マスコミの報道を見ると、世界の人は日本食に感動していて、日本食が世界中でスタンダードな食文化として認められつつある、という論調が目立ちますが、実際のところはどうなのでしょうか?実は、ブッキングドットコムが調べた、「口コミで食べ物について書く人が多い国・地域はどこか?」のランキングで、日本は30位にも入ってないのが現実なのです。
世界が日本の食文化を絶賛!って本当ですか?
海外に渡航していた日本人が日本へ帰ってくると、「やっぱり日本のご飯が一番だよなぁ」という人が多いですよね。
マスコミでも、「日本は世界一のグルメ大国」という具合な報道が多いので、私達は、世界中の人が「日本のご飯は美味しい」と感動していると思いがちです。
ただ、実際のところはどうなのでしょうか?
つまり、世界の人は本当に日本食に感動していて、日本食は世界中でスタンダードな食文化として認められているのでしょうか?
日本の食はグルメの口コミで30位にも入らない
世界最大のオンライン宿泊予約サイトBooking.com は、世界各地の「食に情熱的な国・地域」に関するアンケートを行い、その結果を発表しました。
調査は世界各国の計1万5,077名を対象に実施されたもので、「口コミで食べ物について書く人が多い国・地域はどこか?」というものでした。
日本のグルメが果たして世界の人にどれだけ口コミされているのかというと、同調査で実は日本はトップ30にすら入りません。
世界各国の旅行者がブッキング・ドットコムに投稿した1億2,000万件以上のクチコミを国・地域別に分析したところ、食についてもっとも投稿されている国・地域は、イギリスで、それについでフランス、ドイツであることが判明しました。
アメリカが4位、オーストラリアが5位とヨーロッパ以外の国が続いてランクインいたしました。
日本食が世界へ普及するには更なるインバウンド流入が必要
ちなみに、今回の調査は企業調査ですから、回答したユーザーの属性に偏りがある点は否めませんが、このランキングがある程度妥当だと言える理由の1つに、国際観光客到着数をあげることが出来ます。
日本はインバウンドが増えているとは言われているものの、その規模はまだ世界16位、アジアでも6位でしかありません。
なお、Booking.comの同調査では、アンケート回答者の36%が、初めての旅行でもっとも鮮明に記憶に残っていることに「食べ物」を挙げ、さらに54%の人が、初めて行く土地でもっとも楽しみにしていることに「ローカルフード」を挙げています。
日本政府は2020年までにインバウンドを4,000万人に増加させる目標を立てていますが、これを実現させることが、更に日本の食文化を世界に広めるために必要、というのが現状のようです。
世界は、私達が考えているよりも広いということですね。