一生懸命頑張っている社員、能力のある社員に対して、「頑張っているな」「お前は本当に出来るな」と言ってもスベった雰囲気になるのはなぜでしょう?きっと、その称賛を本人は嘘くさく感じているからです。ならば、本人への称賛を敢えて他人へ間接的に伝える形に変えてみませんか?その行為はやがてウィンザー効果として本人に波及します。
部下を褒めたのにスベった感じはなぜなのか?
部下のことを「お前凄いな」「才能あるな」と素直に褒めているのに、本人がこれを真に受けず、かえってスベったような雰囲気になったことはありませんか?
なぜなら、本人も褒められたこと自体は嬉しく感じているのだけれど、心のどこかで貴方の称賛に嘘くささを感じているのかもしれません。
称賛の文化が日本に浸透していないこともその一因でしょう。小さい頃から褒められることに慣れていなければ、より一層この傾向は強まります。
それでも人は誰しも褒められると嬉しいものです。
どうやって効果的に部下を褒めれば良いのでしょうか?
部下は第三者を通じて褒めよ〜ウィンザー効果
あの部下は直接褒めても引かれるなぁ…
こんな時は趣向を変えて、敢えて本人ではなく第三者に対して、本人を褒める言葉を繰り返し伝えるのが効果的です。
たとえば、本人のいない席で同僚や取引先の人に、「◯◯はいつも自分で勉強して、主体的に問題解決しようとする意思を持っている。なかなかあんなヤツいないですよ。経営者冥利に尽きます。」といった具合に、具体的な切り口で称賛の言葉を伝えるのです。
できるだけ、多くの人に伝えていきましょう。
この称賛はやがて同僚や取引先の人を通じて、本人に必ず伝わります。
そうすると、本人は自分が直接褒められるよりも、第三者を通じて褒められたことのほうに信憑性を感じるようになるのです。
これはウィンザー効果と言い、評価は直接伝えられるより第三者を通じて伝わったほうが、信憑性を高く感じる人間の心理効果です。
お気づきの方もいらっしゃることでしょうが、この効果はビジネスでも頻繁に活用されていますよね。
インターネットでショッピングをする時に、私達は何を根拠に商品を購入するかといえば、レビューを重要視します。
いくら、お店が「安い!」「美味しい!」「オトク!」と言ったところで、レビューがそのとおりで無ければ、私達はその店で商品を購入することを躊躇するものですし、レビューがそのとおりであれば信憑性が高いと感じて購入するのではないでしょうか?
ウィンザー効果は使い方を間違えるとマイナス
ウィンザー効果は、使い方を間違えると大変なことになります。
それは、第三者に対して部下を否定するような言葉を伝えてしまう場合に生じます。
もしも、第三者にたとえば「◯◯はもっと勉強しないと将来付いてこれないんじゃないか」という言葉を伝えたとしましょう。
この言葉、本来は部下を心配する言葉だったかもしれないのに、趣旨が変わって部下には「俺は否定されている」としか伝わらない可能性もあります。
こうなると、部下を直接褒めたところで「どうせ陰では自分のことなんて評価してないくせに」と思われても仕方がありません。
このように、ウィンザー効果は包丁と同じで使い方1つでその威力を、プラスにもマイナスにも生じさせることが可能な心理効果です。
ぜひ、プラスの方向でウィンザー効果を駆使して、効果的に部下を褒めてみませんか?