経営者の英断 不良取引先からの撤退 具体的な実践方法

節約

組織活性化プロデューサーの南本です。

今回は「経営者の英断」シリーズとして、「不良取引先からの撤退」と「コストからの卒業」と「ダメ社員からの撤退」の3回に分けて紹介します。

1回目は「不良取引先からの撤退」について考えていきます

中小企業の経営をしていると、収益貢献していない取引先というのが必ずあります。

あなたの会社にあまりメリットを与えないこの取引先を「不良取引先」とすると、「不良取引先から撤退」するために、具体的に何をすれば良いかを解説します。

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ABC分析をする

ABC分析とは?

読者の皆様は、ABC分析という言葉を聞いたことはありますか?

取引先が100社あったとして、例えばあなたの会社にとって一番売り上げの高い企業から、売上構成比をエクセルなどで並べてランキングしてみてください。

ABCという感じで並べていきます。具体的な手法は以下のページでチェックしてみてください。

コンビニもやってる「ABC分析」で売上分析し業務を効率化しよう
 コンビニエンスストアに行くと、先週まであった商品が無いということが頻繁に起こります。限られた店舗で効率的に売上を立てるため、運営側が商品をどんどん入れ替えるからです。商品の入れ替えを行う際は主に「ABC分析」という手法が用いられますが、これは高度なソフトが無くともExcelで簡単に始められます。ぜひ始めてみませんか?

収益貢献の低い2割の取引先を抽出する

このABC分析をやってみると、売上にある一定の傾向が現れます。

20:80の法則(パレートの法則)というものがありますが、売上が少ないのに手間ばかり取らされている相手がいるはずです。

極端な話をすると、売上の20%しか貢献していないのに、社員の作業の80%を食っている取引先です。

この会社は、言い方はキツイかもしれませんが、あなたの会社にとってはダメな取引先です。

収益貢献が低い会社を2割と決めた場合、その下から2割に該当する企業を抽出して、取引の卒業を考えていくということです。

そうすることによって、あなたの会社の取引先数が100社だとして、2割の会社を放出しておけば、そこにまたどんどん良い取引先を入れる余地が出てくるはずです。

そういう発想をしていかずに、いつまでも同じように対応していこうなどと取引を継続していると収益構造がジリ貧になってきて赤字体質に陥ってしまうのではないかと思います。

最初は「売上」で抽出するのが吉

一番売上がわかりやすいので、まずは売上でABC分析してみてください。

本来は人件費やいろいろな原価を計算してみて、収益でABC分析をするのが一番いいのですが、最初はわかりにいくので売上構成比でABC分析をしてみるのが良いのではないかと思います

100社あるとするなら、だいたい20社くらい抽出してみましょう。

その20社は恐らく構成比率がものすごく低いはずです。しかも低いわりに手間が結構かかっているものです。

売上貢献の低い会社の人ほど「値下げしてほしい」とか、「サービスが悪い」と文句を言ってきたりします。

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取引の撤退交渉をする

価格交渉・発注ロット交渉の提案

その次に、これら卒業すべき取引先と交渉を行いましょう。

100社取引があれば20社、50社であれば10社抽出して、その会社と取引の交渉をしてください。

値上げのような価格交渉をするか、発注ロットを上げていただくように交渉しましょう。

売上、利益的がどんどん入ってくるように価格を上げるか、最低ボリュームを上げていくかです。

「それが無理なようであれば3か月後に契約を切らせていただきます。」という形で、丁寧にお伝えして撤退しましょう。

売上構成で ABC分析してみて、本当に貢献度が低い、2割ぐらいのダメな取引先を見直していこうということです。

ここで、価格交渉に応じてくれる取引先はBランク、Aランクに上がっていく可能性があります。

これらの会社に対しては、提示した条件を前提に、再度取引の話を進めていけばよいでしょう。

取引撤退交渉のコツ

中には怒り出すような会社ももちろんありますが、そういう時は粛々と契約の撤退をしていくのも一つの手だと思います。

あくまでもこちらは冷静に、礼を尽くして、丁寧に自社の方針をお伝えしながら、お相手する形にしましょう。

厳しい時代に対応する

中小企業はこれから収益を出していくのが厳しい時代になっていきます。

2019年は景気の減速が鮮明になっていますから、生き残りを図るうえでは自社の生産性向上が必須の課題です。

そのためには取引先を優良取引先に絞り、ここでの収益拡大に社内のリソースを最大限割く必要があります。

そのうえで、今回お伝えしたような、ABC分析、取引交渉、取引の撤退という判断を、事前に行っておく必要があるのではないでしょうか?

 
節約
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南本 静志

和歌山生まれ。株式会社紀陽銀行入行。銀行業務を2年程度経験後、システム部へ異動。

システムエンジニアとして銀行オンラインシステムや情報系のマーケティングシステムの構築で活躍する。

30歳代の後半には日本ユニシスに出向し、金融機関向けCRMマーケティングシステムの業務設計のリーダーを任される。その後、コンサルタントとして独立、現在は東京千代田区で経営コンサルティング会社と社会保険労務士事務所を設立し、代表に就任。

中小企業診断士及び社員を持つ経営者としての立場で、幹部社員(部長、課長、係長等)を次期役員に昇格させるようなマネジメント系の人材育成プログラムに強みを発揮している。また、初級管理職(主任や中堅リーダー)に対するモチベーション研修や自己発見研修も得意。

アールイープロデュース 

適性検査Cubic(キュービック)

東京中央社会保険労務士事務所

東京中央給与計算センター

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