「一日の計は朝にあり、一年の計は元旦にあり」今年一年の計を今のうちに建てておくことは賢明です。昨日は「2016年経済に影響を及ぼすイベント〜上半期6選〜」と題して、上半期に経済へ波及するであろうイベントを、ピックアップいたしました。本日は2016年下半期に経済へ波及するであろうイベントを、ピックアップしてお届けしたいと思います。
2016年下期は国内外でビッグイベント
昨日は「2016年経済に影響を及ぼすイベント〜上半期6選〜」と題して、上半期に経済へ波及するであろうイベントを、ピックアップいたしました。
2016年の下期は、国内外含めて非常に大きなイベントが控えています。
前半と併せてチェックしていきましょう。
2016年経済イベント5選〜前半編〜
1)第24回参議院議員通常選挙:7月
2016年(平成28年)7月25日の任期満了に伴い、実施が見込まれている参議院議員通常選挙が開催される予定です。
今回の参院選は6月に公職選挙法が改正されることで、選挙権年齢が20歳以上から18歳以上に引き下げられてから初めての選挙になります。
消費税の増税について、改めて国民の評価が現れることはもちろんですが、若年層を巻き込んだ選挙ではSEALsによる活動に代表される「安全保障問題」に対して、大きなフォーカスが予想されます。
2)第31回夏季オリンピック(ブラジル・リオデジャネイロ):7月
ブラジルのリオデジャネイロで夏季オリンピックが開催される予定です。
第32回オリンピックが開催されるのは日本(東京)であり、次回のオリンピックに向けて、リオデジャネイロオリンピックは日本のインフラ整備などへ大きな判断指針となります。
更に、日本選手のメダル数やメダルを取る種目によって、スポーツ業界やそれを後押しする産業にも影響が与えられます。
3)日本企業の中間決算に要注目:8〜9月
8月から9月には国内上場企業の中間決算が出揃う予定となっており、多くの国内投資家がその動向に注目しています。
東京証券取引所第1部に上場する企業の2015年9月中間決算は、円安や訪日外国人客の消費に支えられ、経常利益と純利益の合計で共に中間期として過去最高となりました。
しかしながら、企業業績は既にピークアウトしていると予想している向きもあり、中国の急速な景気減速やアメリカの段階的な利上げにより、少なからず上場企業の決算に悪影響が与えられるようであれば、国内の消費マインドも冷え込む可能性があります。
4)ファミリーマートとサークルKサンクスが経営統合に:9月
昨年の10月半ばに発表された、ファミリーマートとサークルKサンクスとの“統合”が遂に実行されます。
国内の消費を左右するコンビニエンスストア業界は、今やセブン-イレブンの一人勝ちと見られていますが、今回の統合により、店舗数においては経営統合されたファミリーマートが国内最大となります。
ただし、コンビニエンスストアの店舗数自体が国内では飽和状態となっており、更にインターネットのアマゾンや楽天も食品販売の攻勢を強めているなど、店舗数を増やすことで単純に規模の経済性が発揮されるとは言い切れなさそうです。
5)築地市場が閉場し豊洲新市場が移転開場する:11月
昭和10年2月の開場以来、75年以上にわたり、水産物・青果物などの生鮮食料品流通の中核を担ってきた築地市場が閉場し、豊洲新市場が開場します。
移転距離はわずか数キロですが、築地市場周辺の店舗や近くの銀座を中心とした商圏や人の流れに大きな影響を与えることが想定されます。
流通網の整備が未発達で、豊洲へのアクセスがあまり良くないことや、土壌汚染問題が完全に解決していないこともあり、周囲や関係者からの支援体制はあまり良いとは言えません。
更にテナントや仲卸の入居が思ったように進んでおらず、完成される施設の維持運営についても厳しい展開が予想されています。
6)アメリカ合衆国大統領の選挙投票日:11月
超大国アメリカ合衆国で、大統領選挙が行われます。
アメリカでは大統領が3選禁止となっているため、オバマ大統領の後継として、新しい大統領が誕生することになります。
目下、現政権を担う民主党・ヒラリー・クリントン氏と、共和党・ドナルド・トランプ氏による一騎打ちが有力視されています。
クリントン氏が大統領選挙に当選すれば、これまでの現実主義に則った国際協調路線が踏襲されることが予想されます。
対して、ドナルド・トランプ氏は、保守的で保護貿易主義的な外交政策を打ち出しており、どちらが大統領選挙に当選するかで、日本の経済に与える影響も大きく変わります。
おわりに
今年も既にわかっているだけで、これだけ多くの経済に影響をおよぼすイベントが予想されておりますが、私達は大激動の時代に身を置いています。
これまでの常識にとらわれること無く、自社や自分の資産を守るために、新たな世の中の変動に対して情報収集を常に行い、良い判断を下せるようにありたいものです。