【ざまーみろ!お前を道連れだ!】仕返しするのはなぜ快感なのか?

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ざまーみろ!仕返しをすると気持ちがいいのはなぜ?

どうも皆さんこんにちは。脳科学教育コンサルタントのクロスです。

今回お話をするテーマは、『ざまーみろ!仕返しをすると気持ちがいいのはなぜ?』です。

仕返しをする、あるいは何か報復行動を取られた経験、大なり小なり皆さんもあると思います。

義理?仇討ち?爽快感のため?

なぜ、人間は仕返しをするのでしょうか?脳科学の観点から説明したいと思います。

まず最初に、興味深い実験結果を紹介しますね。

その内容は、『二人の人間にお金を山分けさせる際に、相手に分けるお金がいくらよりも下だったら相手は不満を感じるのか?もしくは怒りを感じるのか?』というものです。

結果、大まかなラインが見えています。

そのラインとは、『30%以下』しかお金が山分けされなかったとしたら、人は報復に走るというものです。

例えば、あなたがAさんだったとして、『100ドルをBさんと分けてください。分けるのはあなた(Aさん)です。Bさんに好きなだけあげてください』と言われて、お金をもらったとします。

もしあなたがが100ドルを半々ではなく、7・3に分けて「Bさん、お前には30ドルあげるよ。」ってBさんに30ドル与えるとしますよね?

すると、Bさんは「流石にもうちょっとイラッとくる」という状況が起こったんです。

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人は一定の水準から合理的な選択より報復を選択する

ちなみに、この実験では、ある特殊なルールが設定されました。

どんなルールかというと、山分けされた金額が気に食わなければ、自分がもらったお金を全て犠牲にする代わりに、相手のお金もゼロに出来るというルールです。

先程の例であれば、もしAさんが100ドルを持っていて、それをBさんに山分けした時に、「はい、お前10ドルな」と言って、10ドルしかくれなかったとしますよね。

Bさんが分前(わけまえ)の10ドルを捨てると、Aさんが持っている90ドルも失わせることが出来るわけです。

自分が最大限のお金をもらえる合理的な選択をするなら、本来であれば『報復しない』っていうのが最高の選択肢なんですよ。

例えば、仮にAさんが90ドル持っていて、残り10ドルをBさんがもらったとしますよね?

Bさんにとっては、その10ドルを渋々もらうっていうのが一番合理的な判断なはずなんですよね。

「じゃあ、BさんがAさんを道連れにする分前のラインはどこなの?」というと、おおよそ分前が30%を下回ると、自分のお金を無しにしてでも、相手のお金も無しにして、道連れにしたいという欲求が勝ったんですね。

たとえばの話、派遣の警備員を思い浮かべてみましょう。

派遣社員を頼んだ会社が派遣会社に支払うお金が100%だとすると、派遣会社は警備員さんにそのうち70%くらいのお金を分前として渡します。

残り3割は派遣会社が取るわけですよね。ただ、警備員は7割もらってるから、もう満足するわけですよね。

もし1万円稼いだとしたら、7,000円は手に入るわけですから、「全く問題ない」と「コレでいいよ」と思ってるんです。

でも、もしその警備員が3,000円しかもらえなかったらどうでしょう?

1万円のうち3,000円しかもらえないわけで、「どういうこっちゃ!おい!」ってなるわけですよね。

報復として、派遣会社を予告なしにやめちゃいます。「俺を搾取した派遣会社の奴らを痛い目に合わせてやる!」と言って、いきなりぶっちするんですね。

合理的な判断をすれば、渋々受け取ってやめりゃ良いんですが、そうはならないことは容易に予想がつきますよね。

ここからわかるのは、人間が合理的な生き物ではないということです。

「とにかくもらえるものはもらっとけ」と、そういう合理的な判断をすりゃあいいのに、実験でもほとんどの人はそうしなかったんですよ。

ただし、「一部の人を除いて」です。

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オキシトシンが出ている人は報復措置を取らなかった

一部の人を除いてってどんな人?

