大阪市生野区は混沌とした文化の中から創造性を生み出す

経済

 着実に労働人口が減り続ける中で、どのみち、遅かれ早かれ日本国内の産業構造は空洞化する。私たちのクリエイティビティは、とくに、異なる価値観、交錯した環境、混沌とした状況下での、数あるチャレンジの中から生まれてくる。大阪市生野区は異なる習慣や文化と向き合いながら新たな価値を創造する、われわれの将来図の1つと言える。

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混沌とした中で新たな価値観は育まれていく

 ニッポンの「グローバル化による経済成長」が叫ばれてから久しい。

 だが、着実に労働人口が減り続ける中で、これまでの利益至上主義をさらに突き進めたとしても、どのみち、遅かれ早かれ日本国内の産業構造は空洞化する。

 もしも、未来に何かを引き継ぐとしたら、新たな価値を生み出すための創造性は欠かせない。

 私たちのクリエイティビティは、とくに、異なる価値観、交錯した環境、混沌とした状況下での、数あるチャレンジの中から生まれてくる。

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大阪生野区は異文化とモノ作りで個性際立つ

 大阪市にある生野区は、異文化とモノ作りが織りなす小さな街である。

 住民の20%以上にあたる、およそ2万7千人が外国人であり、総人口に占める外国人の割合は日本一の自治体だ。

 そして、そのうちの9割以上が、韓国・朝鮮系の方々となる。

 新大久保コリアンタウンのある東京都新宿区の外国人比率が約11%なので、生野区のインターナショナルぶりがお判りであろう。

 面積はわずか8.38キロ平方メートルしかない。東日本にお住まいの方は、東京都の国立市と同程度の広さと思っていただきたい。

 ちなみに、イギリス王室の所有地は25万エーカー(約1,012km2)と言われており、生野区はロイヤルファミリーの1/120の面積を”領土”とする。

 故マイケル・ジャクソンが建設した、”ネバーランド”でさえ、2千8百エーカー(約11km2)だ。

 そんな、かつては「中小企業を主体としたモノ作りの町」「韓流ブームで賑わったコリアンタウンのある地域」として栄えた生野区が、人口減少と高齢化に直面しながらも、今またクリエイティブな街として注目されつつある。

 大阪府が推める、地域のモノ作りブランド化においては、2014年に有限会社シューズ・ミニッシュが手がけた「リゲッタカヌー」と呼ばれるサンダルが”メイドイン大阪”として認定され、業績拡大のみならず、海外からも好評を博している。

 また、生野コリアンタウンは”ディープな街”として、生活に密着した食文化が体験できるエリアとして再認識されるなど、次世代たちの挑戦は始まっている。

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異なる習慣や文化の受け入れから未来を描く

 異なる習慣や文化と向き合いながら新たな価値を創造する、小さな街の生野区は、われわれの将来図ではないだろうか?

 「モノ作り」と「異文化との共存」。

 これは、現在のニッポンが共通して抱えているテーマだ。

 「経済成長」の名のもとで目先の利益のみを追求した結果の”不適切な処理”よりも、ホームタウンでオリジナルブランドを育てるチャレンジを生野区宣伝部長の”いくみん”と一緒になって応援せずにはいられない。

参照元
大阪市 統計データ(平成26年12月末日)
http://www.city.osaka.lg.jp/shimin/page/0000006893.html

東京都 統計データ(平成27年1月1日)
http://www.toukei.metro.tokyo.jp/juukiy/2015/jy15000001.htm

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