スマートフォンが普及したことで、Todoリストが随分便利なものとなりました。
利用者は確実に増えていますが、一方で本当の意味でTodoリストをフル活用している人はまだ少ないと言わざるを得ません。
なぜなら、「Todoリストに記録していないTodo」を、多くの人が頭の中に持ってしまっているからです。
記憶脳は全てTodoリストに吐き出し、創造性に脳を活用しましょう。ショーンが解説します。
スマホのTodoリストアプリを持て余す現代人達
多くの方が何らかの形で、Todo(するべきこと)リストを活用されているかと思います。
スマートフォンが私たちの生活やビジネスに浸透することによって、Todoリストの管理は以前に比べ、遥かに容易になりました。
一昔前であれば付箋(ポストイット)や手帳でTodoを管理するのが一般的でしたが、いつでもTodoを書き込んだり確認することができる、という点においてはスマホの方に大きく軍配があがるでしょう。
スマホのアプリストアで「Todo」と検索すると、沢山のアプリがヒットします。カレンダーと並び実用的アプリのメジャーカテゴリーの1つがTodoリストです。
スマホの普及と共に、Todoリストを日常的に活用する人は確実に増えたといえますが、その一方で本当の意味でTodoリストをフル活用している人にはほとんど会ったことがありません。
なぜならほとんど人は、「Todoリストに記録していないTodo」を、頭の中に持ってしまっているからです。
Todoリストをフル活用する上で大事なのは、アプリの多機能性や通知機能ではありません。
本当に大事なのは「TodoリストにすべてのTodoを預ける」、という私たち利用者側の意識であり、使い方なのです。
これを読んだだけでは意味が分からないと思いますので、以下の章から簡単に解説しましょう。
私達の脳が持つ「短期記憶」回路には限界がある
私たちの脳は2つの記憶回路を持っている言われています。
短期記憶と長期記憶の2つです。
短期記憶は情報を短時間保持する貯蔵システムで、一般成人における短期記憶の容量は、7±2(5から9まで)程度とされています。
長期記憶は大容量の情報を保持する貯蔵システムで、一旦長期記憶に入った情報は消えることはないとされています。
ここで重要なのは「短期記憶の容量は7±2(5から9まで)程度」という部分です。
つまり、短期記憶の部分で私たちが覚えておくことができる容量には限界があり、またその容量も決して大きくはないのです。
取引先に電話をかけること
あの会議の資料を準備しておくこと
夜の会食の予約をすること
1つ1つはそんなに大したことがないTodoに過ぎません。
対応すればその場で終わるようなものばかりですが、やろうと思ったことをその場でやれる場面の方が少ない、というのが実態ではないでしょうか。
多くの人はこれらのTodoをリストに入れようせずに、「後でやる」という風に覚えておこうしてしまいます。
しかし、そのことによって、あなたの貴重な短期記憶の容量が使われてしまうのです。
記憶しようとする行為は短期記憶の無駄遣い
ここで言いたいのは、そのことを覚えておくことができるかどうか、ということではありません。
覚えておこうとする行為そのものが、短期記憶の無駄使いであるということを知って欲しいのです。
記憶力に自信がある方であっても、Todoリストが覚えておいてくれることを、自分自身の貴重な短期記憶の領域を使い、記憶しておくメリットは殆どありません。
Todoリストが、スマホ上でいつでも書き込めて確認できるという環境があるのであれば、単なるTodoごときにあなたの短期記憶を使う必要性は皆無なのです。
そこで私は「Todoリストに本当に全てを預ける」ことを提唱しています。
もちろんその場で対応するようなものをリストに加えた上で対応する必要はありませんが、「後でやる」となったものはすべて、タスクの大小や重要度関係なく、とにかくTodoリストに放り込むのです。
そして、あなたの脳内からそのTodoを完全に忘れ去りましょう。
Todoリストに記録⇒忘れる 、というのが非常に重要です。
後でTodoリストを見ながら対応すればいいので、あなたの貴重な短期記憶はもっと他の創造的なことに活用できるのです。
Todoリストに記憶行為を委ね創造性に脳を使え
「なんかやらなきゃいけないことがあったんだけどな〜」という風に思っている状態は脳の一部を圧迫していて、脳の活動を阻害していると言われます。
Todoリストに全てを預けているならば、Todoリストを見れば解決するので、そんなもったいない脳の使い方をすることもありません。
コンピューターはどんどん発展してきて、私たちの生活は非常に便利になりました。
しかし、まだまだ私たち人間の脳の方が優れている領域がたくさんあります。創造性という領域もその1つです。
タスクを「覚えておく」などという、レベルの低い脳の使い方は綺麗さっぱりやめてしまって、その役割はTodoリストに全て任せてしまいましょう。
脳のメモリーを解放することで、私たちの脳は真の創造性を発揮することができるのです。
Todoリストがないと次に何をすればいいかが分からない、ぐらいの状態が実は理想的なのです。