ソフトバンク上場 子会社が上場することで発生するメリット・デメリット

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「ソフトバンクHD」の子会社「ソフトバンク」が上場

このところ100億円キャッシュバックキャンペーンや大規模通信障害で話題のソフトバンクですが、携帯電話事業を行っているソフトバンク株式会社(以下SB社)は、実はソフトバンクグループ株式会社(以下SBG社)という会社の100%子会社で、孫正義さんはソフトバンクグループ株式会社の社長にあたります。

このSBG社というのは純粋持ち株会社で、持ち株会社のトップである孫さんは全ての関連会社のトップの地位に当たるということができます。

SBG社は以前より東証1部に上場していますが、子会社のSB社も12/19(水)に東証1部に上場しました。親子上場は欧米ではほとんど見られない手法ですが、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?

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子会社が上場することで親会社に発生するメリット

親会社の最大のメリットは何といっても資金調達です。上場するためには親会社の持ち株比率を65%未満にする必要があります。

そうすると今回SBG社は3割以上の株式を売却することになり、2兆円を超える資金を得るとも言われています。

もともと孫社長はM&Aを駆使し様々な会社を傘下に収めることで一大グループを形成してきました。

その反動で買収資金調達のための有利子負債が巨額に上っており、それがアキレス腱とも指摘されていましたので、今回の子会社上場は借入に代わる新たな資金調達方法として考えられたものでしょう。

子会社側としても資金調達やしやすくなる、自社の企業価値が客観的にわかる、外部株主が入ることで経営の独立性、チェック機能が増すといったメリットがあります。

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子会社が上場することで親会社に発生するデメリット

一方デメリットのほうも無視できません。親会社は持ち株比率が下がることで子会社に対する支配権が弱まることになります。

議決権の1/3超を第三者に保有されることで、会社に関する重要事項の決定(特別決議事項)が、自身が賛成にもかかわらず他の反対で否決されてしまう恐れがあります。

また、売却を続け持ち株比率がさらに下がっていけば、役員の選任が通らなくなったり、買収を仕掛けられる恐れも出てきます。

更に、子会社は上場することにより飛躍的に増大した管理コストの負担を強いられます。

コストというのは金銭的だけではなく人的・時間的など広い意味のもので、実際、上場準備を始めた会社があまりに負担が大きくなり、上場を取りやめたという例もあります。

親会社と少数株主との利益相反という問題もあります。完全な支配関係は無くなったとはいえ、親会社は大株主であることには変わりありません。

強い支配権が続くため親会社に有利な取引を強要したり、子会社の資金を吸い上げようとしたり、再び非上場化して支配権の維持を図ったり、他の株主の利益を毀損させて親会社自身の利益を確保しようとする行為を取られる恐れがあります。

Photo credit: nobihaya on Foter.com / CC BY

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