中小企業の経営者が持っているスケジュール帳には、人と会うアポイントだらけです。自分の時間が空くのは、早朝か深夜だけなのに、業務はどんどん膨れ上がっていく。とにかく時間がない。しかし、これを解消する有効な手段として「未来の自分にタスクまで落とし込んだアポイントを入れる」という方法があります。
中小社長のスケジュールは人と会う予定だらけ
仕事の基本として、スケジュール管理を私達は行う必要があります。
5月●日 13:00〜14:00 佐藤様 @渋谷
5月×日 10:00〜12:00 田中様 @新宿
などという感じで、多くの人はスケジュールを管理しているはずです。
管理をする手段は手帳だったり、PCだったり、スマホだったり、色々あるかもしれませんが、忙しい経営者は、誰かと会う予定がびっしりと入っていて、自分の時間が取れるのは早朝か深夜しかない、ということも少ないと思います。
しかし、ここで大事なことは、人と会ったり、打ち合わせをするだけでは、多くの仕事は1mmも進んでないという事実です。
しかも社員へ「あとはよろしく頼む」と言うだけで、万事をお膳立てしてくれて、自分が居ぬ間に仕事を進めてくれる、などということは、中小企業の経営者にとって夢物語でしかありません。
あなたが会社を前に進めるためには、自分の時間が必要なのです。
未来の自分にタスクベースまでアポを入れよう
中小企業の経営者の多くが、社内で最も優秀な営業マンであり、企画担当者であり、マーケターでもあるのです。
あなた以上に、仕事をうまく進められる人はいません。
もちろん、いつまでも自分1人ですべてをやっているようでは、企業規模はいつまで経っても拡大しませんので、人を育てていかなければいけませんが、そのためにもあなたの時間を確保することが必要です。
しかし、色んなアポイントでスケジュールがびっしり埋まっている場合に、どうすれば自分の時間を確保できるのでしょうか。
実際にこのような状況に陥っている経営者の方は、少なくありません。
そういう方に私がよくアドバイスさせていただくのは、「未来の自分に対して、タスクベースまで落とし込んだアポを入れてみてはどうですか」というものです。
誰かと会う予定や、打ち合わせの予定というのはスケジュールに入っていますし、その時間になればスケジュール通りに人と会ったり、打ち合わせをするでしょう。
つまり、あなたの時間はスケジュールが入っていない部分ということになりますが、スケジュールが入っていない時間に、人は大抵漫然と過ごしてしまいがちになります。
そこで、あたかも他人とのアポイントのごとく「未来の自分」にアポイントを入れてしまうのです。こんな感じです。
5月●日 16:00〜17:00 企画書作成
5月×日 13:00〜15:00 提案書の最終仕上げ
本来であればTodoリストで管理するべき内容かもしれませんが、忙しい経営者にとっては、Todoリストに入っているタスクよりも、目の前のアポイント優先が当たり前です。
”いつ”やるかが決まっていないタスクは、なかなか実行されず、締め切り直前になってから手をつけるのがオチです。
であるならば、あたかもアポイントのごとく、タスクを処理する時間をスケジュール上で確保し、管理すればいいのです。
もちろん、その時間になったらあなたは他の仕事を止めて、電話にも出ず、そのタスクに取りかからなければなりません。
それは過去のあなたが入れたアポイントだからです。
あらかじめスケジュールにタスクを処理する時間を組み込んでおくことで、「打ち合わせばかりで、何も仕事が進まない」という状態も避けられます。
自分で時間をコントロールする技術を持とう
この手法で重要なことは、他人とのアポイントも自分とのアポイントも、同じく平等に扱うということです。
あらかじめ決まっている他人とのアポイントはサボったりはしないはずです。それと同様に、自分とのアポイントも必ず実行することが大切です。
ここを守ることが出来れば、「いや〜最近忙しくて」なんて言い訳をして、色んなものを後ろ倒しにしている状況から脱する一助となることでしょう。
「時間がない」と言う人がよくいますが、この言葉を他者の視点から見てみることは賢明かもしれません。
「時間がない」という言葉は、他者にとって「この人には自分の時間を確保する能力がない」と聞こえているケースがあるからです。
時間は誰にとっても平等に流れていますが、これをどうコントロールし、自分の時間を確保するか。
情報が溢れ、世の中のものすごいスピードで動いている現代においては、これが最も重要なスキルなのです。