「オマハの賢人」として賞賛され、世界で最も成功した投資家ウォーレン・バフェットが、「どのタイミングで企業投資するか?」を判断する際に参考にしている指標があります。「各国のメイン市場の時価総額÷その国における名目GDP」で算出される「バフェット指標」です。日本の現在の株価はバフェット指標で見ると割高になっているようです。
世界から尊敬を集めるウォーレンバフェット
「オマハの賢人」として賞賛され、世界で最も成功した投資家の1人といえば、ウォーレン・バフェットに他なりません。
フォーブス誌が選ぶ「2015年世界の大富豪ランキング」によると、持株会社バークシャー・ハサウェイを経営するバフェットの推定資産額は8.7兆円に及びます。
お金持ちと言えばやっかみが入りやすい人種にも関わらず、彼は世界中から尊敬の念を抱かれています。
それもそのはず、バフェットは天文学的な資産を有しながら、未だに3万ドルで購入したオマハの自宅に住み、車はスバルの一般車レガシィに乗り慎ましい生活を送っています。
更に彼が尊敬される最大の理由として、企業投資を投機的に行わず、長期に渡り価値が高まる企業となるよう自ら育てることにあります。
バフェット指標はタイミングを図る重要指標
バフェットの投資手法は「バリュー投資(内在価値への投資)」として知られます。
彼にこの投資手法を教えた師匠は「ウォール・ストリートの最長老」こと、伝説の投資家ベンジャミン・グレアムです。
バリュー投資とは、
- 1)市場価格と企業に内在する価値を比べて割安な企業に投資する
- 2)株ではなくあくまでも企業に投資する
- 3)購入の際には自分の理解できない業界には投資しない
- 4)分散投資を心がける
- 5)投資した後は長期保有する
という投資手法です。
彼が大局的に「現在」が企業に投資するタイミングか否か考える際に、参考としている指標が1つあります。
「各国のメイン市場の時価総額÷その国における名目GDP」で算出される、「バフェット指標」という指標です。
バフェットの場合は、バフェット指標が1を超えれば、市場全体の株価は割高、1を大きく下回れば価値ある企業へ投資を実行できる時期という判断しているようです。
日本の現状をバフェット指数に当てはめよう
では日本の現状をバフェット指数に当てはめるとどうでしょうか?
東証一部時価総額(585兆円:7月13日現在)を名目GDP(500兆円)で割ると、バフェット指数は1.17となります。
中国やギリシャで金融危機が続いていることから、世界的な協調体制の元、低金利での資金調達を日銀が続ける場合は別として、日本の企業はバフェット指数に当てはめると割高ということになります。
バフェットは更に投資を行う際に「マクロではなく企業の本質を見極めて投資する」とも述べました。
もし今後世界的な経済波乱が生じるならば、それは小さな企業が自分よりも大なる企業へ果敢に挑戦し、場合によっては下克上さえ起こせるチャンスの時かもしれません。
画像参照:
”Warren Buffett KU Visit” by Mark Hirschey – Work of Mark Hirschey.