「M&Aで事業売却をしたいが、通常のM&A仲介業者だと着資金・成約手数料がかかるのであまり利用したくない。どこか良いM&Aサービスはないだろうか?」
このような悩みを抱えている経営者の方、少なくないかと思います。通常のM&A仲介サービスの場合だと、着手金・成約手数料がかかり、売却して得た資金が目減りしてしまいます。
そこで紹介したいM&Aサービスが「M&Aクラウド」です。M&Aクラウドは、買い手と売り手が直接交渉できるマッチングプラットフォームで、売り手側の手数料は「完全無料」になっています。
本記事では、M&Aクラウドの概要やメリット、評判、利用の流れなどを詳細に解説していきます。M&Aクラウドについて理解を深め、M&Aサービス選びの参考としてください。
M&Aクラウドとは
M&Aクラウドは、M&A業界初となる「募集型M&Aプラットフォーム」です。募集型M&Aプラットフォームとは、買い手企業がM&Aや出資のニーズをオンライン上で公開して、買収先・出資先を募集するクラウドサービスになります。
2018年5月にリリースされたばかりのサービスですが、開始から3ヵ月で9.2億円分の成約が実現しています。M&A仲介業の中で、勢いのあるサービスといって良いでしょう。
M&Aクラウドの運営会社は、「株式会社M&Aクラウド」です。以下、会社概要になります。
- 社名 株式会社M&Aクラウド
- 設立 2015年12月7日
- 事業内容 M&Aプラットフォーム運営、M&Aアドバイザリー事業
- 資本金 3億1,373万円
- 代表取締役CEO 及川厚博
- 代表取締役COO 前川拓也
- 所在地 東京都中央区八丁堀4-9-13ニチレックビル6F
- 電話番号 03-6431-8460
- 主要取引銀行 みずほ銀行
株式会社M&Aクラウドは、CEOである及川氏とCOOの前川氏が共同で立ち上げました。
及川氏は、2011年大学在学中に貿易ビジネスの会社を起業します。別の事業に集中するため、2015年に事業を売却しますが、その際に買い手探しや売却価格の算定に苦労し、M&A業界のアナログなシステムに疑問を持ちました。
M&Aをよりオープンに、効率的に行うことを目指して、M&Aクラウドを設立します。
前川氏は、農畜海産物を飲食店に届けるeコマース事業を2014年に立ち上げます。2年後に事業を売却しますが、納得のいく売却を行えず、M&Aに対する不快感が生まれました。この不快感を解決するべく、M&Aクラウド設立に参画します。
代表取締役の2人が、共に日本のM&A業界の閉鎖性に疑問を呈しており、この考えがM&Aクラウドのオープンなサービスに繋がっているといえるでしょう。
M&Aクラウドと他のM&A仲介業者との違い
通常のM&A仲介業者の場合、買い手企業と売り手企業の間に仲介業者が入って交渉が行われます。そのため、交渉自体がスムーズに進まないケースがあります。
また、仲介業者がM&Aに関する情報を管理することになり、買い手と売り手の間で情報格差が生まれることもしばしばです。
他のマッチングプラットフォームでも、仲介業者が案件を登録しているケースが多いため、結局仲介業者を挟んだ交渉になりがちです。
M&Aクラウドであれば、買い手企業と売り手企業が直接交渉できるため、効率よく交渉を進めることができます。仲介業者に情報を管理されることもなく、互いにフェアな状態で情報共有することが可能です。
M&Aクラウドのメリット・デメリット
M&Aクラウドには、他のM&A仲介サービスにはないメリットがあります。「M&A業界に革命を起こす」というスローガンのもとで運営されていることもあり、これまでのM&A仲介業の常識を覆すような強みを持っています。
一方で、M&Aクラウドが抱えるデメリットも少なからずあります。M&Aクラウドにどのようなメリット・デメリットがあるのか、詳細を見ていきましょう。
M&Aクラウドのメリット
M&Aクラウドのメリットとして、下記の点が挙げられます。
- M&A・出資ニーズを知ることができる
- 買い手企業と直接取引ができる
- 売り手企業は「完全無料」で利用できる
M&A・出資ニーズを知ることができる
前述した通り、M&Aクラウドでは買い手側のM&A・出資ニーズを知ることができます。通常のM&A仲介サービスの場合だと、買い手側のニーズは仲介会社経由で知ります。そのため、買い手側の詳細なニーズを把握できないこともあり、交渉が滞ってしまうこともしばしばです。
