今年も地方統一選挙が始まった。3月26日に告示された10道県知事選をはじめ、全国約980の議席を争う選挙が4月12日、26日を開票日として開催される。政治のミニマムは地方であるといわれるとおり、統一地方選挙には民主主義を実現するための大きな意義がある。住んでいる町の未来を真剣に考え、今週末からはじまる選挙投票へ是非足を運ぼう。
今年の地方統一選挙は約980議席の争奪戦
今年も地方統一選挙が始まった。
選挙カーや街頭演説、朝の駅前でのあいさつ活動、空き店舗だった場所が、いつの間にか選挙事務所になっていたり、毎日の生活で変化を感じている読者の方々も多いだろう。
対象となるものは、3月26日に告示された10道県知事選をはじめ、続々と告示される全国約980の選挙である。いずれも4月12日、26日に投開票が行われる予定だ。
地方統一選挙が行われる意義をおさらい
ここで地方統一選挙が行われる意義をおさらいしよう。
地方統一選挙とは、地方自治体の知事や市長、県議会や市議会の選出者を選ぶ選挙である。
4年に1度行われることが決定していて、必然的に各知事や県議などの任期は4年となる。各地でバラバラと選挙が行われると、全国的に選挙が林立することになり当然経費もかさむ。
全国で一斉開催を行うことで経費を削減するとともに、より選挙や政治への強い関心を得るために統一した期間で開催されるというわけだ。
一方で、自民党優勢、民主党の議席、などの言葉が行き交う衆議院選挙や参議院選挙は、国会で国の政治を行う代表者を選ぶ選挙で、その中でさらに小さな選挙が行われ、国政を決定する内閣の議員が決定する。
国の政治に対して、我々有権者は直接判断を下すことはできず、選挙で選ばれた代表者が国の代表を決める、という流れになる。
しかし統一地方選挙で選ぶのは、地方における総理大臣である、県知事や市長であり、身近な代表を有権者の総意で決めることができる有意義な選挙なのだ。
例えば沖縄県でいえば、辺野古基地への移設を賛成する候補者と反対する候補者が立候補した場合、選挙によって民意で決定する、という身近な問題解決を伴う場合が多いのが特徴である。
国政選挙も大切だが、政治のミニマムは地方であるといわれるとおり、統一地方選挙には民主主義を実現するための大きな意義がある。
約半数の自治体は25年後に消滅する可能性も
今年の選挙の見どころは、やはり昨年末に就任した岡田克也代表率いる民主党の動きとして、各地で自民VS民主が繰り広げられる点だろう。
とはいえ、候補者擁立に苦戦した地域があったり、政党対決の側面が薄くなったことも関係し、各党代表による華やかな街頭演説合戦は行われないようだ。
日本の人口はジリ貧どころではなく、確実に減少の一途をたどっている。約半数の自治体が約25年後に「消滅」の可能性があるとのこと。
消えゆく地方都市で行われる地方選挙は、今日明日の地方政治を担い、この人口減少にどう歯止めをかけるか考える代表者を決める選挙ともいえる。
有権者にとって大切なことは、地方都市の近い将来を見据えることができる、実力のある候補者を選ぶこと。
住んでいる町の未来を真剣に考え大切に出来なければ、国の政治を想うことなどできない。
今週末からはじまる選挙投票へ是非足を運ぼう。