12月も半ばに差し掛かり忘年会シーズンもいよいよ佳境を迎えています!忘年会費用は一般的に福利厚生費、交際費で経費として会計処理できます。一方で、盛り上がると社会通念上一般的と認められるか「ビミョーな費用」がかかることも。終電逃した後のタクシー利用、ホテル宿泊などがそれにあたります。このへんの費用は、果たして経費として認められるのでしょうか?
忘年会費用の会計処理は原則どう行われる?
12月に入り、今年も忘年会のシーズンとなりました。仲間内、取引先、会社内など、すでに予定がいっぱいの人も多いかと思います。
会社での忘年会の費用は基本的に福利厚生費として落とせますが、無制限に認められるわけではありません。
福利厚生費とするには、まず社員全員に参加機会があること。これは必ず全員が参加するということではなく、きちんと全員に案内を出すなど参加機会が確保されているということです。
また人数が多い会社などでは部署単位でもOKです。
さらに範囲を広げて、グループ会社や取引先なども招待しての忘年会となると、交際費となってしまいます。但し一人当たり5,000円以下であれば全額損金算入が可能となります。
社会通念上一般的と認められるかビミョーな費用
次に社会通念上一般的と認められるか、微妙なイベント費用についても考えてみましょう。
3次会・4次会
例えば1次会に全員参加し、2次会も8割くらい参加していればそのくらいまでは福利厚生費として認められそうですが、さらに3次会、4次会となるとさすがに一般的とは言えなくなります。
行くお店も徐々に色気のある場所となれば…ここは社長が自腹を切るか、皆で割り勘にするのが懸命です。
終電乗り過ごしのタクシー費用・ホテル宿泊費用
忘年会あるあるといえば、飲み続け、盛り上がり過ぎたあげくの終電乗り過ごしです。
一緒に乗り過ごした社員のことを考えて、タクシーで帰る費用を負担してあげよう、近くのホテルに泊まらせてあげよう、なんて考える優しい社長さんもいることでしょう。
しかし、これらにかかる費用も同様に経費で落とすのはNGです。もし会社が負担したとなると、本人への現物給与として所得税等が課税されてしまいます。
というのも、一人当たりの金額が大きすぎます。明確な金額基準は定められていませんが、金額が大きいとされてしまうと交際費(社内交際費)、さらには本人への給与/賞与として課税される恐れがあります。
ゲームの景品
会を盛り上げるビンゴゲームなどで配る景品にも注意が必要です。
現金はもちろんのこと商品券などの金券類や時計・宝飾品といった換金価値があるものを景品とすると、やはり本人への給与ということで課税対象となってしまいます。
せっかくもらったは良いけれど、タダじゃなくなれば、社員も後でがっかりという結果になってしまいますから、景品は「社会通念上」と、正々堂々言える範囲にとどめておきましょう。
お金をかける以外の創意工夫も凝らして忘年会を楽しもう!
ちなみに忘年会、なんと平安時代から「としわすれ」という名の下、日本では古来から行われてきたイベントみたいですね。
明治時代には、日本社会が世界規模の資本主義社会へ組み込まれ、会社が出来てまもなくは「無礼講」という名で、忘年会が行われていたようです。
名前こそ変わっていけど、その趣旨は、「一年の労を上も下もなく、皆でねぎらう」もの。
持続可能な範囲で、お金をかける以外の創意工夫も凝らしながら、皆が楽しめるものにしましょう!