M&Aクラウドであれば、選定の段階から買い手のニーズが把握できるので、その後の交渉をスムーズに進めやすいです。
買い手企業と直接取引ができる
M&Aクラウドでは買い手企業と直接取引が行えます。仲介業者が間に入らないため、情報が途中で操作される心配がありません。交渉に関しても、双方の担当者が直接行えます。
完全成功報酬制のM&A仲介業者の中には、成功報酬を獲得するために半ば強引に成約までもっていく業者もあります。売手が買いたたかれてしまうケースも見られます。M&Aクラウドであれば企業間で直接取引を行うので、仲介業者に交渉を干渉されることもありません。
売り手企業は「完全無料」で利用できる
売り手企業は、M&Aクラウドを「完全無料」で利用できます。通常のM&A仲介サービスで発生するような着手金や成約手数料は一切かかりません。
M&Aクラウドでは、買い手企業が自社のM&A広告を出して応募を募る形式で、買い手側が広告掲載料を支払います。また、成約手数料に関しても買い手企業の負担となっています。
買い手企業が手数料を支払う分、売り手企業が無料で利用できる形です。売り手側は費用面を心配せずに売却を行えます。
M&Aクラウドのデメリット
M&Aクラウドのデメリットとして、下記の点が挙げられます。
- 交渉をすべて自力で行わなければならない
- 買い手側には手数料がかかる
交渉をすべて自力で行わなければならない
M&Aクラウドでは、交渉はすべで企業間で行われます。直接交渉に長けた企業であれば問題ありませんが、M&Aの交渉に不慣れな企業だと思ったように交渉を進められない恐れがあります。結果的に、買い手有利の条件で成約してしまうこともしばしばです。
交渉に自信がない場合は、交渉前の段階でM&Aクラウドのアドバイザーに相談することをおすすめします。M&Aクラウドでは専門のアドバイザーが各種相談に乗ってくれるので、交渉前の注意点やポイントを確認しておきましょう。
また、M&Aクラウドとアドバイザリー契約を結んで、交渉のサポートを行ってもらうのも選択肢の1つです(アドバイザリー契約の場合は、売り手企業の場合でも別途料金がかかります)。
買い手側には手数料がかかる
売り手企業はM&Aクラウドを完全無料で利用できますが、買い手企業は各種手数料を支払う必要があります。具体的な手数料の金額については後ほど詳しく説明しますが、買い手側は通常のM&A仲介業者と同様の成約手数料がかかると考えてください。
M&Aクラウドの利用料金・手数料
M&Aクラウドの利用に関して、売り手側は基本的に「完全無料」で利用できます。ただし、オプションの追加などで料金が発生することもあるので、把握しておかなければなりません。買い手側は完全無料でなく、利用料金・手数料がかかってきます。
売り手側・買い手側でそれぞれどれくらい利用料金・手数料がかかってくるか確認していきましょう。
売り手側の利用料金・手数料
売り手側の場合、M&Aクラウドを使って買い手企業と交渉したり、実際にM&Aを成約しても料金・手数料はかかりません。M&Aプラットフォームとしての利用は完全無料です。
ただし、下記のオプションを利用した場合は別途料金が発生します。
- 交渉の立ち合い
- 資料作成
上記のオプションはM&Aクラウドと「アドバイザリー契約」を結ぶことで利用できます。アドバイザリー契約を結んだ場合は、通常のM&A仲介業者と同様にM&Aクラウドが交渉を仲介してくれます。
オプション料金、アドバイザリー料金については公式ホームページに記載がないため、別途問い合わせが必要です。
通常のM&A仲介業者であれば、譲渡価格の3%~5%ほどをアドバイザリー料としている傾向があるので、M&Aクラウドも同等の料金がかかってくると見て良いでしょう。
買い手側の利用料金・手数料
買い手側の企業には、広告掲載料と成約手数料がかかってきます。広告掲載料についてはM&Aクラウドに要問い合わせですが、成約手数料に関しては下記の通り利用規約に記載されています。
譲渡価格 | 手数料率 |
---|---|
2,000万円以下 | 10% |
2,000万円超~5億円以下 | 5% |
5億円超~10億円以下 | 4% |
10億円超~50億円以下 | 3% |
