最近では起業というのはすごく身近なものになってきています。会社員や学生など本業をこなしながらも起業する人というのは年々増加傾向にあります。
しかし、
- 起業したいけどアイデアもないしお金もない!
- 起業で成功するためにはどうすればいいんだろう?
などで悩んでしまい、起業することに対して躊躇してしまう人も多いのではないでしょうか。
今回の記事ではそのような「アイデアやお金がないけど起業をしたい人」のために、起業で成功するために必要なことなどを解説していきます。
起業するメリット
まず起業するメリットについてです。
経済的なリターンが大きい
会社員をしていると毎月一定額を支給されます。インセンティブ給などもあるかもしれませんが、どれだけ頑張ろうと限界を感じる時があると思います。
しかし起業して経営者になったら経済的なリターンは青天井です。成果を出したら出した分だけ、収入となって入ってきます。
経済的に豊かになれば、人生の選択肢そのものが多くなります。そのお金を使って自分のやりたいことを存分にできる人生が待っているのです。
この収入に限界がないということがまず起業する魅力の一つです。
自由に仕事ができる
起業をすれば自由に仕事をすることができます。それは内容でも時間でも同じことが言えます。
起業をしてしまえば、どんな事業をやろうとも、どれだけの時間働いても働かなくても、誰からも一切文句を言われることはありません。
また自分で仕事をするパートナーを選べるので、嫌な取引先などと仕事をせずに済みます。
会社員の場合、会社が言う通りに業務をこなさなければいけないので自由はあまりありません。
この自由に働けるということは非常に素晴らしいことです。
定年がない
会社員の場合、定年制度というものが存在します。もしあなたが定年を迎えた時にまだまだ働けるとしても、事実上クビという形になります。(例外もありますが。)
しかし起業したらあなたは社長になるわけです。定年を決めるのはあなた獅子なので、体が元気な限り好きなだけ仕事をすることができます。
社長になれる
起業して会社設立をすれば当然ですがあなたは社長です。社長はすべての決定権を持っており、業務の意思決定の幅が狭い従業員とは大きく違います。
自分会社のトップになることで自由度が大きくなるでしょう。また雇われていては自分の思うことができませんが、社長になり人を雇う側になることでビジョンを達成するために自分以外に「社員」という力を借りることができます。
起業するデメリット
起業のメリットがあることを理解したところで、デメリットもしっかり押さえておく必要があります。
収入が不安定
まず押さえておくべきなのは収入が不安定ということです。
今までは自分の業績が悪くても会社から決まった金額のお給料をもらえたかもしれませんが、起業するとその安定がなくなります。
会社の利益=あなたの収入になるため、利益がゼロだった場合、あなたの給料もゼロ円です。
また開業でいいスタートをきったとしても、それをずっと継続していかなければ収入は減っていきます。
まず起業すると収入が不安定になるということを理解しましょう。
不要なリスクは取らないようにしましょう。
大きな決断をしなければならない
起業すると常に自分で決断をしなければいけません。またその責任をすべて自分が負う必要があります。会社のように「これをやれば正解」といったようなものはなく、自身の経験と推測で事業がうまくいくための判断をしていかなければいけないのです。例えばですが、事業が業績悪化して人件費をカットしなくてはならなくなったとします。この場合、どの社員をクビにするかなど考えなくてはいけません。
このように時には非情になり、会社を守ることを第一に考えなくてはいけません。これは非常に精神的負担が大きい作業です。
常に孤独
意外かもしれませんが、「起業家」は常に孤独です。確かに社員など自分を慕ってくれる存在はいるかもしれません。
しかし会社の苦しい経営事情などを自社の社員に相談するわけにはいきません。会社の悩みなど社員は解決できませんし、ただ不安にさせてしまうだけです。つまり起業して社長になると同じ目線で相談できる相手がいなくなるのです。
ですので起業は常に孤独との戦いであるということを理解しておきましょう。
起業したいけどアイデアがない人がするべきこと
「自分がいいと思えるアイデアが出てこない」
など起業のアイデアがない人は意外と多いのではないでしょうか?
