日本だけでも数多の企業があり、Web上では国内外関係なく、更に多くの企業との比較、競争に私達はさらされています。差別化できる技術・人的リソースがあったとしても、他の部分が平均点未満ならば、顧客は直ぐに貴方から離れていきます。中小企業は外注を上手に活かしながら、自社の充実を図っていく必要があります。
特定分野が優れているだけでは選ばれぬ時代
日本だけでも数多の企業があり、Web上では国内外関係なく、更に多くの企業との競争にさらされています。
人々がアクセスできる情報が限られていた時代は、「よく来てくれるから」「近くにお店があるから」というアナログな違いで顧客から選ばれることもあったかもしれませんが、その時代に戻ることはもうないでしょう。
数多くの情報が入手できるということは、顧客自身で比較ができるということであり、気づかないうちにふるいにかけられているということです。
すべての人を完璧に満足させる商品・サービスなどありませんが、必ず比較されるという前提で考えれば、なにか”キラリ”と光るもの、他社よりもある一点では優れているということが必要です。
しかし、ある一点だけでものすごく差別化ができたとしても、他の部分が平均点未満であれば、せっかくの差別化ポイントを活かすことができません。
顧客は商品・サービスを選ぶ場合にはもちろん他社と比べて何が優れているかも気にしますが、それは全体的に必要な要件を充足した上での話です。最低限の要件を満たしていなければ、そもそも比較検討の対象にもしてもらえないのです。
では、資金も人材も限られている中小企業は、今の時代にどのように戦えばいいのでしょうか。
中小ならコア業務以外は徹底的に外注しよう
私の結論は、「コア業務以外は徹底的に外注する」というものです。
差別化ポイント、いわゆる他社よりも自社が優れている部分が明確になっていれば、とにかくそこに集中して、更にそのクオリティーを上げていき圧倒的な差を作り出すことが必要です。
そして、それ以外の部分は自社で抱える必要はありません。
自社がやっても、他社がやっても大して差がつかない部分に、自社のリソースを割くのは非常にもったいないことですので、どんどん外注してしまおうということです。
今の時代、Web上で探せば、特定の分野の外注に特化した会社は見つかるものです。
例えば、御社が素晴らしい商品・サービスを持っていて、アポさえ取れれば高確率でクロージング出来る状態ならば、営業のアポ取り代行に特化した会社にアポ取りを委託することができます。
御社の貴重なリソースをアポ取りという(御社にとって)コアでない業務に割く必要が、これでなくなります。
逆の立場から見れば、特に商品・サービスでは差別化できないけれど、アポ取りに関してはどこにも負けないということであれば、営業のアポ取り代行に特化するという手もあるということです。
大量生産・大量消費の時代は終わりました。
リソースの限られた中小企業が全方位で勝負しようとしても、すべてが中途半端になってしまい「選ばれる商品・サービス」を作り出すことはできません。
自社の強みには徹底的に注力する一方で、差別化にはならない部分や苦手分野については、それが得意な企業に外注してしまうのは如何でしょうか?
外注時は単に高い安いで比較しないことが賢明
最後に、外注先を選定するコツと、外注価格の考え方について、触れてみたいと思います。
時間単価だけを見ると、「自社で人を雇った方が安いのではないか?」と思って、外注を躊躇される経営者の方がよくいますが、「コスト=給与」だけと考えて単純に比較してしまうのは間違いです。
人を雇用している場合には、給与以外にも、採用コストや教育コスト、保険料や年金などの法定福利費、会社の設備等を使用するコストなど様々なコストがかかっていることを忘れていけません。
外注であれば、需要が下がった場合には単純に依頼するのを控えればいいだけですが、人を雇っていれば需要が下がっても各種コストはかかり続けるというリスクもあります。
自社の給与水準の時間単価の2倍であれば絶対に外注するべきですし、3〜4倍でも外注先のクオリティーによっては費用対効果が十分ある場合もあります。
自社のサービスの一部を担ってもらう大切な外注先ですので、「とにかく安ければいい」という観点ではなく、コストとクオリティーのバランスを見極めることが重要です。
いきなり全部を外注するのではなくて、最初は少しずつ外注化を進めて、クオリティーに問題がないことが確認できた段階で、本格的に外注をしていくことで、リスクをヘッジしながら、コモディティ業務を外注することができるようになるでしょう。