多くの人が座右の銘に置く言葉の一つに「支えてくれる人たち皆に感謝する」というものがあります。ところが、本当の意味で感謝を実行するには、自分の感受性を高める必要があります。どのようにすれば、本当の意味で感謝する能力「感謝力」を高めることが可能なのでしょうか?考えてみましょう。
応援することを思いつける人と思いつけない人
社員研修などで組織の力を向上させるために、「相互支援」という概念を強調することがよくあります。
「あなたがみんなのために応援すれば、みんながあなたのために応援してくれます。今、目の前に困っている人を応援しましょう!」
このように呼びかけて、応援出来ることを、思いつく限り書き出してもらうワークをします。
すると、ある現象が起こります。
自分が応援できることを、たくさん書き出すことができる人と、あまり書き出せなくて困っている人とに、見事に分かれるのです。
なぜこのようなことが起こるのでしょうか?
応援することを思いつける人は感謝力が高い人
応援出来ることを沢山書ける人が、困っている相手のために挙げる内容は、以下の通りです。
- 「悩みを聞く時間をとる」
- 「朝会った時に、おはようって笑顔で話しかける」
- 「氣づかいや応援のメールやハガキを送る」
- 「問題を解決できそうな人を紹介する」
- 「悩みの解決に役立ちそうな本を貸してあげる」
- 「大きな声でありがとうと言う」
さらには、
- 「そばにいる」
- 「一緒に泣く」
- 「一緒に悩む」
なんて答えもあったりします。
すると、あまり応援できることを書けなかった人は、「なあーんだ、そんなことでいいのか」と驚いた表情をするのです。
実際、上記のようなことをしてあげると、相手の人はとても喜びます。
人が喜ぶことを行うためのアイデアはどこから来るのかといえば、それは簡単です。
かつて、自分がされて嬉しかったことを思い出せばいいのです。
そのためには、人が自分にしてくれたことを、「ああ嬉しい」と感じるため、自分の感受性を高める必要があります。
このように、人のために出来ることを沢山書ける人は、感謝力の高い人だと言えます。
人が自分にしてくれたことで、どんな小さなことでも、「ああ、ありがたい」と感じて感謝できる人は、人がどうしたら喜ぶかという手段の引き出しを沢山持っていることになります。
どんどんその引き出しを使って、人に喜ばれることをしてあげるられるので、その人の周りには、自然と人がよってきます。
感謝力の高い人は、人から何かされる度にしっかり感謝できるので、応援してあげた人は「こんなに感謝されるなら、またやってあげよう」って思います。
これまた、周りに人が自然と寄ってくるため、感謝力の高い人は大勢の人に囲まれて、幸せな人生を送ることができるようになるのですね。
感謝力は生活の小さな積み重ねで鍛錬が可能
このように、感謝力は「能力」であり、高めるには鍛錬が必要なものですが、実は非常に簡単に身につけられるものです。
感謝力は、どんなことでも人から何かしてもらった時に、「必ず感謝する」ことで身につけられます。
一人きりで一日の殆どを過ごす人でも、1日のうち、必ずどこかで感謝の練習場所は生まれるはずです。
例えば、レストランで、食事を運んで来てくれたお姉さんに、「ありがとうございます!」とか、「これ、とても美味しいです。感動です、ありがとうございます」と、心の底から言うと、お姉さんの反応が他のお客さんと少しだけ変わるかもしれません。
コンビニエンスストアで働く無表情な店員さんに、「ご苦労様です」と笑顔で感謝してみましょう。ハッと驚いたように、そして少し恥ずかしそうに「ありがとうございました。」と言ってくれるかもしれません。
感謝力は、こうした日常の積み重ねで身につけることが可能な能力であり、ビジネスの現場でも大きな武器となっていきます。