上司や経営者はよく「給料の3倍稼げ!」と社員たちに発破をかけますが、当座の社員たちは多くの場合、上の人間が何を言っているのか、全く理解していません。
なぜならば、「なぜ給料の3倍稼がねばならぬ理由」を具体的に理解していないからです。
給料の3倍稼げと言われても理解できない社員
今日は、なかなか過激なタイトルを付けてみましたが、「給料の3倍稼げ!」って、これ色んな人から結構聞く言葉ですよね。
社員さんであれば、もしかしたら、上司や社長に言われたことのある方も多いのでは??
と言うのも・・・私自身がサラリーマン時代に言われたことが何回もありました。
その時の私の感想はというと、
というくらいのもで、経営者にしてみると「何て生意気なヤツだ!」と言いたくなるのは、今ならわかります。
でも、皆様の周りにもそんな社員さんっていらっしゃいませんか?
なぜ「給料の3倍稼げ!!」という言葉が、社員に響かない場合があるかを、今日は考えてみたいと思います。
お金の流れを理解できないと「3倍稼げ!!」の意味はわからない
生意気な社員でも、ちゃんと稼いでくれればいいんですけど、ちなみに私はしっかりと稼いでませんでした…(今は違いますよ!)
もう本当にダメ社員だったわけですが、一つだけあの当時の上司にアドバイスするとすれば、意味が分からずに人間が動くわけがないということです。
私にそう言った上司も、明確に意味を説明できたのか??というと甚だ疑問です。
特に営業マン等の直接売上に貢献する社員は、とてもではありませんが、3倍では足りません。
経営者でも、ましてや一般社員でも、どうしても売上にばかり目が行ってしまうものですが、3倍稼がねばならない根拠は、しっかりと会社のお金の流れを理解してもらえば分かります。
会社のお金の流れを簡単に説明してみよう
まず、会社のお金の流れを理解すると、社員のお給料は粗利からしか払えないのがよく分かります。
粗利とは、売上から変動費を引いて出てきた数字です。
変動費とは、売上に応じて上がったり下がったりする費用で、スーパーなどの業態で言えば商品の仕入れ費用、運送業の場合はガソリン代でしょうか。
いくら売上が上がっても、安易に値下げばかりしていると、いつまでたっても粗利や利益は伸びません。
それどころか、売れば売るほど赤字にまっしぐらの状態となる場合もあります。
粗利から変動費と固定費(人件費やその他の費用、家賃や交通費、教育費等々)を引いて、初めて会社の利益は生まれます。
ほとんどの会社で、この等式が成り立つからこそ、「給料の3倍稼げ!!」という言葉が生まれるのです。
「ノルマは売上」「欲しいのは利益」では社員の腑に落ちるはずがない
「今月はノルマの売上達成したぞ!!」という声は聞いたことがありますが、「今月はノルマの利益達成したぞ!!」という声はあまり聞いたことがありません。
大きな矛盾を感じませんか?
営業マン等は、当然売上に直接貢献しない社員の分も稼がないといけませんから、実は「給料の3倍程度で満足されても困る」わけです
場合によっては「6倍~7倍」必要なビジネスモデルもあることでしょう。
こういった事を、根拠を持って社員にしっかりと説明することが、彼らに納得して動いてもらうために大切です。
会社のお金の流れを知らないと、社員が納得して働いてくれることは、まずありません。
マネーリテラシーを、社員にもきちんと身につけてもらうことによって、全員参加型経営を実現しましょう!