BtoB(対法人)ビジネスをされてきた会社の多くが、BtoC(対個人)へビジネスの領域を広げようとしているのに、なぜか上手く行きません。その理由は、売る相手、ニーズ、売り方、全てが変わるのに、自分達の製品開発やマーケティング視点が、昔の顧客との取引延長線上にあるからです。
BtoBからBtoCへの領域拡大により活路求める中小企業
私のところには「下請からの脱却したい」「自社ブランドで独自に商品を世に出したい」と言う中小企業の経営者様からの相談が、日増しに増え続けています。
BtoB(対法人)ビジネスをされてきた会社の多くが、不安定な経済情勢を背景に、財布の口を多くするべく、BtoC(対個人)へビジネスの領域を広げようとしているのです。
しかし、このブレークスルーを果たすことは、非常に難易度の高いものです。
なぜでしょうか?
BtoBからBtoCへの領域拡大を図る際に企業が陥るワナ
極論かもしれませんが、一般的に、大企業からの受注により、部品や製品を製造して生き残ってきた製造業は、いわば「大企業の指示通りにモノ作りが出来さえすれば食べていけた」時代を経験しています。
しかし、それだけでは食べていけない、何とかしないとと考えたときに考え付くのが「BtoCへの領域拡大」ですが、安易に転換するのは考えものです。
まず、売る相手(ターゲット)が決定的に違いますし、その相手がどういうものを必要としており、それをどうやって売ったらいいか、について新たなノウハウを習得する必要があります。
BtoBからBtoCへの領域拡大は、ゼロからの創業と同じ思考ベースではじめなければ、その先に待っているのは大きな失敗です。
「大企業で評価された技術や製品があるから、やっていける」と考えてしまう企業は、「製品」を作りはするものの、売れる「商品」にできないため、損失を余計に膨らませます。
今までの延長線上で何かをしようとしてはならない
事業領域拡大は同時に、ゼロからスタートを意味します。
BtoCビジネスへの転換をお考えの社長さん、一度お考えください。今お考えのビジネスは「BtoBビジネス」の延長線になっていませんか?
「製品」ではなく、「商品」開発をしていますか?