今は凄い社長も起業当初は大体みんな黒歴史だらけです。スキルも無ければ経験も無い。ただの作業員上がりにスマートな仕事なんか出来やしない。でも、仕事が無いと死ぬから必死で仕事を貰おうとする。だから、人よりとにかく目立つ方法を考えて、悔しい経験をしながらも、一生懸命にお客様のお役に立とうとするうちに、いつしか一端の社長になっていくのです。
中野区でドベからゼロスタートしたあおば会計
今日は350人中350番…ドベ(ビリケツ)ですね、ドベからのスタートという話をしようと思います。
これ、実は私の妻の話でございまして。
今は、あおば会計税理士法人の親分となって税理士をやっていますけれど、独立開業した当時は人口30万都市の中野区に税理士さんが350人いたんですが、その中で間違いなくビリからのスタートだったんですね。
開業したのが2001年の6月でございましたて、今2017年なので16年やっております。
当時は顧問先様もゼロで売上げもゼロで、ゼロ&ゼロで始めました。
代表税理士あさよちゃんはタダの作業員レベル
私は会計事務所とは別に部屋を借りて、不動産業、正確に言うと宅建業の許可を取って、そこで不動産業を始めたんですけれど、会計事務所の方も当初よりかなり手伝っておりました。
開業当初の私の妻であり、代表税理士となった田中朝代というのは、一緒に仕事をしてみて初めて分かったんですけれど、もう〜、本当にね、むちゃくちゃ仕事ができなかったんですよ(笑)。
いわゆる「ただの作業員」だったんだなっていうのがハッキリ分かったんです。
要するに勤めていたとはいえ、所詮は下っ端の作業員レベルだったんですね。
それが分かって、「これはヤバいぞ!」と思いましたよ。
自分がこれから事業者としてこの会計事務所を経営していくんだ!っていう、心構えのカケラも無かったですから。
そのせいで、名作と言われている「あおば会計の行動指針」も出来てしまいました。
今は税務調査立会番長と言われる田中朝代も、ただの作業員の姉ちゃんだったんですよ(笑)。
今となっちゃ、起業当初に作った行動指針を見てみんな褒めてくださるんです。
「タナカさんさすがですね!開業当初からこうやってしっかり決めて経営されていたんですね!」とか言われたり、あとはメモを取っていく方もいらっしゃるんです。
…けど、仕方なくこの行動指針を作らないと、心構えのカケラも無かったっていうのがありましてね(笑)。
もうそういう所からスタートしたわけでございます。
会社名も目立つことだけ意識して付けたもの
この黒歴史もみんなに本当喜んでもらえるネタなんですが、「どうしておたくは、ドメインがaaa−bizなの?」っていう件。
あおば会計のホームページは元々、“setsuzei.net”ってドメインを取っていたんですよ。それを今は、“http://aaa-biz.com/”にしているんですが。
aaa−bizっていうのは私の不動産業の方のものだったんですが、Yahoo!さんの検索…今はYahoo!さんの検索もgoogleさんを使っていますが、当時は日本だとYahoo!さんが検索を牛耳っていたんですよね。
その時にやっぱりsetsuzei.netだと弱くて、ルールが「a」から始まるものが強くなったので、“aaa−biz”の方に会計事務所の方を移してしまいました。
それからまたルール変更があって、「あ」から始まる方が有利に検索で上位表示されるとなったので、今度は自分たちの会社の名前も捨てちゃいました。
その時に無理やり、「あ」から始まる名前なんかねぇかな〜?って考えたんですよ。
それで、「あ…お…あお!いいな!あおばだ!!」っていう感じで、社名も変えてしまって、今のあおば会計税理士法人があるわけでございます(笑)。
やっぱり普通の商売と同じですから、税理士が350人いるとしたら、上の2割くらいには入らないともともと競争にも入れないわけですよ。
そうすると上から70番にどうにかならないとけいない。その時の苦し紛れといったら…分かりますでしょう(笑)?
