カントリーリスク 世界はあなたとつながる

政治

 カントリーリスクとは外投融資や貿易を行う際、対象国の政治・経済・社会環境の変化のために、個別事業相手が持つ商業リスクとは無関係に収益を損なう危険の度合いである。国内にいるとカントリーリスクは自分に関係がないように思えるかもしれないが、世界はあなたと密接に繋がっている。事前に俯瞰して捉えることが企業の節約になる。

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カントリーリスクとはどんなもの?

 インターネット、新聞、テレビで日々飛び交う海外のニュースをあなたもよくご覧になることだろう。
 
 エボラウイルス、ウクライナ・ロシア領土問題、北朝鮮拉致被害、チャイナリスク、などは誰しもが関心を寄せる問題である。
 
 これらのうち、経済的に自らの意志に関わらず被害を受ける可能性がある問題を、カントリーリスクという。
 
 カントリーリスクが生活や自分自身の事業に及ぼす影響は甚大であり、起こってから対処したのでは遅い場合が多い。
 
 自分自身の事業方向性や社員の運命をカントリーリスクが襲う前に、体系的に把握することは懸命だ。

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カントリーリスクの種類 大きくわけて5つ

 世界で起きているカントリーリスクを大分類でわけると以下4つにわけられる。

1)各地で起きる戦争・政権交代

 日本は1945年以降戦争を行わない国であるが、今現在も世界中では大小合わせて1000を超える戦争が行われており、20億人以上の人が戦争の行われている地域に住んでいる。戦争の行われている地域で産出される資源を日本は輸入し、加工することで経済的に豊かになってきた。どこでどのような戦争が起きているか把握しておきたい。その地域の産出資源を把握すると自分のビジネスが意外と関係している場合が多い。戦争や選挙による政権交代による諸外国の政治方針転換もビジネスと直結する場合が多い。

2)気候変動と食糧危機

 日本の人口はゆるやかな減少に転じると見られているが、東南アジアやアフリカ諸国では人口が爆発的に増加し続けている。これらの国で起きる気候変動がもたらす食糧危機は大きな問題である。特にアフリカ諸国は食料の輸入大国であり、今後30年で人口が現在の10億人から倍の20億人になり、世界中から資源を吸い上げると見られているため、自給率の低い日本にとって食料を争う相手が中国や韓国だけではないことを覚えておきたい。

3)国のデフォルト危機

 国が潰れるということは私達日本人並びに日本国内に住む人間にとっては考えにくい事態である。しかし、1980年台以降だけで海外向け債務でデフォルトを起こしている国は約40カ国にも及ぶ。デフォルトは為替に甚大な影響をおよぼすため、日常生活から海外との取引まであらゆる面で貴方に影響をおよぼす。ちなみに直近で為替・株式に大きな影響を及ぼしたギリシャ問題が再燃していることは頭に入れておきたい。

4)大企業の倒産

 直近の例で言えば2008年に起きたリーマン・ショックが代表例としてあげられる。日本の国家や企業はリーマン・ブラザーズ倒産原因のサブプライムローンを抱えておらず、直接の影響はなかったが、アメリカをはじめとする世界的な消費落ち込みや投資意欲の減退を受け、急激な円高が輸出企業の業績を襲った。国際規模で活動する企業の業績や趨勢を把握しておきたい。

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あなたと世界はつながっている

 東日本大震災並びに福島第一原発事故が自国にもたらした直接的な悪影響を私達は生々しく覚えているが、これらの出来事は諸外国にとってカントリーリスクとなった。
 
 例えば韓国の例をあげると、地震と原発事故をきっかけに政府の実権が民主党から自民党に変わり、円安相場や領地問題の紛争などのカントリーリスクも複雑に絡み、日本との関係において経済は大きなダメージを受けている。
  
 世界で起きるカントリーリスクを常に注視して、自分の事業にいつどのような影響が及ぼされる可能性があるか予測し、非常の事態に備えたい。

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