営業にとって売上目標をクリアすることは業務命題の一つですが、毎月コンスタントにこれを実現するのは、そう容易い(たやすい)ことではありません。ところが、中には36ヶ月連続で売上目標を達成している企業も存在します。このような会社の部門管理者は、未来の売上を作るために、先行情報を管理し、部下育成・部下支援に重きを置きます。
売上目標を達成している企業には必ずやってることがある
営業にとって売上目標をクリアすることは業務命題の一つですが、毎月コンスタントにこれを実現するのは、容易い(たやすい)ことではないことも事実です。
しかしながら、私の指導先には30ヶ月以上連続で売上目標を達成している企業が多々あります。
その中でも36ヶ月連続で売上目標を達成している企業が、どんなマネジメントをしているのかを本日はお伝えしたいと思います。
今月の売上は過去の活動結果がたまたま現れただけのもの
まず、今日が月半ばの15日だとします。月末締めの会社であれば、あと2週間余りで今月が締まります。
つまり、残りの2週間ほど残した時点で、すでに今月の売上はほぼ確定しています。
残り2週間余りを懸命に活動して、部下にはっぱをかけて今月の売上に結び付く案件がどれ位あるでしょうか?
訪問販売や小売りでしたら可能性はありますが、BtoBビジネスの場合、成約までのレンジを考えても2週間で成約に至ることはごく稀です。
何が言いたいかと言うと、今月の売上は過去の活動結果がたまたま今月に現れただけのものです。
これを、「因果の法則」といいます。
つまり、「結果」は現在に現れていますが、「原因」は全て過去に蒔かれているものなのです。
ならば、これから先の売上目標を達成するために、何をしなければならないかということを考えなければなりません。
現在の売上が過去の活動結果ならば、これから先の売上目標達成のために逆算をして、3か月後の売上目標に対して、今どれくらい積みあがっているのか?
2か月後の売上目標に対して、今どれくらい見えているのか?
来月の売上目標に対しては・・・?
これら未来に対しての問いかけを常にしなければ、いつまで経っても目標が達成されることはありません。
チーム管理者の管理すべきものは売上ではない
先の売上目標を達成するために何をしなければならないかを考えることは、イコール「売上目標に対しての足らず分を認識すること」に他なりません。
この足らず分を確保するために、
- ・どの顧客をターゲットにして
- ・どのような活動をして
- ・いつまでにどのような状態にするのか
を具体的に指示するのが管理者の役割です。
こういうマネジメントの仕組みを、私は「先行情報管理」と呼んでいます。
実は、30か月以上連続して月次売上目標を達成している企業は多数ありますが、全ての企業がこのマネジメントの仕組みを導入しています。
現在のところ、最高で36ヶ月連続達成の会社があります。
そこでお聞きしたいのが、御社にはマネジメントの仕組みがありますか?という質問です。
多くの企業では、大前提としてマネジメントの意味を誤解し、こういった仕組みを持たないまま、管理者にマネジメント業務をさせています。
管理者の方に「マネジメントとは何?」と問うと、「管理です」と答えが返ってきます。
では、「何を管理していますか」と問うと「締め後の売上集計と結果分析です」と大半が答えます。
マネジメントとは「部下育成・部下支援」業務のこと
マネジメントとは「管理」ではなく、「部下育成・部下支援」のことです。
部下育成・部下支援の定義を簡単に表すと、
- 部下育成:自分よりもできる部下を育てること
- 部下支援:部下が結果を出せるようにサポートすること
という意味になります。
自分よりデキる部下を育て、部下が結果を出せるようになるからこそ、管理者の預かる部門の業績は始めて伸びていくのです。
いくら部下が作り上げた売上を集計して分析したところで、結果は変わりません。
管理者の役割は結果を出すことであり、結果を出すためには部下育成・部下支援が欠かせません。
つまり、結果が出てからのアクションでは遅すぎるということです。
管理者のマネジメントに「先行情報管理」という仕組みをぜひ取り入れてもらいたいと思います。