日清食品株式会社が、カップヌードル、日清のどん兵衛、日清焼そばU.F.O.の各ブランドから、過去に発売したものの時代を先取りしすぎて売れなかった“黒歴史”商品を再発売することを決定しました。ネタ自体も面白いのですが、失敗を賞賛する文化や、再チャレンジへの姿勢が、更に同社ブランドのファンを増やしそうです。その前向きな姿勢は、とても参考になります。
日清食品が昔の不発商品を再発売!併せて『今度こそ売れて欲しい!!黒歴史トリオ』サイト開設
日清食品株式会社(社長:安藤 徳隆)が、カップヌードル、日清のどん兵衛、日清焼そばU.F.O.の各ブランドから、過去に発売したものの時代を先取りしすぎて売れなかった“黒歴史”商品を再発売することを決定しました。
再発売されるのは、「カップヌードル サマーヌードル」「日清のどん兵衛 だし天茶うどん」、「日清焼そば 熱帯U.F.O.」の3品です。
これを記念して、同社は『今度こそ売れて欲しい!!黒歴史トリオ』と銘打った特設サイトを2017年6月26日(月)に公開しました。
参考リンク:『今度こそ売れて欲しい!!黒歴史トリオ』
ちなみに、今回、日清食品が打ち出したキャンペーンのスローガンは、「攻めて迷走。焦って自滅。」(笑)
それぞれの開発秘話と失敗談が面白いので、それぞれご紹介しましょう。
超が付く前のめりな黒歴史トリオはこんな感じだ!
レモングラスよりも先に来日!? ナウすぎたニューカマー『カップヌードル サマーヌードル』
『カップヌードル サマーヌードル』は、1995年夏、『緊急限定発売』という必死感満載のコピーで登場。トムヤムスープをベースに、スープにはレモングラスをきかせている。一言でいえば、攻めすぎている。当時はレモングラスの存在が知られておらず「正直よくわからない商品」として扱われてしまった。営業も説明ができず大変に苦労した。真心ブラザーズの名曲『サマーヌード』は当商品のラジオCM用に書き下ろされたものだが、今やそっちの方が有名となっている。エスニック料理が一般化した今ならもっと愛してもらえるのでは、ということで緊急再発売。
開発秘話引用
真心ブラザーズの大ヒット曲『サマーヌード』が、この漸進的なカップヌードルのために書き下ろされた曲だったとはwww
しかしながら、今やエスニック料理は日本国民にとって、スタンダードなソウルフード!今なら行けるかもしれません!
お茶ブームに乗りきれなかった!!悲しきスピードスター『日清のどん兵衛 だし天茶うどん』
2002年茶系飲料が大ヒットするなか、食品カテゴリーから無理矢理ブームに相乗りするべく開発された。当時流行っていたのは緑茶だったが、こちらのスープはほうじ茶がベース。全体的にズレまくっている。『あっさりこってり』というわかるようでわからない謳い文句とともに発売を開始するも、あっけなく歴史から姿を消すこととなった。わさびがききすぎており、すするとむせるという声も。当時の担当者いわく『エッジの立った味』。最近のだしブームに乗じ、再ブレイクすることを夢見ている。
開発秘話引用
悲しきスピードスター、なんか凄く素敵なキャッチフレーズですよね。
でも大丈夫!今は空前の出汁ブームだから!東京は日本橋のコレドでも、にんべんの日本橋だし場が大流行だし!
勢いだけは人一倍!! 暑苦しい大型ルーキー『日清焼そば 熱帯U.F.O.』
2002年夏、前年に大ヒットした『カップヌードル 熱帯シーフードヌードル』を勝手にパクって誕生。ネーミングをはじめヤシの木をデザインしたパッケージなど、あたかも関連商品のような顔つきをしているが、実際は完全なる後追いである。その驚くほど安易に名づけられた『熱帯U.F.O.』という商品名について、勢いは伝わるものの味の説明になっていないという指摘が相次いだ。またその味も、パッタイやミーゴレンなどの“エスニック風焼そば” に慣れていない当時の人々には新しすぎた。今なら、このタイ風甘辛エスニック焼そばの魅力をわかっていただける……かも?
開発秘話引用
後追い、パクリ上等!そして、不発の原因は「新しすぎた」…
なんという爽やかな後講釈、そして上から目線。今回も華々しく不発を飾りそうだが、最高にネタとなりそうな一品だ。
失敗上等!前向きな日清食品カッコよすぎるぜ!
なお、同サイトでは、闇世界に葬られた黒歴史トリオの真実を徹底的に白日の下に晒すべく、各商品の元担当者3名にインタビューも決行しています。
いかにして3商品が世に産み落とされたのか。そしてその生みの親は、今の状況をどのように捉えているのか。時がたった今だからこそ語られる禁断のインタビュー3連発が緊急特集として公開されています。
更には、お蔵入りした貴重なプレスリリースや、「黒歴史認定イラスト」もダウンロードすることができます。
大手企業なのに、ビートたけしのCMは攻めすぎてお蔵入り、そして今回も昔の失敗をネタに再チャレンジする姿勢を見せる、そんなふうに、いつだって前向きな日清食品の姿勢は、とても参考になりますよね。