マイクロM&Aの現実!サラリーマンは300万円で会社を買うべき?
今年の春に出版され、ベストセラーとなった「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい 人生100年時代の個人M&A入門」という本をご存知でしょうか?
この本が出版されて以来、M&Aアドバイザーである私共の元にも、沢山のお問い合わせが舞い込んでおります。
しかし、実際にM&Aを実施した方の多くが失敗しているのも現実です。
これを防ぐために、私共のようなアドバイザーがいるわけですが、報酬の問題が枷(かせ)となることも多く、更に、そもそもマイクロM&Aをこなせるアドバイザーがあまりいないことも、マイクロM&Aでアドバイザーをうまくつかこなせない理由の1つになっています。
そこで本稿では、どうすればマイクロM&Aを成功に導くことができるのか、現場の経験を踏まえてお伝えしようと思います。
サラリーマンのマイクロM&A成功のポイントは「完璧を求めない」
たとえば、マイクロM&Aを実施する際は、買収しようとする相手先の財務情報が十分に整備されていない、契約書が整備されていない、などの出来事が日常茶飯時で起こります。
それに対して、だったらやらない、と相手を突っぱねるのでは、マイクロM&Aはできません。
そうすればDD(デュー・ディリジェンス)も効果的に実践できます。具体的にどうすればよいのか、どうやってP/Lを作ればよいのかは、先人から学べば良いのです。
この経験は、知っているか知らないか、一度やったことがあるないかだけの差ですので、やる気があって正しい知識があり、不安になったときに相談できる人がいれば万全です。
専門家と相談すればなおよい形で進めることができるでしょう。
マイクロM&A成立後は、事業に着手し成功させる覚悟が必要
更に、実際に買い取った後で重要なのは、「自分で事業に着手すること」です。
300万円程度で買える会社は、大抵が傷んでいます。何か大きな問題を抱えています。
現オーナーがこれらの問題を解決することができないから、会社を売りに出すのです。
例えば、かつて5人いたスタッフが2人なってしまい、赤字垂れ流しになっている。5人に戻せば利益は出るが、人材難で十分な雇用を確保することができず、もう無理、誰か引き取ってくれる人がいないか、という状態はよくある話です。
できるならすぐに300万円で会社を買っても良いでしょう。
会社を買ったら、大至急、店に入り、集客、リクルートの方法の見直しに着手し、また残った貴重なスタッフのケアを実行し、優秀な人材の採用も始めるべきでしょう。
当たり前の話ですが、本当に人さえ採用できれば利益が出るのか、過去の実績の確認、環境変化を踏まえながら検討する必要もあるでしょう。
スタッフを確保した後に、「人材難で赤字」という事態を繰り返さないために、人事制度の革新、スタッフとのコミュニケーションを風通しの良いものとすることについても、しっかり成果を出さねばなりません。
厳しいでしょうか?でも、これが経営者となる、会社を買う人の覚悟です。
これらがきっちりできるのあれば、買い手の職業も関係ありません。メリットも大きいはずです。
私共アルテパートナーズでも、このような事態を踏まえ、マイクロM&Aのための講座、受講後のフォロー体制を構築をしているところです。