こんにちは!島倉です。
今回は「消費増税と新型肺炎のダブルパンチによる令和大恐慌の可能性」について解説します。
景気後退自体は予想されていましたが、新型肺炎という新たな問題が加わりました。
まだまだ新型肺炎が広がっている状況ですが、中国全土では深刻な影響を及ぼしています。
新型肺炎による中国産業集積地のダメージ
中国全土に感染が広がり、ついに産業集積地にまで感染が拡大して打撃を被っています。
産業集積地の現状
例えば遼寧省の大連はアパレル系工業が盛んですが、感染の影響で生産ができなかったり、海外に輸出ができない状況になっています。
日系企業が集まる江蘇省と浙江省は、沿岸部でビジネスが一番盛んな地域ですが、ここにも感染が広がっています。
南の広東省は広州にトヨタや日産の工場があり、深圳にはスマホ産業が盛んですが、いずれも壊滅状態です。
湖北省の武漢では自動車や半導体の部品を生産していますが、今、生産が止まっている深刻な状況です。
消費も落ち込み中国経済が停滞
このように中国の産業集積地が打撃を受けているので、中国の消費も当然落ち込んでいます。
先日、中国の副総裁が「新型肺炎は、旅行や飲食娯楽などのサービス業や鉱工業生産、建設業など第1四半期の経済活動をかく乱して、経済に影響している」と率直に認めました。
金融と財政出動対策
まず財政出動としては、現段階で新型肺炎関連に1兆円規模の財政資金を用意して、患者の医療費の無償化や医師の手当やボーナスに当てると言っています。
また、マスクなどを生産する企業の借入金利は1.6%を下回るように利子補給をしたり、交通・飲食・ホテル・旅行などは損失を次の期まで繰り返し圧縮できるという減税措置期間を現在の5年から8年に延ばしました。
中国はこのコロナウィルスによる経済影響を本気になって抑えようとしています。
新型肺炎による日本経済へのダメージ
しかし、当然日本にも大きな影響があり、日経新聞に「新型肺炎今期業績に影」という記事が載っています。
各企業が相次いで下方修正を行っています。
インバウンド需要の停滞
日本と中国を行き来する必要があるために、ANAとJALが四半期ベースで営業利益が30億から50億円程度減るくらいに影響が大きいといわれています。
中国からの観光客も減るので旅行・ホテル業界では、西武グループが10億円程度の減収になる見込みだと書かれています。
消費増税した矢先に、このコロナウィルスの影響が出てきて、非常に景気が悪くなってきています。
景気動向指数による基調判断が5か月連続の悪化
消費増税だけの影響を見ても、総務省が発表した家計調査では個人消費が低迷する結果となっています。
不景気は訪日の減少と暖冬の影響も
中国人の訪日が減少しているために、小売・観光・宿泊関係が不景気に直撃していることと、今年は非常に暖冬なので、コートなどの衣類やエアコンが売れないなど、悪いタイミングで景気が悪化しているということが報道されています。
それから帝国データバンクさんの調査では、建設・製造・運輸・旅行・ホテルなどの業界で「非常に悪化している」という回答を得たということです。
インバウンド需要の低下、中国への輸出の減少、グローバルサプライチェーンによる生産の減少、さらに新型肺炎と春節の時期が重なったことで観光客が減っているといったことが指摘されています。
公的な結果も民間の調査も消費増税と新型肺炎の影響でかなり厳しい状態が続いています。
新型肺炎により「令和大恐慌」の可能性
帝国データバンクさんの調査では、消費増税と新型肺炎のダブルパンチでこのまま2020年はズルズルと景気が落ち込んでいく「令和大恐慌」の可能性が出てきたということです。
所得の停滞
最近、アルバイトやパートの時給は上がっていますが、豊かになっているのかというとそうでもありません。
所得税や社会保険料の壁で働く時間を減らしているので、景気が良くなる要素がどこにもありません。
むしろこの新型肺炎の影響が長引くと東京オリンピックを直撃し、インバウンド需要が全く期待できない年になるかもしれません。
そういうわけで「令和大恐慌」が起きるのではないかと十分懸念されます。
中国・日本の経済悪化
公的にも民間の調査も結果がよくなく、ウィルスの感染が広がり、産業が停滞しているので、いつ回復するか次第かによりますが、少なくとも中国も日本も当面厳しいということです。
カギを握るのはアメリカ経済次第
世界経済全体で言えば、アメリカの株価がかなり高騰している状態で、アメリカが世界を引っ張っていますが、アメリカ次第では世界が大恐慌になる可能性もあります。
「令和大恐慌」にどう備えるか
新しい収益の柱を作る
サラリーマンの方であれば、早く副業にチャレンジしないと、稼ぐチャンスすらなくなってしまうような状況が目の前にあります。
「令和大恐慌」の可能性があるということをぜひ理解していただきたいと思います。