フリーランスのギャラを上げるのは本当に大変
今日は、「ギャラの交渉は大変だよね〜。」という話をします。
フリーランスの方なんか特に大変ですよね。
会社を飛び出して、だいたいは何かしらの下請けを受けたりとか、そういうフリーランスの方って結構いらっしゃるじゃないですか。
今は、クラウドワークスとかランサーズとかそういう所に登録をして仕事がもらえたりもするんですけれど、ど〜してもですね、やっぱりギャラとしては少ないんですね。
かと言って、ギャラを上げていくっていう方法を教えてくれる人もなかなかいないので、私を例にお話しさせてもらおうと思います。
資格学校の講師ギャラは1コマ8千円スタート
私は昔、資格持ちなら誰でも出来るという簿記の先生をやっていまして、これギャランティーなんですよ。
新人で初めて教壇に立つっていう時でだいたい2.5時間くらい(正確には2時間40分で休み時間が10分)で、1講義あたり8千円くらいのギャラで始まるんですね。
講師の世界というのは経理側から見ると、粗利益の30%はどこの学校へ行ってもだいたい貰えます。
ですから、人気講師になったりすると、おのずと契約金額も上がっていくんです。
ところが私は20代の後半で講師をクビになります。ちょうどギャランティーが倍の1万5千円くらいのときでした。
「タナカ、お前を雇うギャラで新人のイケメン講師を2人雇えんだぞ」って、上司が変わった途端、急に言われたんですよ。
まぁ、その上司は不人気講師だったんですけどね(笑)。
それで、やむなく講師をクビになりまして、その後に本当に思ったことは、「みんなが出来る事は、やっぱダメだな」って。
代わりがいくらでも効きますから、そりゃそうだよな。という話です。
知名度が上がると1時間半で10万円のギャラ
今は中小企業の社長さん向けのセミナーをやらせてもらっています。
特に1番面白かったのは銀行さんです。
それから会社さんに直接行って、その会社の新人さんと社長さんと一緒に研修・勉強会をやるみたいなところがあります。
それくらいの事をやると、だいたい2時間話さない…1時間半くらいで10万円くらいのギャラは頂けます。
これは「誰もができる仕事じゃないから」だけなんですよ。
そして、もう少し言うと、この中小企業の社長向けのセミナーとかになると、ある程度の知名度が必要になるんです。
だいたい”紙の本”…「本」を出していることがひとつの基準と、今はされている感じです。
特に地方から呼ばれる場合はそういうことが多いです。私の場合は、YouTubeのおかげで銀行さんからも普通に呼ばれるようになったんですね。
その時に、自分がいつも周りのフリーランスの方を見ていて思うんですけれど、結局「無名」である以上、料金的にもギャランティー的にも買い叩かれるし、そして、私みたいに自分が”無名だったから” 簡単にクビをすえ代えられたっていうこともあります。
早く有名になって取引先を増やして20分散する
私どものお客様でも無名時代にファンを増やして行って、そのファンのおかげで今だと飯を食っている人たちが沢山いらっしゃいます。
その時に「自分たちが無名で良かった」なんて、やっぱり思えないですよ。
無名時代にも、きちんと自分が有名になっていかなかったら、本当に生き残っていけないです。
そして、フリーランスの人っていうのは、だいたい昔の知り合いとかから仕事をもらっているっていう、下請けみたいな仕事が結構多いんです。
その時に、フリーランスの方がどこを見て仕事をしているかっていうと、狭い世界で生きてきた人たちが多いので、その同業者に「恥ずかしい仕事をしている」って思われたくないので、同業者を見ながら仕事しちゃうんです。
これが1番イカンところだと思うし、いつまで経っても収入が上がらない。
特に、フリーランスって40歳過ぎくらいにピークが来ます。
ところがそのあとになってくると、仕事を発注してくれていた担当者が部署変えとかになっちゃったりして、仕事は次の世代の若い人たちの方にどんどん行くようになっちゃうんです。
ですから、そう考えていくと、同業者を見ていて仕事をしてたんじゃ、やっぱりイカンと。
やっぱりきちんと「お客様」の方を見て仕事をして、そして1件1件新規の取引先を増やして20分散(ぶんさん)しておかないと。
フリーランスでも取引先を20分散しているところは、本当に生き残っています。
カメラマンの方とかも「うち、取引先だけはい〜っぱいありますから」なんて言ってね(笑)。
そんな感じで生き残っているわけです。
同業者と違うことをやるのは「恥」ではない
あとは、「恥」の話。
同業者の方に恥ずかしい思いをしてしまうような、要するに自分の仕事が同業者のレベルからすると”低い”かもしれない。
だけれど、お客様には喜ばれると。そういうことをすると同業者からは悪く言われるんですね。
「アイツは客ウケが良いだけであって、能力は大したことないわー」
そんなふうに言われることもあるし、自分でも”恥ずかしい”と思うかもしれない、仕事の”でき”としてはね。
やっぱり、お客様の方を向いて仕事をすると、どうしてもクリエイティブな部分としては下がることもあるかもしれない。
でも、お客様はそれを喜んでくれている。それは「お客様が希望しているものを納品している」からです。
自分が”恥ずかしい”と思っても、恥っていくらかいてもお金は減らないです。むしろ、お金は増えるばっかりですね(笑)。
まず最初に「期日」と「ギャラ」の話をしよう
そんな感じで仕事をしていくとギャランティーも上がっていくし、より 多くの取引先と付き合うことが出来る。
それも仕事のやり方としては、まず最初に「期日」と「ギャラ」の話がちゃんと出来ないとダメです。
というのも、ギャラの話を出来ずにズルズル行く人たちっていうのは、「どうしてお金の話をしないの?」って、逆に周りからすると不思議なんですね。
でも、「昔は世話になったから〜」とか言う。
そして、いつも言うのが、最初にお金の話が無いと、どんどん「打ち合わせ」と称して無駄な仕事やらされたりするんですよ。
「これ…打ち合わせなの…??」っていう、よく分かんない無駄な時間ばっかり使います。
「業界の常識」を語る業界人の逆をやればOK
そして、コンペ方式の業界の方が特におっしゃるんですけれど、「いや、うちらはこうやってやってきたし、コンペに勝たないと仕事が取れないから」って。
でも、それって「業界の常識」なんです。
あと、打ち合わせについてもそうですね。「打ち合わせを密にしないと仕事が取れないんで」って皆さんおっしゃいます。
それは我々の年代に近い人が言うんですね。”仕事のやり方を変えられない人”です。
ところが世の中っていうのは、どんどん若い人たちが出て来てます。
私は平成になる1年前の昭和63年から社会人として働き始めましたけれども、今や平成生まれの人たちが山ほど仕事しているわけですよ。
この平成生まれの人たちっていうのは、我々が思っている「業界の常識」なんて本当クソくらえって思ってる。
そういう人たちがたくさんいますよ。
そのくらい世の中の若い人たちには我々の常識なんて通用しないし、我々が知っている業界の常識なんて知らない人だから、「なんであなた達、こんな古いことやってんの?」って。
「未だにFAXにこだわるけど、FAXってそんなに大事?」みたいなね(笑)。
そんな常識クソくらえな人たちと付き合えば良いだけなの。
つまり、自分たちが業界の常識にどっぷり浸かっているから、無駄な仕事・無駄な時間をとられて、安いギャラで買い叩かれて…って。
こういうことも考えながら、仕事のやり方、そして仕事をどうやって新しい人たちから取って行くのか、とか。
そっちの方に切り替えて行くと、フリーランスもギャランティーに関しては結構上がっていくと思います。