親しい友人、尊敬できる人、信頼できる永年の取引先から、「お金を貸して欲しい」と言われた場合に、もしも貴方がお金を貸す場合、「借用書(証)」はきちんと書いてもらいますか?お金の貸し借りは、立派な契約行為であり、「ちゃんと借用書を書きます。」と自分から先に言って来ない相手へお金を貸すことは、控えるべきでしょう。契約書の作成とは商談の際にメモを取るのと同じくらい当たり前の行為なのです。
お金の貸し借りは立派な金銭消費貸借契約
親しい友人、または信頼できる永年の取引先などから、「お金を貸して欲しい」と言われた場合で、お金を貸すとして、みなさんは「借用書(証)」を書いてもらいますか?
お金の貸し借りは、立派な『金銭消費貸借契約』です。
因みに、この「消費貸借」というのは、一旦借りたお金を使った後、これと同じ額(同品質・同量・同価値・・)などを用意して返すため“消費”と付いているのです。
今はもう見かけませんが、お隣に醤油を借りに行き、これを使った後、後日買って来て返す行動、これも消費貸借(契約)だと言えます。
自転車を借りて、借りた自転車そのものを返すのは「使用貸借」となります。
借用書を自ら書くことをしない人には貸さない
借用書も、双方の合意内容と、貸し借りの事実を証明する契約書です。
しかし、親しい間柄であればあるほど、『借用書を書けということは自分のことを信用していないんだな?』と思われはしないかな?と、考え過ぎてしまいませんか?
もちろん、貸し借りの金額にもよるのでしょうが。
私の判断としては、「ちゃんと借用書を書きます。」と自分から先に言って来ない相手は“不安”だと考えます。
この場合は、お金を貸さないのが賢明な行動です。
個人でも企業でも同じであり、きちんとしている方が友好な関係は長く続くものです。
借用書(契約書)を作成したがらないことの方が “不自然” なことなのです。
例えば、普段の買い物をする時にも、私達は契約書こそ取り交わしませんが、そこに対価としての物は移動していますので、少なくとも証拠品を残します。
当然のように、レシートの発行をお店に求めますし、レシートを出さないお店には、不信感を抱くはずです。
金銭貸借の場合も同じで、借用書を発行せずに、相手がお金を借りようとすることは果たして自然でしょうか?
答えは「否」です。
しかも、貸したお金は、『消費』されてしまいますから、証拠はありません。
銀行間の送金などであればお金の移動は証明できますが、「返す約束があった」ことまでは証明できません。
そういえば、「それは貰ったものだから返す必要はない!」と主張して裁判に勝った芸能人もいましたよね。
契約書は信頼関係を示すメモと考え必ず作成
契約書というと、小難しいもの、争いを前提としていて相手を信用していないもの、などと思いがちですが、決してそうではありません。
将来、お互いの信頼関係を損なわないために取り交わしておく、メモのようなものと考え、相手に示す自分の信頼性そのものだと考えることをオススメします。