政府は公立小・中学校の給食費について、未納があった場合に児童手当から強制的に天引きする仕組みの検討を開始しました。同じように企業や個人事業主に対しての保険料や住民税の徴収に対して、地方自治体が天引き策を徹底しはじめています。マイナンバー制度が導入されれば、納付率もそうですが、納付額もいよいよごまかしが効かないようになります。
給食費の未納分で強制的な天引き制度を検討
政府は公立小・中学校の給食費について、未納があった場合に児童手当から強制的に天引きする仕組みの検討を開始しました。
2016年の通常国会での関連法改正を目指すとしています。
まだ検討段階ですが、公平性を保つためにはやむを得ないと思います。
故意に払わない方のなかには高級マンションに住み、高級車を乗り回している方もいると聞きます。低所得者には免除制度があるため、主な原因はモラルの低下になるのでしょう。
個人事業主の年金も天引きの徹底が始まる
その点、健康保険料(および介護保険料)・厚生年金保険料・雇用保険料・所得税は取り漏れがないよう給与天引きがされ、事業主が代わりに納めています。
本来、住民税も給与天引きが義務付けられているのですが、事業主個々の事情により個人納付も認めれておりました。
しかし、現在では全国的に給与天引きの徹底が図られるようになってきています。
私の拠点がある千葉県でも平成28年度から徹底を図るとしています。
やはり天引きが最も確実です。自治体もその流れになってきています。特に年金は天引きか否かで納付率の差が顕著です。
厚生年金保険料は給与天引きであるため実質100%であるのに対して、国民年金保険料は免除者を除いた実納付率は2014年度で40.6%となっています。半数に満たない状況です。
マイナンバー制度が天引きの徹底を更に追い打ち
更に給与天引き体制を政府が敷いたほうが良い理由があります。
それは来年から本格的に実施されるマイナンバー制度が迫っていることです。
マイナンバー制度が始まると、税と社会保険の分野ではますます公平性の徹底が図られるようになります。
納付率もそうですが、納付額もごまかしがきかないようになります。トーゴーサン(10・5・3)やクロヨン(9・6・4)※という言葉が死語となる時代が近づいてきました。
※補足
トーゴーサン(10・5・3)やクロヨン(9・6・4)は、課税対象とされるべき所得の内、税務署がどの程度の割合を把握しているかを示す数値(捕捉率)において業種間で格差があることを表す言葉です。
トーゴーサンは、給与所得者10割、自営業者5割、農林水産業者3割、クロヨンは、給与所得者9割、自営業者6割、農業、林業、水産業従事者4割という、把握の格差を指しています。
サラリーマンが脱税しにくい、税務上の格差を表す業界用語です。