映画「マイレージ、マイライフ」の主人公さながらに、会社の経費でマイレージを貯めるサラリーマンは非常に多く存在します。ところがよく考えてみると、このマイレージは、会社の経費を利用した出張によって発生したものです。会社はマイレージの所有権を、当人に対して主張することは出来ないのでしょうか?
会社の出張で貯めたマイレージを駆使して海外へGO
ジョージ・クルーニー主演の「マイレージ、マイライフ」という映画を、皆さんは覚えていらっしゃるでしょうか?
主人公のライアンは年間300日以上の出張で、マイルを貯めることが趣味。最終的には1,000万マイルを手に入れることに成功します。
ここまで極端な例には届かなくとも、マイルを貯めるのが趣味なビジネスマンは、かなり多く存在します。
彼らは出張の度に、会社の経費を使って飛行機に乗る機会が増えるため、10万マイルでも20万マイルでも貯めています。
中には、集めたマイルで、1ヶ月に1回は海外へプライベートで行く強者まで。
ゴールデンウィーク中であれば、家族で帰省するのにマイレージを利用して、移動コストを圧縮する人もいることでしょう。
ところがよく考えてみると、このマイレージは、会社の経費を利用した出張によって発生したものです。
出張で発生したマイルは、当然会社に帰属するものと考える経営者もいることでしょう。中には「横領されている」という感覚を持たれる方もいるかもしれません。
実際のところはどうなのでしょうか?考えてみましょう。
会社の出張で得たマイルだから会社は所有権を主張可能?
更にマイレージ規約では、
特典は会員ご本人のほか配偶者および会員の2親等以内のご家族、義兄弟姉妹の配偶者の方にご利用いただけます。友人・知人などにはご利用いただけません。
参考)JALホームページ
とあるように、会員本人から2親等以内の親族しか、その恩恵を受けることができない場合がほとんどです。
従って、会社は個人でも、会員本人から2親等の親族でもないため、マイレージの所有権を主張することが困難です。
この場合、マイレージを会社が取得することはできませんが、会社は本来支払わなくともよい費用を支出することになるため、支払いの差額分を負担するよう、当人に伝えることが可能です。
航空会社の選択肢が多い航路(三大都市圏や千歳、那覇、福岡等)の出張が多い場合は、LCC(格安航空会社)の選択を予め指定することで、コスト圧縮を図れます。
法人でもマイレージは貯められるが要検討を
これは可能です。
就業規則上、出張時の移動手段選択について、支払い方法を自社の法人カードのみに指定すれば、社員の出張で発生するマイレージは法人に付与されます。
ただし、利用者1人あたりの登録に数百円〜数千円のお金がかかったり、カードの種類によってはマイレージが溜まりにくい場合もあるため、航空会社のマイルを貯めることのみを目的として、法人カードを作ることのコストパフォーマンスが良いか?と言えば、あまりよくありません。
経費の支払を一元管理することも視野に入れて、加入を検討する必要があるでしょう。