春の歓送迎会シーズン〜飲食店にとってドタキャンは大きな痛手
飲食店経営者にとって、春の歓送迎会シーズンは稼ぎどころ。
電話はもちろん、インターネットのシステムからも、どんどん予約が舞い込んでいるのではないでしょうか?
ただ、客もいろいろ。ルールを無視してドタキャンする輩もいます。
特に歓送迎会などの団体予約が増えるシーズンにおいて、当日直前のドタキャンや連絡のないノーショウ(無断キャンセル)は、店舗経営の存続に関わる事態も招きかねない大きな問題です。
ドタキャンされれば飲食店の売上は減少し、食材費と人件費の支出は利益を圧迫。往復ビンタもいいところです。
ドタキャンを食らった空席の「ご予約席」ほど飲食経営者にとって悲しい光景はない…
選び抜いた食材を破棄しなければならない生産者への申し訳なさ、仕込みにかけた時間と労力の無駄などを考えれば、飲食業を愛する経営者の方々にとってみれば、金銭以外の苦痛も生じます。
今年の2月には、おそらく日本で初めての予約ドタキャンを巡る裁判も行われ、見事に飲食店側が勝訴しましたが、これはほんの一例に過ぎません。
ほとんどの飲食店は、ドタキャンされても泣き寝入りしています。
飲食業界発の自衛「ドタキャン防止システム」
そこで今回ご紹介するのは、「全日本飲食店協会(東京都港区)」が提供する新サービス「ドタキャン防止システム」です。
「ドタキャン防止システム」に登録すると、過去にドタキャンをされたことのある電話番号をデータベースに登録し、新規の団体予約の電話を受けた際、その場でデータベースに照合することができます。
「ドタキャン防止システム」では、「電話番号」「ドタキャン日時」「予約人数」「データ登録をした店舗の電話番号の一部」の4つのデータを見ることができます。
本来は電話番号だけであれば個人を特定できないので個人情報には当たりませんが、店舗が予約を受けた時点で併せて名前を聞き取るため個人情報の扱いとなり、無断でデータベースへの登録をすると個人情報保護法違反となるため、名前だけは見ることができません。
それでも店舗はこれらの情報を得ることにより、あまりにドタキャン回数が多い相手は予約の断りを入れる、団体でのドタキャンが過去にあった場合は前金制での案内をする、などの対応によって、ドタキャンを未然に防ぐことが可能です。
なお、月額利用料金を「永久無料」とすることで賛同者を集めて、より信憑性の高いデータを収集する、と全日本飲食店協会は発表しています。
これを受けて、一般利用開始から2週間での利用登録者は300人を超え、データベースへの情報提供も始まっています。
飲食店に行く私達のモラルが向上し、このシステムが必要無い時代が来ることを願いますが、飲食店がつながりを持ち、ドタキャンから自衛しなければ損失の拡大を防ぐのは難しいのが現実。
ドタキャンで悩んでいる経営者の方は、ぜひこのシステムを利用されてみるのはいかがでしょうか?
参照:https://www.atpress.ne.jp/news/151826