50億円超~100億円以下 | 2% |
100億円超 | 1% |
上記の手数料率は「レーマン方式」と呼ばれる基準で算定されています。他のM&A仲介業者も採用している方式です。
M&Aクラウドの評判・口コミ
M&Aでは秘密保持契約が結ばれることもあり、M&Aサービスに関する評判・口コミはネット上ではほとんど公開されていません(掲載しているM&Aサービス紹介サイトもありますが、大半は引用元を明示しておらず、信憑性に欠けます)。
M&Aクラウドの公式ホームページにて、実際に成約を果たした企業のインタビューが掲載されておりますので、その中からM&Aクラウドの評価を抜粋して紹介していきます。
「M&Aの際、他のM&A会社とも話をしてみたが、M&Aクラウドがコミュニケーションの面で一番スムーズに感じた。オフラインでもフットワークよく動いてくれる。様々な情報をもらえるので、コミュニケーションの頻度も自然と増えていった。」
(参照URL:https://macloud.jp/interviews/24)
「M&Aクラウドに売り手登録した後、すぐに事務局からフォローアップの電話があり、打診先の候補も勧めてくれて、レスポンスがすごく早いという印象をもった。サービス画面が見やすく、使いやすいのもよかった。」
(参照URL:https://macloud.jp/interviews/22)
「M&Aクラウドでは先方の社名やデータベースだけではなく、具体的なビジョンやニーズまで自由に閲覧することができる。先方会社についてある程度の情報を得た上でアプローチできる仕組みはとても良いと思った。」
(参照URL:https://macloud.jp/interviews/21)
「M&Aクラウドには仲介会社ではなく売り手企業が直接登録しているので、ダイレクトに交渉できるところが良いと思っている。仲介会社が入ると、売り手企業に会えるまでに1~2ヵ月くらうかかってしまうこともあるが、M&Aクラウドであればすぐに売り手企業に会うことができる。」
(参照URL:https://macloud.jp/interviews/19)
M&Aクラウドを利用する流れ
M&Aクラウドを利用する流れは、買い手側と売り手側で少々異なってきます。また、通常のM&A仲介会社を利用する際の流れとも異なってくるので、M&Aクラウドを利用する前に把握しておくと後々困らずに済みます。
買い手側と売り手側の流れを分けて、それぞれ確認していきましょう。
買い手側の流れ
- M&Aクラウドに登録する(必要であれば、事前に資料を請求して確認する)
- M&Aクラウドから、M&A広告用の取材を受ける
- 取材した内容をもとに、買い手の情報を掲載する
- 連絡を受けた売り手企業と交渉を開始する
M&Aクラウドに登録した後、M&Aクラウドの担当者からM&A広告用の取材を受けます。取材では企業情報や買い手として登録した経緯、将来に向けたビジョンなど、詳細な情報を質問されます。あえて取材という形で情報を集めている点が特徴的ですね。
取材された内容をもとに買い手情報が掲載されます。その後、売り手からのアプローチを待つという形になります。
売り手側の流れ
- M&Aクラウドに登録する
- 買い手企業を選定して、直接交渉を打診する
- 交渉に不安がある場合は、アドバイザリー契約を結ぶ
- 連絡があった買い手と直接交渉を始める
売り手企業は、M&Aクラウドに登録された買い手企業の情報を確認して、候補を選定していきます。売り手側から買い手側にアプローチできるので、スピーディーなM&Aを実現することが可能です。
M&A交渉に不安がある場合は、M&Aクラウドとアドバイザリー契約を結びます。アドバイザリー契約は必須ではないので、特段契約を結ばずに交渉へ進むことも可能です。
M&Aクラウドを利用して、M&Aを成功させよう
M&Aクラウドは、買い手企業と売り手企業が直接取引をしてM&Aを実現できるマッチングプラットフォームです。仲介業者が間に入らないため、情報をフェアに共有して交渉を行えます。
売り手企業は完全無料で利用可能です。着手金や成約手数料などは一切かかりません。費用面を心配せずにM&Aに臨めるので、スタートアップの企業でも無理なく利用できます。効率よく、スピーディーにM&Aを進めたい場合は、M&Aクラウドを利用してみてください。