スマホ市場からニーズをかっさらう「ガラホ」の躍進

経済

 「価格.com」内の「スマートフォンカテゴリ」におけるページビューはほぼ右肩下がりになっており、2年前のピークと比べると現在は半数以下にまで落ち込んでいるという。かわりにページビューが上昇しているのが、「ガラホ」のページだ。世の中には様々なニーズがあり、携帯電話に求める機能も多様化していることがわかる。

スポンサーリンク

スマホが停滞しガラホが躍進する調査結果

 ガラケー(スマホではない携帯)とスマホの間に位置する、”ガラホ”の売れ行きが好調らしい。

 昨日筆者の家族も、auから発売されているシャープ製の”ガラホ”「AQUOS K SHF31」に機種変更をした。

 2月20日の発売後、すぐにでも機種変更したい気持ちを抑え、ネットでのユーザーレビューが良好であることをしっかり確認し購入しようとしていたらしく、リリースから遅れての機種変更となった。

 この数年、スマートフォンの躍進には目を見張るものがあった。デジタル製品の主役と言っても過言ではない。

 しかし、カカクコムによるトレンドサーチ分析によると、このスマートフォンが大きな曲がり角を迎えているという。

 「価格.com」は、月間利用者数5,225万人、月間ページビュー9億8,700万を誇る価格比較ウェブサイトで、電気製品を購入するならまずチェックするサイトとして欠かせない存在である。

 その価格.comで「スマートフォンカテゴリ」におけるページビューが右肩下がりになっており、2年前のピークと比べると現在は半数以下にまで落ち込んでいるのだ。

スポンサーリンク

スマホは技術的に飽和しガラホはカンフル剤

 なぜ価格.comのスマートフォンページを訪れるユーザは減ったのだろうか。

 その要因としてカカクコムは、閲覧数の多い人気メーカー・製品別に分析を行った結果、新モデル発売時には敏感に反応するものの、半月ほどでその波が引き、消費者が関心を失っていることを指摘している。

 人気を二分しているのはApple「iPhone」とソニーの「Xperia」だが、新モデルのスペックアップや目新しさが年々少なくなり、盛り上がりに欠けているという。

 2大メーカーのページビューを比較すると、Apple社が盤石でないこと、ソニー社の意外な健闘が結果に表れている。

 例えば、iPhone6を発売した昨年秋、ページビューシェアは発売時期には40%を超えていたがわずか1か月後には20%を割っている。一方ソニーは発売時期には40%弱だが、発売後4か月経った現在でも30%弱を維持している。

 純粋な売上シェアとは異なるものの、iPhoneと比較すると、ソニー「Xperia」はユーザーの関心を引き付けることに成功していると言えよう。

 また、台湾のASUSによる追い上げも顕著になっている。昨年秋に発売したSIMフリー端末「ZenFone 5」は、たった1製品だけであるにも関わらず、低価格を売りにした販売戦略でページビューを伸ばし、人気メーカーランキングで常に上位に食い込んでいる。

 冒頭でお伝えした「ガラホ」「ガラスマ」と呼ばれる、中間モデルも躍進している。

 ちまたでは、ニーズがないのではと酷評され話題となっているが、結果を見ると市場が再燃することにつながっているようだ。

 スマートフォンと比較すると大差はあるが、auの「携帯電話」カテゴリーのページビューが伸びている要因は、ガラスマモデルの発売によるものが多いとカカクコムは分析している。

 技術的に飽和状態となったスマートフォンに対して、ガラホがカンフル剤として一定のニーズを持つ消費者層に目新しく感じられ、受け入れられていることがわかる。

スポンサーリンク

スマホはデジカメのようなインフラとなる

 スマートフォンの成長曲線はデジタルカメラの成長曲線によく似ていると言われる。

 デジタルカメラも急速に市場が発展し、技術的に飽和状態になり、1人1台持っていることが当たり前となった。

 デジタルカメラがフィルムカメラ市場を大幅に浸食したように、スマートフォンもガラケーの市場を大幅に浸食しているが、フィルムカメラのメリットを評価し愛用し続ける人が決して0にはならないのと同様、ガラケー利用者も0にはならない。

 冒頭で伝えたガラホ購入済・筆者の家族は、機械設備の会社の経営者であり、業態はいわゆるガテン系だ。仕事中にスマホを携帯した従業員は、ほぼ3日以内に画面が綺麗に割れてしまう。

 そのため社員は仕事中、ガラケーしか持たず、休憩時間にインターネットを楽しむときにタブレットを使う、という棲み分けが進んでいる。筆者の家族が今回ガラホに変更したのも、頑丈な携帯電話かつ4G回線で手軽にサクサク接続できるから、という理由だった。

 世の中には様々なニーズがあるため、今後も新旧織り交ぜた多様なコミュニケーションツールが出てくるだろう。

経済
シェアする
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします。
編集部

起業、経営を応援するWEBマガジン編集部です。

編集部をフォローする