実は一部の人は、ホルモンが特殊な状態にあったので、報復措置を取らなかったことも実験結果として出ています。

オキシトシンという物質があるんですが、これは相手との信頼関係や絆を深めるであったり、あるいは子育てに関係のある、とにかく愛情ホルモンくらいに思っておいてください。

このオキシトシンの量を注射でブツっと増やす、あるいは鼻からシュッシュッシュッとやると、分前が30%以下であったとしても、文句言わずにもらうっていうようなケースが非常に増えたんです。

一方でオキシトシンを受け取ることなく、増やすことなく普通の状態で30%以下だったら「道連れにする」となったんですね。

道連れにしてる人の脳の活動やホルモンを調べていると、ドーパミンが出ているということもわかっています。

たとえば、お金をもらったらドーパミンは出ます。

男の人の場合、綺麗な女の人を見てもドーパミンが出ます。美味しいものを食べた時もドーパミンはドッカーンと出ます。

コーヒーを飲むとシャキーンとしてドーパミンが出ます。パチンコで大当たりをするとグワッとドーパミンが出ます。

実は、これらと同じように、分前が30%以下の時も、「このやろう!道連れにしてやる!」っていう気持ちになって、ドーパミンが出ます。

「たったこれっぽっちのお金よこしやがって!それだったらいっそのこと…」っていうことでお金をもらった喜びよりも、仕返しをする喜びのほうが勝っちゃったっていうことですね。

つまり、このギリギリのラインが30%だったんです。

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仲の良い夫婦もお互いにオキシトシンが多く出ている

夫婦仲に、ちょっと話を飛ばしますが、夫婦っていうのは基本的にオキシトシンが多ければ多いほど、非常に良好な関係を結びます。

旦那も浮気しにくくなります。

逆に、オキシトシンが足りていないとそのバランスで、テストステロンっていうのが出ます。これは男性ホルモンです。

男性ホルモンが出るんで、浮気性になったり、攻撃的になったりっていうようなのが増えてきます。

となると、もし夫婦仲が悪いとオキシトシンがそんなに出てない可能性があるんですね。

オキシトシンが足りないということは、尚更、道連れ的な感情のほうが強くなっちゃうんだけど、オキシトシンが高ければ道連れ感情っていうのはかなり抑えられます。

その代わり、オキシトシンが少ないと道連れ感情は大きくなるので、夫婦仲が悪くなればなるほど、お互いをけなし合ったり、お互いを道連れにするような、お互いが損になるような行動をします。

自分も損するけど、相手に大きなダメージを与えられるから「こうしてやれ!」「ああしてやれ!」っていうような感情が芽生えたり、行動が増えます。

たとえば、離婚問題がドロ沼化すると、自分も不幸になりますけれど、相手のほうがもっと不幸が大きいと感じれば、その喜びのほうが勝っちゃいます。

ただ、合理的に考えるとどちらも損するわけで、お互い良くなろうと思ったら、「夫婦仲はなるべく仲が良いほうがいいよね」ということなんですよね。

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報復を受けたくなかったら相手にまず与えること

先程の実験に話を戻して、AさんがBさんに十分なお金を分前として与えたとしますよね。

すると、その時はオキシトシンとドーパミンの両方が出ていたんですね。つまり、いい感じの精神バランスだったと。

30%以下の場合だと、オキシトシンではなくドーパミン、ストレス物質が出てるんですよ 。

例えばノルアドレナリンであったり、コルチゾールであったり、そういうストレス物質が出て、カーっとなって、そして相手を攻撃してやろうっていう気持ちが強まって、そしてドーパミンもついでに出ていたんですよね。

仕返ししたら、それはそれでまたドーパミンが出てしまうと。

となると、良好な関係を結びたいんだったら、何か山分けする時は少なくても『30%以上にしようね』っていうことです。

今よりも良好な関係を結びたいんだったら、相手に6〜7割は渡したほうがいいんじゃない?ということにもなります。

人間って、つくづく合理的じゃないので、結論としては、まずは相手に与えるってとても大事なこと。そう言って良いんじゃないでしょうか。

 

Photo credit: achrntatrps on VisualHunt.com / CC BY-NC-SA

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Jamahl Cross

Jamahl Cross

Founder & Co-Director
一般社団法人脳科学幼児教育研究協会 理事

​認知神経科学、脳リハビリ、発達精神病理学、進化心理学、発達障碍改善、認知行動療法など様々な分野を学び、実践を通じて統合する。独自の方法論に基づいた脳機能向上方法を編み出す。

企業脳科学、行動経済学、認知心理学によって解き明かされた非常識な企業成長法を提供。伸び悩んでいる企業を『平均利益率756倍の企業文化』へと変え、パフォーマンスを高めるなど数々の実績を持つ。

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