多くの企業で制作されている社内報ですが、「社内報は経営の戦略的ツール」「社内報はタテ・ヨコ・ナナメのコミュニケーション・ツール」「社内報は会社の中枢神経」として求められる役割は様々です。ただし、社内報にどのような役割が与えられていようと、社内報を制作する時の視点は、俯瞰的で社内人材の多様性を把握したものである必要がある点は共通しています。
社内報の作成に求められる経営的な視点と役割
はじめまして。
日本で唯一の総務・人事専門誌『月刊総務』の編集長を勤めております、豊田健一と申します。
さて、総務部門で行われる業務の一つに「社内報の制作」があります。
皆さんの会社でも、従業員の皆さんへ向けて社内報の制作を行われているのではないでしょうか。
社内報はその役割について、いろいろな捉え方があります。
- ・「社内報は経営の戦略的ツール」である
- ・「社内報はタテ・ヨコ・ナナメのコミュニケーション・ツール」である
- ・「社内報は会社の中枢神経」である
経営の視点から見ると、大体この3通りで社内報の役割を捉えている方が多いようです。
社内報は俯瞰的な視点から作られる必要がある
さて、社内報とはそもそもどのようなものなのでしょうか?
社内報はどうあるべきなのでしょうか?
更にはどうすると、社内報の効果を高めることができるのでしょうか?
これらの質問に答えるためには、幾つかの考えるべきポイントがあります。
まずは、社内報をどこまで遡って考えながら作成するかについては、次元をあげて考えて行く必要があります。
社内報、社内広報、社内コミュニケーション、というように経営の上位概念に遡り、そこから俯瞰的に社内報について考えていく必要があるのです。
次に、トータルで考えることが重要になります。
次元をあげることにも繋がりますが、 社内コミュニケーションの全てのツール、メディアの中での位置づけ、役割を考えていくべきなのです。
社内コミュニケーション・ツール、全てのツールの中での優位性を把握し、 逆にその限界も把握することもポイントです。
コンテンツの内容と、ターゲットとなる読者、それぞれに適したツールの選択も必要となります。
働いている人の多様性を踏まえることが最重要
最後に「働く人」という視点が、社内報を作成する上では一番重要になります。
人の積み上げが組織となり、その集合体が企業となるからです。 その最少単位である「人」をどのように捉えるか、これが最も大切なポイントなのです。
画一的に捕らえるのではなく、社内で働く従業員それぞれが異なった価値観を持ち、関心・興味の対象も違う、ということを認識しなければなりません。
私達は皆、グローバル化の進展により、異なった文化の中で育ってきた個々人です。
誰ひとりとして、同じ従業員はいないという事実をしっかりと把握することが、社内報の制作者には求められます。
次回以降は、どうすれば良い社内報を制作できるか?という話題で、複数回のコラムをお届けしたいと思います。