とにかくネットの世界では絶対上に表示されるようにするぞ!!!って。ここしか無かったんですよ。
実はネットの世界の順位戦争みたいなものを、うちは経てきているんですよ。死にそうだったんですよ!
死にそうになってここまでやって、そして地区では1番取ったり2番取ったり、そこら辺までどうにかできたので競争に入れたっていうのがあります。
資金調達の登竜門・国民生活金融公庫からすら融資を断られる
それくらい、どんなことやってでも上位に行って、目立たないといけない!
なんたって350人中350番のスタートだったんですから。仕事もできないし、知名度も無い。
そして妻が1番可哀想だったのは、銀行に融資を申し込みに行ったときに、当時は国金、今は日本政策金融公庫といいますが、そこへ事業計画書を持って行きました。
自分は頑張って税理士の資格を取って、そして実務経験を経てそして開業する!という時に、国金の担当者にもう〜けちょんけちょんに言われるんですよ。
「ただのおばちゃんが、こんなに売り上げが上がるわけない」みたいな感じで(笑)。
なのでその時にとても悔しい思いをしているんです。
結局は国金からハネられて、要するにお金を借りられずに始めたんですね。
ですからその時の恨みつらみがあるからね、「もう絶対にのし上がってやる!」っていう感じになったんです。
子供が1歳半の時の写真を駆使してターゲットを呼び込む
そして次の手もやりました。
ネット競争の中でなるべく常に上位表示されて、なおかつ!クロージング。要するにお客様が増えないといけません。
そういった状況で、中小企業の社長さん方で、小さい子がいる方達をペルソナとして対象者を絞り込みました。
ランチェスターの弱者の戦略でいう絞り込みをやりまして、“子持ちの社長さんで30代から40代くらいの人達”が来てくれないかな〜、という感じで私の子供が1歳半の時から子どもの写真にセリフを吐かせました。
画像をトップページでランダムに出るようにしていまして、数を数えたら65枚ありました。
実際にはまだしゃべれなかった子供の写真にセリフをはかせて、30代、40代の子持ちの中小企業社長さん方を呼び込むということをやりまして、これは正直なところ結構当たりました。
当たったもんですから、子どもが9歳を超えてもまだず〜っと使っていたんですよ。
ですからお客様からも「お子さんまだ小さいですね」とか言われちゃって。もう本当はいい年こいてるんですよ(笑)。
バリバリしゃべれるしね(笑)!
でも当時はまだしゃべれなかったから、なかなか面白くて、アクセス解析をしても、何回も何回も再読み込みしているのが分かるんです。
トップページでこの画像がランダムに変わるから、面白くて再読み込みしてくれている人も結構いるんだなぁって。
これが最近までやっていた手法です。
起業当初は苦し紛れでも良いからまずは目立て
起業当初にどれくらい苦し紛れにやっていたかって、今は活躍している経営者の皆さんも、外の人にはあんまり話をしないと思うんですよ。
私はいつも「目立て!目立て!」って言いますが、自分達が目立たなかったら仕事が取れなかったんですよ。
そういう形でしか目立つことしか出来なかった。それは…正直言うと妻に今のような実力が無かったからです。
「売れないタレントをどうやって売っていこうか」と考えると、マネージメントをする側にしてみれば、とにかく目立つしか無い。
少なくともネットの世界ではなんとか目立っていくしか無い。そういう苦し紛れの結果です。
昨日、事務所に行ってお客様を待っている間に時間があったので、顧問先の数を数えてみたら法人で114社、確定申告も80数件、法人と個人とで200件くらいになっていました。
まぁ事務所の規模としては中堅どころとして頑張っているんですけれど、東京の中野区って小さなマーケットなら絶対に負けないって、今なら自信を持って言えます。
でも、始めた時は本当に350人中350番だったんですよ。