少子化対策で企業は育休協力しなければペナルティの可能性

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 2020年までの政府の少子化対策の基本方針となる「少子化社会対策大綱」の原案が判明し、男性社員の産後すぐの休暇取得率、育児休暇取得率を大幅に上げることが構想としてあがっている。協力的でない企業にはペナルティが課せられる可能性もあるため、今から原資を確保したり、先例企業の取り組みを把握しておく必要が考えられる。

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男性の産後休暇取得率は5年後80%の目標

 
 3月20日の政策決定会合で、2020年までの政府の少子化対策の基本方針となる「少子化社会対策大綱」の原案が判明した。

 政策の目玉は、

  • 1)配偶者が出産した直後の男性の休暇取得率を20年までに80%
  • 2)育児休暇取得率を13%まで引き上げる

 の二点である。

 男性の「産休」など、出産・育児に協力する男性の休暇制度を導入するよう企業に求め、政府が実態調査に乗り出す方針も明記した。

 今後政府は、男性に出産直後から子育てへの参加意識を高め、職場の環境整備を促す狙いだ。

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現実感沸かないが政府は確実に制度を押込む

 日本における男性の育児休暇取得率は、わずか2%程度にしかならない。これを5年後に今の5倍まで拡大させるという政府の方針は、多くの経営者にとって現実的ではないかもしれない。

 しかし「少子化社会対策大綱」からは、育児関連の独自休暇を作るよう企業へ促し、育休を認めないケースでは「指導を強化」する、つまりはペナルティもあり得ることが読み取れる。

 今後、企業は育休制度を是が非でも政府に要請されるのが明白だ。そこで今のうちから、先例として育休制度を設けている企業を把握することをおすすめしたい。参考になるのは以下の企業だ。

1)資生堂

 ・子が満3歳になるまで、連続2週間の「短期育児休業」(有給)の運用を開始。
 ・配偶者の出産後8週間以内に父親が育児休業を取得した場合には、育児休業を再度取得できる。

2)郵政

 ・出産に際して2日間の休暇を取得できる。
 ・育児の際、子どもが3歳になるまで育児休業を取得することができる。

3)デンソー

 ・育児休職は最大で通算3年間、短時間勤務は最大で通算4年間
 ・子が小学校を卒業するまでに分割して取得することができる。

4)日本生命

 ・男性社員に育休を100%とらせる目標を設定。
 ・子どもが1歳6カ月になってはじめて迎える3月末までの間、最長2年半休める。
 ・有給扱いは7日間、まず1週間の取得を徹底。
 ・男性に上司との話し合いに基づく取得計画立案と提出を義務付け

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制度に応じ企業として今取り組むべきこと

 今は先述企業のどの取り組みも特別に見えるかもしれないが、今後は育休制度を設けるのが当たり前になってくるだろう。経営者は、育休で休む社員のために、新たな資源を確保しておく必要が生じる。

 会社によっては産休、育休制度を充実させている一方で、いざ取得するとその社員を狙い撃ちで希望退職に誘導している実態もある。

 しかし今回の少子化政策大綱が国会を通過すれば、有名無実の育休実態が判明した企業にも、ペナルティが与えられる可能性が生じるだろう。

 普段からコツコツ節約し、来るべき「男性の育休制度」設置の要請に準備することが経営者に求められる。 

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