いいアイデアの出し方は主に以下の4つです。
- お金が流れている場所を理解する
- 好きなことを中心に考える
- 得意なことをアイデアにする
- 副業から始めてみる
順番に解説します。
お金が流れている場所を理解する
起業で一番大切なのはどれだけ収益を上げられるかです。
その際に今の時代でお金が流れている場所を理解してそのジャンルでアイデアを出すのをおすすめします。これは単純な話でお金が多く流れているところは多くのニーズが存在しており、未開拓なサービスがまだ多くあるからです。
このお金が流れている場所を見極めるには、大企業の投資先などを確認するといいでしょう。
- IT業界
- 不動産業界
- 金融業界
が投資先として選ばれています。
現に業績は伸びており、これらのジャンルで起業した場合は利益をあげられる可能性が高いです。
特にITのジャンルで起業するのが個人的にはオススメです。自分でパソコンを一つ持っていれば始められるので、気軽さとリスクの低さが魅力的です。
「どれだけ収益をあげられるかが起業の際には大切」と書きましたがこれに抵抗を覚える人もいるでしょう。日本人はお金稼ぎをいやらしいと感じる人が多いため仕方のないことです。
しかし実際のところ収益が大きければ大きいほど、多くの顧客に価値を提供できているということを意味します。ですので「稼ぐ」というのは非常に社会の貢献につながっているのです。
好きなことを中心に考える
好きなことをもとに起業のアイデアを考えるのも素晴らしいと思います。好きなことだったら「こんなサービスがあったら楽しいだろうな」と想像するだけでアイデアがスムーズに出てくることでしょう。
例えば、音楽を聴くことが好きな人が、「いろんな音楽が聴きたいけど自分で探すのは面倒くさい。勝手にオススメしてくれるサービスとかあればいいな」という考えがあったとします。その結果Apple Musicな視聴履歴に合わせて自分の好きなジャンルの音楽を教えてくれる機能などが開発されました。小さいことだけれど自分が「こうなったらいい」思うことなどをアイデアにしていけばいいと思います。
得意なことをアイデアにする
もうひとつおすすめなのは「得意なこと」で起業するということです。あなたがもし普段から営業マンとして優秀な成績を残しているのであれば、そのノウハウを売ったりする事業や、営業マンを教育する事業を立ち上げることも可能です。営業以外でも、プログラミングや英語などが得意な人もいるでしょう。別にビジネスに関係しない、恋愛経験豊富で恋愛に詳しいとかでも全然大丈夫です。
「これなら自信を持って得意と言える」というジャンルを持っていると起業する際に非常に強力な武器になります。
「得意なこと」をアイデアにするのは大きなメリットがあります。
それは需要が多いということです。先ほど取り上げた営業やプログラミング、英語などはどの企業も必要性を感じて、力を入れています。
そこで自身の得意なことに特化した会社を作れば、多くの企業から必要とされることでしょう。
また恋愛などは悩んでいる人がかなり多いジャンルです。あなたがもし恋愛経験豊富でモテるためのテクニックなどを知っていれば、講師やコンサルタントとして顧客をサポートできるかもしれません。
これ以外にも自分が得意なことが、需要の高いジャンルという場合、自分のスキルを生かした起業をおすすめします。
副業から始めてみる
ここまでアイデアの出し方を説明しましたが、とは言えいきなり起業するのはなかなか勇気が必要な行為なのではないかと思います。起業は先ほども書いた通り様々なリスクが伴います。ですので初心者の方は起業する前に副業から初めてみるのもいいと思います。最近では主婦の方も副業をやっています。
副業で有名なのは、
- アフィリエイト
- 転売・せどり
- プログラミング
- YouTube
などが挙げられます。
アフィリエイトを例にして説明します。そもそもアフィリエイトとは何かというと、いわゆる広告収入です。自分が書いたブログや記事で商品を紹介してリンクを貼り、そこから商品を購入してもらえたらマージンが自分の元に入ってくるという仕組みです。
これがなぜ起業につながるのかというと、アフィリエイトで成果を出せば、そのノウハウをサービスや商品にして売り出すことができるのです。
普通の起業の場合、最初は様々な費用がかかりマイナスからのスタートが一般的でしょう。しかし副業の場合、初期投資は無料や低価格で始めることが可能で収入を得つつスキルを習得することもできます。まさに一石二鳥です。
現代ではSNSで情報収集し参考にすることでより成果を出すことが期待できます。
いきなりリスクをとるのは怖いという方には、副業から起業にシフトしていくのが無難なのではないでしょうか?
