オバマ大統領も愛したハワイのソウル・フードであるガーリック・シュリンプの名店「ジョバンニーズ」が世界進出の第一号店を東京へ出店することが決定しました。近年東京には外資系外食チェーン企業がこぞって上陸しています。人口密度の高さを活かしたPRに対する費用対効果の高さ、食に対する意識の高さから、東京は外資飲食企業にとって魅力的な街なのです。
オバマ大統領も愛したハワイの名店が初上陸
ガーリック・シュリンプとは、エビをたっぷりのガーリックバターと共に炒めライスなどと一緒にプレートへ盛り付けるシンプルな料理です。
ハワイではエビの養殖が盛んであり、リゾート地で気軽に食べられる料理であることも手伝い、料理としての歴史はまだ浅いですが、ハワイ中へ一気に広まりました。
ハワイのソウル・フード「ガーリック・シュリンプ」
そんなハワイのソウル・フード「ガーリック・シュリンプ」が本場の味そのままで、東京で食べられることになりそうです。
ハワイのB級グルメであるガーリックシュリンプ販売の先駆け的存在で、ハワイ島ノースショアエリアで実店舗や移動トラックで、約10店舗を展開している1993年創業の「ジョバンニーズ」が、世界展開第1号店を、新宿の歌舞伎町で7月24日(金)よりオープンすることになったのです。
日本での「ジョバンニーズ」運営は、日本国内販売ライセンスを獲得した株式会社Bancが、行う予定となっています。
ジョバンニーズは本場ハワイでは、オバマ大統領を始めとする多くのセレブリティたちに愛されることで知られています。
日本でも数々のメディアに取り上げられるなど、「ガーリックシュリンプといえばジョバンニ」の呼び声も高い名店です。
なぜ東京に海外の有名店がこぞって集まる?
東京にはタコベルをはじめ、ここ一年で、ニューヨークNo.1との呼び声も高いグルメバーガー「シェイク・シャック」、サードウェーブカフェ「ブルーボトルコーヒー」など相次ぐ外資系外食チェーン企業が上陸しています。
その背景には何があるのでしょうか?
日本がインフレ傾向であること、円安であること、マクロで景気回復傾向にあることに加え、外資系の外食チェーン店が東京へ進出するのには更に大きな理由があります。
世界的展開を見据える外食チェーン企業にとって、東京は海外店舗運営のテストマーケティングにおける最適な舞台なのです。
世界的な大都市の人口密度を比較すると、ニューヨークの人口密度は1,085.7人/km2、ロンドンの人口密度は5,354人/km²、それに対して東京都は全体で6,110人/km²の人口密度、23区に限定すれば実に14,727人/km²の人口密度があります。
狭い地域に多くの人がいる場合、マスコミの報道やインターネットのSNSを通じた情報の拡散が生じると、PR効果は飛躍的に上昇します。
誰かがインターネットで「美味しい」といえば、徒歩圏内・電車圏内の人が来店する確率は高くなります。
なおかつ東京に住む人は、均質的に舌が肥えています。
ミシュランガイドにおける星の獲得数が世界の都市で最多なことは、それを示す1つの証拠と言えます。
東京で認められることは、膨張を続けるアジア経済圏へ出店を加速させるGOサインになるのです。
国内企業にとっても東京は魅力的な巨大市場
日本国内の飲食業態を営む企業にとっても、外資系飲食企業の東京進出は1つの示唆を与えます。
2030年に日本の人口は1億1,600万人(2014年時点:1億2,300万人)に減少するにも関わらず、国連は2030年になっても世界一の大都市圏として東京が依然その地位を保つだろうと予測しています。※
東京ほど密集した場所に、巨大な胃袋を抱える飲食市場は世界を見てもそれほどありません。
高齢化に伴う一人あたりの飲食消費量は減っていくものの、一度贅沢を知った舌はラチェット効果(贅沢を忘れられない)で、質の高い食を求め続けます。
海外の企業に比べ、日本の飲食業態を営む企業は、食材の調達、物流、人員の調達、何より文化に対する親和性でメリットがあります。
いきなり海外へ進出するのも1つの手ですが、日本(特に東京)で認められる(成功する)ことは、海外進出の成功率を高める要因となります。
参照元
※内閣府 「人口動態について」(平成26年2月14日)
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/future/0214/shiryou_04.pdf