3月8日(日)は国際女性デー(国際女性の日)である。安倍政権が「女性の社会進出」をアベノミクスの中心政策とするなど「女性のキャリア」に注目が集まっているが、日本における女性管理職比率は、アジア全体が29%に到達している中、わずか19%程度とアジア最低水準に留まっている。国の財布事情も含め更なる女性の社会進出が必要となる。
3月8日は国際女性デー どんな日なの?
3月8日(日)は国際女性デー(国際女性の日)である。今年のテーマは、Make It Happen(成せば成る)であり、男女の平等を強く訴えたものとなっている。
国際女性デーの起源は遡ること100年以上前、1904年3月8日にアメリカ合衆国のニューヨークで、女性労働者が婦人参政権を要求してデモを起こし、これに呼応する形でドイツの社会主義者・クララ・ツェトキンが、1910年にコペンハーゲンで行なわれた国際社会主義者会議で「女性の政治的自由と平等のためにたたかう」記念の日とするよう提唱したことから始まった。
過去には1917年に帝政ロシアが崩壊するきっかけとなった2月革命が、国際女性デーのデモを発端とする等、社会への大きな影響力を持つ日である。
日本では1923年に「種蒔き社」主催で行われた国際女性デーが、一番最初に確認される運動の始まりである。ちなみにこの集会は反対派の妨害で開始後、約40分ほどで警察により解散させられている。
今ではバラやミモザなどの花と共にこの日を世界中で祝い、男女の機会平等や、女性の権利拡大を訴える日となっている。
日本の女性管理職比率を海外各国と比較
今年は安倍政権が「女性の社会進出」をアベノミクスの中心政策とし、扶養控除の廃止と夫婦控除の導入へ向けて動くなど、国際女性デーは各種マスメディアに大きく取り上げられることが予想される。
では国際社会から見た日本における「女性管理職比率」は、相対的に高いのだろうか?
英国を本社に持つ外資系人材紹介会社ヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパン株式会社が発表した調査※1によると、日本における女性管理職比率は、アジア全体が29%に到達している中、19%程度にしか拡大しておらず、アジア最低水準に留まるという。
意外と思われる方も多いかもしれないが、アジア全体で女性管理職比率が最も高いのは中国で、前年と同水準の36%にもなっている。
続いて、マレーシア34%(前年29%)、香港31%(同33%)、シンガポール27%(同27%)の順番となっており、日本の女性管理職比率は昨年の15%から19%に上昇したとはいえ、依然としてアジア近隣国に遅れを取っているのが現状だ。
日本の労働市場は現在深刻な人材難をかかえており、それに呼応する形で企業のダイバーシティ化が進んでいる。
今後も様々な政策の調整が図られ、女性の社会進出が進むことは確実だ。
少子化とキャリアを両立させる政策も必要
昨年、自衛隊出身の政治家が「女性の社会進出に反対する」ブログを書いて、賛否両論が沸き起こった。
主張を端的にかいつまむと「能力のある女性が働くことは否定しない」としつつも、「女性が社会に進出すると婚期が遅れて少子化問題が解決しない。」というものだ。
実際に女性の晩婚化は進んでおり、内閣府の調べによると2014年の女性・初婚平均年齢は、29.2歳(12年29.0歳)と上昇し続けている。
しかし少子高齢化を防ぐために、家庭にいる主婦を国が手厚く保護するだけの原資はもはやない。
スウェーデンに代表されるヨーロッパ諸国のように、稼いだお金の半分以上を税金として納税する政策が実行されるなら話は別だが、「消費税を3%あげるのがやっと」というのがこの国の現状だ。
約1,000兆円に及ぶ目先の膨大な借金を返済しながら、経済水準を維持するには、少子化対策と並行して、隠れた有能な女性にどんどん社会進出してもらい、稼ぎ手として納税してもらう必要があるだろう。
参照元
※ ヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパン株式会社 プレスリリース
http://www.hays.co.jp/press-releases/HAYS_254382