お金がない人がするべきこと
起業のお金を集めるのには主に以下の3つの方法があります。
- クラウドファンディングを使う
- 補助金・助成金を使う
- 銀行から融資を受ける
以下、順番に解説していきます。
クラウドファンディングを使う
「アイデアはあるんだけどそれを実行するための資金がない!」という人はクラウドファンディングの利用をおすすめします。
クラウドファンディングとは、「こういったサービスを実現したい」「世の中のこんな問題を解決したい」という自分のアイデアを専用のサイトに掲載します。
そういったアイデアに共感してくれた人が自分の好きな金額を出資するというサービスです。
クラウドファンディングには様々な種類があります
- 寄付型クラウドファンディング
- 購入型クラウドファンディング
- 融資型クラウドファンディング
- 株式投資型クラウドファンディング
などが一般的です。
寄付型
「寄付型」はその名の通り寄付なので返済義務がありません。「購入型」は出資する代わりに、プロジェクトの主催者から商品やサービスなどを提供してもらいます。
融資型
「融資型」はお金を貸すということなので金利の支払いが発生します。
株式投資型
「株式投資型」は、法人化した際に何割かの株を出資者に渡すといった形です。
もしあなたの提案力や企画力が優れていれば多額の資金をスピーディに調達することができます。さらにクラウドファンディングには返済義務がない場合が多いため失敗した時のリスクを最小限に抑えることができます。
実際にこのクラウドファンディングを利用して、会社を起こして経営を行っている人は多くなってきています。
しかし、多くのクラウドファンディングではリターンを用意する必要があります。それに付随して様々な手続きが必要です。
「自社の商品の仕入れや発送」「サービスの提供」「分配金の振込」などの多くの手間がかかってきます。またこれらをしっかり管理するとなると、人を雇い人件費もかかってくるでしょう。
これらをプロジェクトと並行して行わなければならない可能性もあります。
このようにクラウドファンディングにもデメリットがあることを理解しておきましょう。
理解した上で、自身に最適なクラウドファンディングの形を選択すると良いでしょう。
補助金・助成金を使う
国や自治体が産業やサービスの発展を促進するために出すお金が。補助金や助成金です。
これらの大きな特徴としては、返済義務がないということです。
補助金と助成金はそれぞれ募集期間や審査の厳しさが違います。
補助金の場合、審査が厳しく書面などをしっかり準備しなければいけません。また比較的募集の期間が短いので注意が必要です。しかしその反面、審査が通ってしまえば大きな金額を援助してもらえるので、資金調達のハードルが一気に下がります。
逆に助成金の場合、審査は割とゆるく募集期間も比較的長いですが、援助してくれる金額は少ないです。
それぞれの利点を理解し、自分に必要なのはどちらかを見極めましょう。
銀行から融資を受ける
あまりおすすめはしませんが銀行からの融資を受けるという手もあります。もし融資を受けることができたら、他の資金調達とは比にならないほどの金額を創業資金にあてられます。また金利も低いので安心です。
ではなぜ起業時に銀行からの融資をおすすめできないかというと、審査が非常に厳しいからです。何の実績もない企業は倒産するリスクも高いので、銀行側はなるべく貸し付けをしたくありません。
ただ安定的な収入が別にあり、銀行側が貸しても大丈夫だと判断すれば貸してくれる可能性もあります。
起業で成功するには
ここまでアイデアとお金について説明しましたが、起業で成功するには結局何が必要なでしょうか?
