従業員の心身の健康と安全に配慮した働きやすい優良企業、いわゆる「ホワイト企業」と認められることは、優秀な人材獲得や社会的アピールの面で大きなプラスとなります。そこでご紹介したいのが、厚生労働省の定める、安全衛生優良企業公表制度の認定を受けることです。制度の認定を受けることで得られるメリットをご紹介します。
あなたの会社はブラック?それともホワイト?
長時間労働や、パワーハラスメント、これらの弊害が従業員の心身を害している事実が社会問題となって久しいですが、これを受けて労働環境の改善に向けた取組が強化されています。
電通事件に代表される過労による自殺の労災認定、ストレスチェックの義務化、行政の取り締まりの厳格化などにより、企業と、そこで働く従業員双方がコンプライアンス重視の意識を高めています。
安倍内閣による「働き方改革」が実施されてからは、特にこの潮流が強まっていると言えるでしょう。
従来、多くの企業の姿勢は「企業はあくまでも私人であり利益追求を最大目的とする」ものでしたが、今や企業は「私人であり、公人でもあり、社会的責任を果たしながら利益を追求する」こと無くして存在が難しくなっています。
このような背景から、これまで軽視されがちだった、職場での安全と衛生への取り組みは避けられないものとなっています。
従業員を酷使する企業が「ブラック企業」と呼ばれる一方、従業員の心身に配慮し、自由な裁量を与えながら利益を得ようとする企業は、いつしか「ホワイト企業」と呼ばれるようになっています。
そこで本稿は、「ホワイト企業」ならぬ「ホワイトマーク」認定を受けられる安全衛生優良企業公表制度についてご紹介したいと思います。
安全衛生優良企業公表制度でホワイト認定を!
安全衛生優良企業公表制度とは、平成27年6月から始まった、従業員の安全と衛生に関して積極的な取組を行っている企業を認定し、企業名を公表することで、より多くの企業に安全衛生の取り組みを促すことを目的とした制度です。
この認定を受けるためには、過去3年間に労働安全衛生関連の重大な法違反がないことなどの基本事項に加えて、
- 従業員の健康保持増進対策
- メンタルヘルス対策
- 過重労働防止対策
- 安全管理
という取組などを行っていることが求められています。
具体的には、安全衛生法を守るだけでなく、健康診断の結果から集団データの特徴を踏まえて、
- 医療保険者と共同で従業員向け健康づくりイベントの開催
- 安全衛生の管理者選任と会議の開催とフィードバック
- メンタルヘルス不調者の相談窓口の設置
といった法律を上回った体制や仕組みづくりをしていることが求められます。
認定を受けられるか否かは、以下のリンク転送先で自社診断することが可能です。
参考リンク:「安全衛生優良企業公表制度」
認定を受けるメリット〜「ホワイトマーク」の効果は絶大!
では、「安全衛生優良企業公表制度」の認定を受けると、企業にはどんなメリットが生じるのでしょうか?
同制度の認定を受けると、まず、厚生労働省のホームページで企業名が公表されます。
また、制度のシンボルマーク、通称「ホワイトマーク」を利用することができるようになります。
自社の広報としてホームページ、名刺や商品に使用することができるため、健康と安全に配慮した働きやすい優良企業として、求職者だけでなく、取引先、消費者へアピールすることが可能です。
更に、同制度には3年間の更新期限があるため、認定を受け続けること自体が、継続的な職場風土の改善に寄与し、従業員の定着率を上げる、良いサイクル作りにつながります。
まだ認知度が高いとは言えない制度ですが、こういった企業の取り組みは、インターネット情報を重要視する新卒生にとって、良く見えるポイントとして注目されています。
なお、同制度に加え、次世代育成支援対策推進法による「くるみん」「プラチナくるみん」、女性活躍推進法による「えるぼし」、若年雇用促進法による「ユースエール」がそれぞれの基準を満たすと利用できる「ホワイト企業マーク」と呼ばれています。
この機会に認定を受けることを検討してみてはいかがでしょうか?