”観光立国”を掲げるニッポン。調査によると、世界の海外旅行者たちが最も多く行った国の第2位が日本であり、旅行者の10人に1人は2015年に日本への旅行を計画しているとのことだ。「旅行の予算や費用をまったく考えないでいい条件で行きたい国」でもランクインするなど、インバウンド消費が高まりを見せるのはこれからと言えそうだ。
ニッポンへ訪れるインバウンドは右肩上り
”観光立国”を掲げるニッポン。全体の8割以上がアジア諸国からの旅行者だ。
前年との訪日人数を比較した伸率のデータによると、2014年は、日中関係の冷え込みによって減少した中国人旅行者の数が「83%」と著しい回復を見せた。※1
中国に続いて、台湾「28%」、韓国「12%」、その他にもフィリピン、タイ、マレーシアなどを含むアジア全体の総数でみても「33%」とインバウンド(訪日外国人)は、大幅に増加している。
また、アジア地域以外からの旅行者数も、昨年は約260万人にのぼり伸率は15%を超える。今や一年間に訪れる外国人はおよそ1千300万人に及ぶ。これは東日本大震災前、2010年の860万人を大きく上回っているのだ。※2
アジアのみならずインバウンド消費は西洋も
日本の観光ビジネスでは、とかくアジアからの旅行者に目を奪われがちだが、世界全体でも、観光が目的の海外旅行は15%増加すると見込まれている。
トリップアドバイザーが調べるアンケート調査の結果で、2014年に海外旅行した人の割合が最も多かった国は、オーストラリアで98%。2位のスイス、3位のドイツでも9割以上の人が海外旅行をした。これは日本の59%を大きく越えている。※3
さらに調査によると、世界の海外旅行者たちが最も多く行った国の第2位が日本であった。ちなみに1位はアメリカである。
また、10人のうち1人は2015年に日本への旅行を計画しているとのことだ。そして、「旅行の予算や費用をまったく考えないでいい条件で行きたい国」ランキングの10位に入るほど、世界的にみて”日本への海外旅行”は人気なのだ。
世界における宿泊ビジネスの動向は、収益、人材への投資、共に大きく増加傾向にある。
一方、日本の宿泊業界では、採用や教育にかかる人的リソース、修繕や改装など施設への投資割合は概ね増えているのもの、収益についての展望はそれぞの宿泊施設によって温度感が異なるようだ。
まずは宿泊業界から世界との競争へ入った
渡航費用も安くなり、情報化社会の発達によって、世界各国で海外旅行が身近になった今日、日本においても外国人の顧客を取り込むグローバル化の有無が収益の明暗を分ける事になりそうだ。
すでに海外の宿泊ビジネスがインターネットや口コミへの対応、かかる人材、管理面の投資を増やす中、世界中の旅行者から絶大な支持を集める日本においては、なおさら積極的なグローバル化への投資が不可欠になるだろう。
日本の宿泊施設は、もはや国内、地域内、そしてアジア諸国内ではなく、すでに世界規模の競争に参加しているのだ。
参照元
※1 日本政府観光局(JNTO)「2014年11月 国・地域別 / 目的別 訪日外客数 (暫定値)」
http://www.jnto.go.jp/jpn/reference/tourism_data/visitor_trends/pdf/2014_november_zantei.pdf
※2 日本政府観光局(JNTO)「2015年 訪日外客数(総数)」
http://www.jnto.go.jp/jpn/reference/tourism_data/visitor_trends/pdf/2013_15_tourists.pdf
※3 TripBarometer「世界の旅行業界の経済動向」
http://www.tripadvisor.jp/TripAdvisorInsights/TripBarometer-JP#tab=0