具体的には以下の4点です。
- 失敗を恐れない
- 他人に任せることができる
- お金の管理ができる
- 熱中できる
順番に説明します。
失敗を恐れない
失敗を恐れない人は起業に向いているでしょう。誰しも失敗はしたくありません。ですが起業には必ず失敗が起こります。そこで「もうダメだ」とネガティブに捉えるより「次はここを改善すればうまくいく」とポジティブな発想に転換させることで事業の質は良くなっていきます。
このように失敗を「失敗」で終わらせるのではなく、成功するための「経験」として向き合い試行錯誤できるような人は起業してもうまくいくでしょう。
失敗を恐れていたら成功はありません。積極的にリスクを取って失敗を活用していくことが成功への近道なのです。
他人に任せることができる
「起業家」と聞くと完璧主義でスーパーマンみたいな人を想像するかもしれません。しかし意外かもしれませんが、起業家の多くは全てを自分でやろうとは考えていません。むしろ自分のやるべきこと、他人に任せるべきことを明確にします。そちらの方が効率がいいことを理解しているからです。このように他人を信じて任せるべきところは任せられる人は起業に向いています。
逆にすべて自分が納得できるまで突き詰めないと気が済まないというタイプの人は起業には向いていません。
お金の管理ができる
すごく当たり前のことですが、会社のお金をしっかり管理して守れる人は起業に向いています。これは会社のお金を減らさないということももちろんですが、時には大きな決断をすることも会社のお金を守るということにつながります。普段は無理のない資金の範疇で事業を行いつつ、チャンスが訪れたらリスクを考慮しつつ最大限の資金を事業に投下して、利益を出していけるような判断力があれば素晴らしいです。
とはいえこういった判断力は一朝一夕で身につくものではないです。現段階で普段のお金づかいが荒くないか、貯金や投資などを計画的にできているかなどを確認してみると起業に向いているかのいい判断材料になります。
熱中できる
起業が成功するかどうかは、社長であるあなたの仕事に対する熱量が大きく関わってきます。成功している起業家の多くは生き生きしてると思いますが、それは仕事に熱中できているからです。仕事が好きで好きでたまらないのです。
こんなことを書くと「自分には無理」と思う人もいるかもしれませんが、実際に何かに熱中した経験があるのであれば心配は不要かと思います。スポーツでもゲームでも趣味でもなんでもいいです。その熱中したことが仕事に変わるだけです。
逆に「仕事に熱中できない」「本気で打ち込めない」「プライベートとは分けたい」と思っている人は起業に向いていないでしょう。それは周りがすごいスピードで進化していき、競争に勝てないからです。
特に起業したては自身のプライベートで遊ぶ時間などないでしょう。それでも起業家たちは仕事を遊びのように捉えており働いているという感覚はないため、プライベートを削ってでも仕事をしたいと思っているのです。
起業をしたい理由を徹底的に考える
そもそもあなたはなぜ起業したいのでしょうか?
たしかに以前に比べれば、かなりリスクを低くして起業できる時代になりました。女性社長なども増えてきてより一般的になったと感じます。また先程説明したようにクラウドファンディングなどで資金を集めることができれば初期費用も不要、アイデアもゴロゴロ転がっています。
しかし「起業したい」と口では言えますが、やはり実行するとなるとそれなりの労力が必要なのは事実です。もちろん会社を立てるとなると金銭的にも時間的にもリスクがあることを理解しましょう。
また起業したい理由は人それぞれだと思います。
例えば、
- 雇われる側より雇う側になって働きたい
- 大金持ちになって、イケメンや美女と遊んだり高級車を乗り回したい
- 歴史に名を残すような事業を自分で成し遂げたい
- 自動でお金が生まれる仕組みを作ってリタイアしたい
など「起業したい」という言葉の裏にはいろいろな目的があるでしょう。
しかし、ひとつ考えて欲しいことがあります。
本当に「起業」という選択を取る必要があるのでしょうか?
今では会社員という立場を生かして幅広く活躍している方もいますし、フリーランスなどの業務委託といった形で自分の望むライフスタイルを確立している方も多くいます。
最近ではメディアや著名人、インフルエンサーなどが「会社を辞めろ!起業しろ!」と発言しているのを多く見受けられます。しかし、例えあなたが起業で失敗したとしても、彼らは責任を取ってくれません。起業というのは全て自己責任なのです。
ですので自分が望む生活は、本当に起業をしなくては手に入らないものなのか考えてみるといいでしょう。
起業をすることであなたが得たいと思っているものを明確にすることが大切です。
まとめ
ここまで起業についてあらゆる視点から解説してきました。起業をするメリット・デメリット、アイデアとお金がない場合の対策方法、成功するために必要な要素など理解していただけたでしょうか?
たしかに起業というのは素晴らしい選択です。うまくいけば自分が望む人生に大きく近づくことができるものです。
しかし、起業というのはあくまでも「手段」であるということを忘れないでほしいです。
周りに流されてなんとなく起業するのは最もやってはいけない行為です。
先ほども書いたようにあなたが得たいと思っていることを明確にし、それには起業が一番いい「手段」だと思う必要があります。
起業したい人は自分が起業でどういった人生を送りたいのか、将来のビジョンを具体的に描いてみる必要があります。