環境省が2005年から提唱し始めた「クールビズ」が今年で10周年を迎えた。最近ではクールビズよりもさらにラフな服装を推奨する「スーパークールビズ」も提唱されていることから、手段と目的が入れ違えになっているが、本来は温暖化を防ぐのが目的である。服装はなんでも良いわけではないので、一定の目安となる基準やお奨めの着こなしを提示したい。
すっかり定着した環境省推奨のクールビズ
環境省が2005年から提唱し始めた「クールビズ」、今年で10周年になった。
クールビズによって、夏の仕事が快適になった!という読者も多いのではないだろうか?
ただしクールビズも状況判断を間違えてしまえば、全くクールなものではなくなる。
そこで、「クールビズ」の定義と、着こなしのポイントをご紹介しようと思う。
環境省が提示するクールビズの服飾別マナー
クールビズとは、冷房温度が28℃設定でも快適なオフィス環境で過ごせるよう、環境省が主導でビジネスマンの服飾奨励キャンペーンとして2005年に打ち出したものだ。
環境省主導のキャンペーンゆえ、究極はCO2などの温室効果ガスを減らすのが、クールビズ奨励の本旨と言えよう。
最近ではクールビズよりもさらにラフな服装を推奨する「スーパークールビズ」も提唱されていることから、手段と目的が入れ違えになっているが、本来は温暖化を防ぐのが目的なのだ。
従って環境省もクールビズの服装がなんでも良いと考えているわけではなく、一定の目安を発表している。以下の通りだ。
- ・ノーネクタイ:クールビス(可)・スーパークールビス(可)
- ・ノージャケット:クールビズ(可)・スーパークールビス(可)
- ・半袖シャツ:クールビス(可)・スーパクールビス(可)
- ・ポロシャツ:クールビス(不可)・スーパクールビス(可)
- ・アロハシャツ:クールビス(不可)・スパークールビス(可)
- ・Tシャツ:クールビス(不可)・スーパークールビス(不可)
- ・ランニングシャツ:クールビス(可)・スーパクールビス(可)
- ・シーパン:クールビス(不可)・スーパクールビス(不可)
- ・ハーフパンツ:クールビス(不可)・スーパクールビス(不可)
- ・スニーカー:クールビス(不可)・スパークルビス(可)※1
なお、これらはあくまでも目安と思い、営業活動などで外回りする際は、往訪する企業の基準に合わせたほうが無難だ。
男性がクールビズで注意したい5つのポイント
やはり仕事は仕事、クールビズは仕事を快適に過ごすための手段だが、女性はかなり男性のクールビズを気にしている。そこで女性がNGと感じる部位別に気をつけるべきことを提示する。
1)襟元:ワイシャツのダラダラ襟に注意
ノーネクタイで普通のワイシャツを着ると、ネクタイで絞めなければ襟が広がりやすい。できれば襟にボタンダウンやスナップボタンがついたシャツ、もしくは襟が狭いワイシャツを着用したほうが良いだろう。クレリックシャツなどを選ぶ際は素材が汗を吸いやすいと、脇汗が見えたり、汗まみれに見えてしまうためドライ素材のシャツを着たほうが相手には爽やかに見える。
2)上半身:インナーは首元が開いたものを着用
下にインナーを着る際は、首元が丸首タイプで首元に迫るタイプのシャツよりVネックやUネックのシャツが好ましい。ポロシャツやワイシャツのボタンを開けて着る場合にインナーが見えているのは印象が良くない。また脇の汗ジミを作らないよう、腕がないノースリーブのインナーも極力控えたほうが良さそうだ。
3)首:ネクタイはニット素材など涼しげに
取引先の業種が固めなところへ訪問する際には、ノーネクタイであることが場違いとなる可能性がある。ただし重厚な素材や柄のネクタイを着用すると暑苦しい印象を相手にも与えかねない。そこでお勧めなのがニットタイだ。どのジャケットにも合わせやすいので一本持っておくと便利だろう。またニットタイの他には、シルク素材のネクタイや麻でできたものも涼しく見える効果がある。
4)足や手:毛は極力隠す
クールビズとなると、上着を脱ぎ半袖になるなど露出が増えやすい。それゆえに毛が露出されてしまえばクールビズもクールではなくなる。ボタンを第3ボタンまで開けた際に見えた胸毛などは不快感を与えるので気をつけよう。
5)胸板:乳首が透けているのはNG
極力インナーを着用することが望ましいが、最近は透け乳首防止用のニップレス・ニップルガードも販売されているので、少しでも涼しさを感じたいという人にオススメだ。
自分だけでなく周りにも快適なことが肝心
私服OKの会社でない場合は、クールビズの規定が詳しく社内規程で決められていない限り、「どこからが大丈夫で、どこからが不謹慎」という線引きが難しいだろう。
自分が快適な環境で仕事ができれば良いという感情だけでなく、周りから見ても快適なファッションとなっているか否かを意識することが必要だ。
クールビズと言えば何でも許されそうな気もするかもしれないが、そこはビジネス。
付き合う相手によって様々な制約がかかったりマナーを守らなければならないのが現実だ。
しかし、そのような環境下でオシャレに着飾ってこそ、できるビジネスマンと言える。
涼しい服装をして、快適に仕事を楽しもう。
参照元
※1http://www.env.go.jp/press/files/jp/20032.pdf