ストック型ビジネスモデルへの転換でリピーターを確保しよう!

ストックビジネス

業種業態がどんなに違っても、ビジネスの世界で共通して言える重要な原則は、「顧客との取引を一回キリで終わらせず、リピートすること」になります。

新規で起業する場合や、資源の限られた中小企業が新規事業を始める際は、自社のやろうとしている事業がストック型ビジネスモデルとなっているかを意識することが重要です。

そこで、本稿ではストック型ビジネスモデルについて、以下解説します。

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どんなビジネスにも共通して重要なことはリピーター作り

業種業態がどんなに違っても、ビジネスの世界で共通して言える重要な原則とは何だと思いますか?

答えは、

顧客との取引を一回限りで終わらせずに、リピートさせること

です。

なぜ取引をリピートしたほうが良いか?理由は2つあります。

  1. 取引が継続すれば新規顧客の開拓コストが下がり、人員を効率的に配置できる
  2. 安定した取引を行えれば将来のキャッシュインフローが望めるため、継続的な投資が可能になる

企業はゴーイング・コンサーン(企業継続の公準)を大前提とするため、リピーターは非常に重要な存在となるのです。

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なぜストック型ビジネスがリピーターを生むのか

ビジネスには大きくわけて二種類のビジネスモデルがあります。

  1. フロー型ビジネスモデル
  2. ストック型ビジネスモデル

この二種類に分類することができます。

ストック型とフロー型モデルの定義

それぞれのモデルは次のような定義付けができます。

フロー型ビジネスモデルの定義

顧客との商取引が1 回で完了してしまい、次の収入を得るために新規顧客開拓が必要なビジネスモデル。

ストック型ビジネスモデルの定義

毎月継続して収入が上がるためリピーターが存在し、新しい顧客を取り込めば顧客が増えるビジネスモデル。

ストック型とフロー型の代表的なビジネスモデル

また、それぞれのビジネスモデルに当てはまる代表例は以下のとおりです。

フロー型ビジネスモデルの代表例

  • スマートフォン本体の販売
  • 不動産(土地/建物)の販売や仲介
  • HP制作
  • 車の販売
  • 司法書士事務所による会社設立登記

ストック型ビジネスモデルの代表例

  • Wi-Fi回線の一定期間契約
  • 不動産(土地/建物)の管理業務
  • HPの更新サポートや広告代行
  • 車のメンテナンス業
  • 税理士事務所の顧問契約

ストック型とフロー型モデルの比較

一般的に、フロー型ビジネスモデルは売上が大きく、一回の取引で得られる収入が大きくなります。これに対して、ストック型のビジネスモデルは、一回の取引で得られる収入が比較的小さくなります。

以上を踏まえ、読者の皆様は冒頭でお伝えした「リピーター」を得るためのビジネスモデルとして、フロー型とストック型のどちらを選択されますか?

確かに目先の大きな利益を得ることを考えた場合は、フロー型ビジネスモデルは非常に有利ですが、もしリピーターを得て安定した事業の継続性を望むのであれば、ストック型ビジネスモデルを選ぶのではないでしょうか。

フロー型ビジネスモデルは、確かに「業績が上り調子の時は非常に良いビジネスモデル」ですが、一旦売上が落ち込むと、回復させるのが非常に難しいのです。

さらにフロー型ビジネスモデルは、新規顧客を常に開拓しなければ売上はゼロのため、人員を増やさなければ売上が拡大しにくいです。

対してストック型ビジネスモデルは、継続的に料金をお支払いいただけるリピーターが存在するため、ベースとなる売上が予想しやすく、顧客の増加に合わせて必要最低限の人員を補給できます。また、客観的な売上予測が立てられるので、借り入れや出資を行う側に対しても合理的な説明がしやすくなります。

経営者にとって、イメージしやすいストック型ビジネスモデルの典型例は、税理士事務所や社会保険労務士事務所です。顧問契約の形態にもよるのですが、一般的に月額一定額を顧問料として支払います。毎月、顧問先から一定額の顧問料を受け取るビジネスモデルとなっています。

顧問契約解消というような例外的なことがなければ、長期にわたり安定的な売り上げが発生する最強のストック型ビジネスモデルの1つと言えます。

これから新規で起業する場合や、新規事業を立ち上げる際には、自社のやろうとしているビジネスがストック型ビジネスモデルとなっているかどうかを意識することが重要です。
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ストック型ビジネスモデルにも弱点はある

ここまで読み進めるとフロー型ビジネスモデルがまるで駄目なように感じる方がおられるかもしれません。

フロー型とストック型は二者択一ではない

しかし、フロー型ビジネスモデルを行っている企業でも、ストック型ビジネスモデルを併せて行うことは可能ですし、珍しいことでもありません。

例えば、

  • 携帯電話本体に加えてWi-Fi回線をセット販売する
  • 販売した不動産(土地/建物)の管理業務も並行して行う
  • HP制作会社が月々の更新サポートを行う
  • 車の販売に加えてメンテナンス業務も行う

といったケースです。

フロー型ビジネスをベースにストック型ビジネスも提供することで、より付加価値の高いビジネスモデルとなります。

ストック型ビジネスモデルの弱点

またストック型ビジネスモデルにも弱点はあります。

顧客が何らかの理由で御社のサービスに魅力を感じなくなった時に、他社がより良いサービスを供給していれば、顧客は一気に離れていく可能性が高いです。

例えばWi-Fi回線が安定的な収入を自社にもたらしていたにも関わらず、ライバルのWi-Fi回線を提供する会社が現れ、しかも自社より良いサービスを安い料金で提供しはじめたらどうなるでしょうか?

リピーター顧客の多くは契約年数の縛りが終わったら他社へ乗り換えるでしょうし、解約金のデメリットよりライバルの与えるメリットのほうが大きいと考えれば、すぐにリピートを終わらせてしまう可能性大です。

このようにストック型ビジネスモデルであっても、商品・サービスの品質は常に向上させ続けなければなりません。

たとえストック型ビジネスモデルを展開していたとしても、常に進化が必要な点はフロー型ビジネスモデルと何も変わらないことを念頭において下さい。

節約社長編集部追記 2019.9.12節約社長では、ストックビジネス関連の記事を今後積極的にUPしていく予定です。
ストックビジネスとフロービジネスの違いを意識することで、ビジネスがさらに加速するようなことがあれば幸いです。

ご覧いただきありがとうございました!

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ストックビジネスとは、時間が経てば経つほど、売上や収入が上がっていく仕組みです。現状のビジネスの中で、ストックビジネス化ができないかということを考えていただきたいと思います。
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