるところから始まっているんですよ。
もちろん自分たちで考えて、会議形式かなんかで発表したり、一種のブレストミーティングですね。
こういうことをやっていくときに、1番大事なのは最初から期待をしないことです!
最初なんて、とんちんかんな意見ばっかりでますから。
ブレストミーティングをやって、ポストイットなんかでみんなの意見を貼るのも良いですね、その時に絶対に否定しないことですよ。
否定することなんて簡単ですから。
より難しいことを選択するのが社長ですからね。
社長にとって、より難しいことは人を褒めることであったり、みんなの意見を肯定すること(笑)。
これについては肯定して良いと思います。
あくまで意見を聞くだけなのでね。「基本的に肯定。否定はしない」です。
教育を始めたら後は社長が如何に我慢できるかが鍵
こういうことをまずは1回やってみて、そしてあまりの酷さに普通の社長さんは目の前が真っ白になりますから(笑)。
顔は真っ青、目の前は真っ白です(笑)。「うちの社員はなんて酷いんだ…」って。
最初はみんなそうですよ?だって素人なんです。
素人ながらに一生懸命、会社のことを考えて書くんです。
最初は本当にとんちんかんなことを書くでしょう。
それでもみんなで意見を言い合って、ブレストミーティングをやりながら、「これ良いね!」「あ!これは良いね」って、良い意見をどんどん取り入れて行きます。
じゃあ2回目、3回目。みんな見るところが違ってくるんです。
「この前はこういう意見もあったよな〜、今回はこういう見方をしたらどうなんだろう?」とかね。
そういうことを積み重ねていかないと、やっぱり社員教育はすぐになんて結果は出ないですから。
ですから子供の教育なんかと全く同じと考えて、ハッキリ言えば我慢強くやれるかどうかなんです。
私は期待して読者の皆さんを見守りたいと思います。
でも、私個人で言いますとね…あまり我慢出来ないんですよ(笑)。
本当すぐブチギレますから、私にはあまり向いていない!
自分のことは棚に上げて、社長さんたちにはおすすめしたいと思います(笑)。