ある事業がついに花開き、会社に大きな利益をもたらしてくれるようになったら、考えるべきことが2つあります。1つ目は税金が増えることによる資金繰りをどうするか?、2つ目は事業の方向性をどうするか?という問題です。どのようにこれらの問題を解決していけば良いのでしょうか?
儲かり始めたら冷静に考えたい次の一手
新しいビジネスは、ある意味で博打のようなもので、確実と見込んでいたのに全く目が出なったり、ずっと燻り続けていたり、なかなか思い通りにはいかないものです。
そんな中、ある事業がついに花開き、会社に大きな利益をもたらしてくれるようになったとします。
経営者としては浮かれて有頂天になるのではなく、冷静にその次を考えなければなりません。
本稿では、事業が花開いてお金が儲かり始めたら考えるべき2つのことについてご紹介します。
会社が拡大し始めたらまず税金に気をつけよう
利益が出始めたら最初に考えなければならないのは、税金のことです。
利益が大きくなれば、当然税金も増えます。
特に事業拡大期には、どうしてもキャッシュアウトが先行し、資金繰りが逼迫しがちです。
税金は原則的に、一度に全額を納める必要があるため、前もっての準備が欠かせません。
また安易な節税策も要注意です。なぜなら、費用の計上には資金の流出が伴います。
税金を安くするためだけの策では、お金が減るだけで会社に益をもたらしません。
留保するにしても、既存事業あるいは新規事業に投資するにしても、税金を払った後にどのくらい残っているかで判断することが基本になります。
事業の方向性は潜在能力を見積もり判断しなければならない
次にその事業の方向性について考える必要もあります。
資金を投入してさらなる事業の拡大を目指すのか、現状維持で推移を見守るのか、特に近年は収益性のある事業には参入者が殺到する傾向が強いため、その中で会社がどのポジションを目標にするのか、自社の潜在能力を見積もりながら判断しなくてはなりません。
拡大期のうちに思い切って事業を売却し、多額の資金を得て他の事業に注力するというのも選択肢の一つです。
事業の方向性が決まったら、社内の体制作りです。
事業で得た利益を他の事業の穴埋め若しくは新規事業の原資とするならば、より一体感のある組織になるでしょうし、事業ごとの独立性を重視すれば事業部制や社内カンパニー制を導入することもあるでしょう。
事業の一層の拡大を目指すならスピンアウト(分社化)してしまうことも考えられます。分社化すれば、その事業で得た利益をそのまま事業拡大に再投資することができます。